2017年上半期の私的ベストシネマ40選(No.21 ~ No.40)
私が2017年上半期に観た新作映画の中から、個人的なベストランキングと感想をまとめました。
超私的な感覚で1位から40位までを勝手に選びました。
こちらでは、私的21位から40位までを。
40.『ショコラ ~君がいて、僕がいる~』
『ショコラ 君がいて、僕がいる』を観た。堂々の観応えと面白さに貫かれた、想像を遥かに超える素晴らしさ。フランス初の黒人芸人として田舎巡りからパリでの成功へと駆け上がっていく姿を表情豊かに描きながらも、黒人差別やコンビでの活動の葛藤も深い描写で重ねた、非常に多面的な魅力がある作品。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月23日
『ショコラ 君がいて、僕がいる』ここまで多角的なテーマと深みを抱えた映画だとは。フランス初の白人黒人コンビ芸人としての成功という光、当局や世間の根深い黒人差別という闇、なんて単純な作品ではなくて、もっともっと複雑で多面的な人間の心理描写に柔軟に寄り添った作品で、気付きが沢山ある。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月23日
『ショコラ』当時は前例が全く無かった黒人の芸人として活躍してることに当局から厳しい取り締まりを受けるんだけど、そこまでは予告編で分かる。本作の本当の魅了は、取り締まりや言動など形で分かる苦難はもとより、形としては浮かんでこない心理的な苦悩や葛藤までじっくり豊かに描かれていること。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月23日
『ショコラ 君がいて、僕がいる』田舎の無名コンビからスターダムにのし上がっていく過程では、白人に馬鹿にされるマヌケな黒人というコンビ構成が追い風で、生活もどんどん豊かになるから気にしてなかったけど、登り詰めた時に、パーソナルな心理的葛藤が2人の間に生まれいく。それが意義深かった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月23日
『ショコラ』明るいパートと辛いパートで分かれている映画のような気がしてたけど、そうじゃなくて生きる希望もやるせなさも常に全ての場面で溶け合っているように感じられた点が本作に一番魅了されたところだと思う。それが主人公の2人が黒人と白人の芸人コンビである点と完全にリンクしてる。見事。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月23日
『ショコラ 君がいて、僕がいる』人種差別がテーマの一つになっている映画というとシリアスなイメージを抱きがちだけど、本作は黒人と白人が芸人としてコンビを組み、前人未到の笑いでパリのスターになる、社会的課題を超えるパーソナルな生命力と信念が印象的な力強い映画。幸福な映画体験をくれる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月23日
39.『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』
『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』主人公の男は鋼鉄ジーグのことを全く知らなければ興味もなく、私も同じだった。な・の・に、説明なんか何もなくとも「鋼・鉄・ジ・ー・グ・キ・ターーーー
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年6月18日
!!」と理性も知識も超え本能レベルで直感せざる得ない“ジーグ”爆誕の瞬間の極上カッコよさ、クソ高まった!
『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』今年の上半期の予告編の第1位は個人的に本作で、それはあらすじでは全く眼中になかったものを一気に必見作品に変えるほど、極上に洗練されたものだった。その圧巻のクールさ、研ぎ澄まされたスタイリッシュなシリアスさとスリルが2時間を完璧に貫き通してた。大ガチ。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年6月18日
『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』確かにイタリア版『ダークナイト』と呼べる要素は多々見出せるけど、『ダークナイト』でさえ甘っちょろいと感じるほど本作のトーンはシリアスでリアル。題名に反してヒーロー映画にありがちな甘さやダサさは皆無。涼やかなダークネスと荒廃の上に立ち昇る情熱に痺れる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年6月18日
『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』ヒーローになる気などさらさらなく、鋼鉄ジーグも知らない主人公だからこそ、本作は「そもそもヒーローという存在はどのように成立し得るのか?」という深みまで明確にリーチしていて、そこが魅力的。自分でヒーローだと自惚れる奴は、実はヒーローでも何でもないと。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年6月18日
『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』ヒーロー映画にありがちな大義名分や本人の覚悟といった野暮ったい要素は必要とされず、一瞬の衝動が次の瞬間にクレイジーヒーローを爆誕させていく錆びれた疾走感が本当にクールで良かった。正義など完全に失った現代が抱え得る、真に等身大のヒーロー像を刻んだ怪作。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年6月18日
38.『たかが世界の終わり』
『たかが世界の終わり』さすがドラン作品!!と唸らずにはいられない圧巻の魅せっぷりに大満足。キャラクターたちの内面にたぎる鬼気迫る感情を、限りない生々しさで観客の五感を奪い尽くして同時体感させる、あのドランマジックは今作でもいっそう全開。どんなスリラー映画より痺れるヒューマン映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年2月12日
『たかが世界の終わり』を観て改めて“戦場のスリル”を初めて体感した場所は・その定義そのものを憶えた場所は、他ならぬ生まれついた家庭だったと気付いた。切っても切れない縁・どこへ行っても抜け出せない檻、そんな家族というバトルフィールド、独特のスリル。それが余すことなく作品化されてる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年2月12日
『たかが世界の終わり』とにかく今回も音楽の使い方が巧みすぎて、映画における音楽表現の最洗練術はホントにドランの独壇場だなーと息を呑むばかり。ブリンク182やグライムスや恋のマイアヒという、世間ではとっくにイメージが定められた音楽が、全く新しい感触と表情で蘇る。それが最高にクール。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年2月12日
『たかが世界の終わり』家族の関係に一定のルールやマナーなどなくて、それはその家庭内で認められてしまえば、他人が何と言ったところで無意義だから。だからこそ、人間は自分の家族や家庭について一生惑い続ける。比較で判断できないものだから。本作はそんな苦悩に対する、深く力強い抱擁だと思う。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年2月12日
『たかが世界の終わり』生々しく、スリリングで、立体的に迫る人間描写や空間演出で観客を圧倒する一方で、意外性の強いラストを用意することで、一番気になるところの解釈は観客に預けたままクールに締めちゃうところも心ニクい。アレどう思う?と誰かと語りたくならずにいられない絶妙な余韻が残る。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年2月12日
『マリアンヌ』でのマリオン・コティヤールがセクシーに映るのは演じてるキャラ自体がそういう設定だから当然として、でも、そんなタイプとはかけ離れた設定のキャラを演じているはずの『たかが世界の終わり』での兄嫁役の彼女の方にこそ、むしろ生々しいリアルな色気を感じてしまった。あの瞳の色気。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年2月13日
『たかが世界の終わり』で、主人公と兄嫁の視線だけで語られる無言の会話を執拗にクローズアップする演出は、どう考えも(良い意味で)むっつりエロすぎると思ったし、どうぞ好きなように妄想してください的な、あのシリアスな作品の中における作者からのオアシスタイム提供に感じたのは私だけでいい。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年2月13日
37.『スウィート17モンスター』
『スウィート17モンスター』周りに対する劣等感と拭えない自己嫌悪感から来る、空回りの果ての自爆とそんな経験こそがもたらす成長、というのは青春/学園映画の伝統的テーマだけど、そんな見慣れた方程式の安易感をぶち抜いて、真にリアルなこじらせと成長の姿を見事モノにした、ニュークラシック。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) April 23, 2017
『スウィート17モンスター』前半はまだまだ微笑ましいティーン映画女子王道のこじらせ感で、主人公の身振りから『小悪魔はなぜモテる』のエマ・ストーンの面影も感じたりして楽しいのだけど、後半になると良い意味で全然笑えなくなる。ガチで胸を刺される、容赦なくリアルなこじらせ加減描写に感嘆。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) April 23, 2017
『スウィート17モンスター』主人公が17年間の人生で抱え続けてきた周囲への劣等感と自己嫌悪と、そんな感情に一体いつまで支配されながら生きなきゃならないの?という描写のリアルさが秀逸で共感必須だけど、同時にそんな姿こそが微笑ましく、真に私達を元気づけるという青春映画真髄の希望も宿す
— SunCityGarden (@SunCityGarden) April 23, 2017
昨日の『光と禿』で、クリトリックリスが本人役で主役を演じてることについて、そんな名前ががんがん劇中で口に出されるなんてPGに引っかからなくて大丈夫なの?と出演女優さんが話してたけど、『スウィート17モンスター』で主人公が折に触れて口にするエロネタの露骨さはその比じゃない生々しさ。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) April 23, 2017
『スウィート17モンスター』劇中音楽も親しみ満点のThe 1975や2 Door Cinema Club、Cut CopyやBeck、Pixies等々ナイスなインディ寄りポップが沢山で、こじらせが高じた生意気さが自慢だけど、リア充への嫉妬で自爆しがちな17歳を生き生き演出してる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) April 23, 2017
『スウィート17モンスター』生き方が器用な人達への嫉妬と自己嫌悪のサイクルの中で八方塞がりに陥ったティーンハートが救われる手立ては、もう一度子供の時みたいにがむしゃらな体当たりで盛大にぶっ転んだ先にこそ存在しているという、大人が隠したがる真理を、隣に座って親身に教えてくれる映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) April 23, 2017
『スウィート17モンスター』四六時中、自己分析を繰り返しても、次の扉は開かない事。他者に自分のありのままの姿をぶつけて、相手を傷つけ、自分も傷つき、その時やっと自分が見えて、次の扉が見えてくる事。人は大人になっても一生それを繰り返していく、常に新入生である事。それを教えてくれる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) April 23, 2017
36.『77回、彼氏をゆるす』
『77回、彼氏をゆるす』印象的な題名『77 HEARTBREAKS』とは、自分勝手な彼氏に愛想を尽かし始めた頃、主人公の女性が雑貨屋で見つけた日記帳の名前のことだった。我慢の限界77個分、恋愛で感じた失望を書き込める。普通に欲しい。 pic.twitter.com/vP3JpB2g4X
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月10日
『77回、彼氏をゆるす』1人の身勝手イメケン彼氏と、2人の彼女。前の彼女が彼の部屋に残していった、彼との思い出と失望を77個書き溜めた日記帳を新しい彼女が発見することで、現在と過去の2つの恋愛模様が交差して描かれていく。モダンでセンスのよい、香港を舞台にした恋愛映画。とても好き。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月10日
『77回、彼氏をゆるす』邦題のイメージから少し暗めでシリアスな映画を覚悟してたけど、完全に良い意味で覆された。描かれる内容は、誰もが頷けるに違いない男と女のすれ違い、もとい男の身勝手さと献身的な彼女の辛さなんだけど、重苦しくはならず、コメディ描写も交えながらポジティブに描いてる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月10日
『77回、彼氏をゆるす』香港で暮らす女たち男たちの映画だけど、小津安二郎ファンらしい主人公カップルが茅ヶ崎館に宿泊するために日本旅行するシーンもあって素敵。トークショーでは全編が茅ヶ崎館が舞台の『3泊4日、5時の鐘』(超大好き)やヴェンダースの『東京画』の話も出てきて嬉しかった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月10日
『77回、彼氏をゆるす』今まで、恋人にどんな不満を抱えても別れない女性には、それでも結局は好きなんだろうな、とまでしか思えなかったけど、本作で主人公が「日常的に彼氏の身勝手な部分を許すことに慣れてしまうと、いつ別れていいか分からなくなる」と言ってて“おお〜なるほど〜”ってなった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月10日
『77回、彼氏をゆるす』様々な素敵な女性たちの立場・目線から、ダメンズの身勝手さと鈍感具合を、回想の中で改めて観察するように描き連ねつつ、そんな男たちの未熟さを踏まえての女性としての幸せとは何なのかを自問しながら前に進む姿を、豊かな心理描写とお洒落な映像センスで鮮やかに映し出す。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月10日
『77回、彼氏をゆるす』彼氏に失望する度に77回分書き残していくユニークな日記帳を軸にしながら展開される、恋愛映画としての充実度やスケール、構成、映像センスなどどれも非常に魅力的で、物語の帰着だけはもう一捻り欲しかったな、なんて終盤よぎってたら、まさかの絶妙帰着に辿り着いて最高。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月10日
35.『たぶん明日』
『たぶん明日』予想とは桁違い級で良かった。20代の女性監督によるフィリピンの映画だけど、淡くてカラフルな映像センスといい、キュートな演出といい、M83を参考にしたという魅力的なシンセポップBGMの数々といい、まるで北欧を連想させるような質感で、青春恋愛映画としても余裕で秀逸の域。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月11日
『たぶん明日』レズビアンの女性と、女性との恋愛は始めてになるストレートを自覚して生きてきた女性による恋愛映画というと、近年に『アデル、ブルーは熱い色』や『アデル』という作品があって社会との接し方など近い部分はありつつも、それらに比べて圧倒的にリアリティが高くて親しみ易い。新しい。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月11日
『たぶん明日』親友だった友達とレズビアンとして交際をしていることを世間に公表したい主人公と、その気持ちに理解を示しつつも新星トップ女優としての立場から厳重秘密にしなければならない彼女との、もどかしくて切ない関係が、重苦しくはならず、繊細で丁寧な心理描写と柔らかいタッチで描かれる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月11日
『たぶん明日』普通の女の子がレズビアンとして恋愛しながら生きていくことは、身の回りの細やかな事柄や変化や人に対して、これほどデリケートに気持ちを揺らしながら生活することなんだと生き生きと伝わってくるし、それを暗くは描かず、誰もが親密さを持てる青春らしい悩みとして描いてる点が好き。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月11日
『たぶん明日』お互いとても好き合ってるし離れるのは辛いけど、仕事の夢を守るために女同士の恋人としてはお別れしましょう、と決めて引越しの準備をするシーンで、捨てない物を入れるダンボールを被って最後の抵抗を試みる主人公がキュートすぎて。 pic.twitter.com/o7moUTnY3F
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月11日
『たぶん明日』レズビアンの恋愛そのものの悩みよりも、仕事に影響がでてしまうので隠し続けていくのが辛いといった社会的な問題が描かれている作品だけど、他のLGBTQを扱った映画に比べると、実に柔らかくて自然な感触。自分のことみたく応援したくなる気持ちを抱けるこの親密さは、偉大な魅力。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月11日
『たぶん明日』20代の女性監督らしく、とにかく映像も演出も音楽もセンスがお洒落で可愛らしく、洗練されている。2人で猫のお面を被ってビルを駆け上がるシーンはロマンチックの極み。主人公の女の子がストロークスのロゴTを着てるのも高まった。 pic.twitter.com/cyE3Of2KxI
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月11日
『たぶん明日』のような映画でストロークスのロゴTを着た女の子が出てくるのを見て、やっぱりソフィア・コッポラの映画で度々劇中歌に使われたのが、ストロークスのファッション的ステータスを全世界的に向上させるきっかけになったのかな、ということ。もともとファッショナブルな印象もあったけど。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月11日
34.『オリ・マキの人生で最も幸せな日』
『オリ・マキの人生で最も幸せな日』フィンランド史上初の世界チャンピオンとの対決試合を前に、国中からの注目とマネージャーからの神経質な激励を浴びる毎日ながら、心の向かう先は愛する恋人ばかりな繊細なボクサーのビターな奮闘をラブリーかつシックに描く。これぞ一番共感できる恋愛史上主義感。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年2月17日
『オリ・マキの人生で最も幸せな日』主人公は欧州を代表するボクサーという印象からかけ離れた大人しくて繊細な人柄だし、心を開ける恋人と過ごしてる時とはスイッチを切り替えたように無表情・無関心になってしまう、仕事関係の人たちと過ごしてる時の感情を失くしてる感とか、共感の極み映画だった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年2月17日
『オリ・マキの人生で最も幸せな日』劇中26歳のオリ・マキと彼女が手を繋ぎながら道を歩くラストシーン、同じく仲睦まじく歩く老夫婦とすれ違う。「私たちもあんな風になりたいね」この時の老夫婦こそ、現在80歳になったオリ・マキとあの時の彼女だとエンドロールで知って、どんだけ素敵映画かと!
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年2月17日
『オリ・マキの人生で最も幸せな日』タイトルの印象的な言葉は、試合に勝ち名誉を掴むことしか頭にないマネージャーが序盤でマキに言う“試合に勝って人生で最も幸せな日にしてみせろ”から来てるけど、それに対するマキ自身の解答という角度でその後の展開を観れるから、洒落た仕掛けだなーと思った。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年2月17日
どれだけ恋人が好きでも、どれだけ好きな人がいても、どれだけ恋愛に関することだけしてたいと思っていても、実際の社会生活にはそんな願望を邪魔されてばかり、でもいつだってロマンチストになれる隙を狙ってる。そんな人にとって『オリ・マキの人生で最も幸せな日』は最高に親しみを感じられる映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年2月17日
『オリ・マキの人生で最も幸せな日』のポスター、作品の精神をズバリ拾い上げていてとても素敵。国民的な注目を集める記者会見中でも練習中でも、笑顔で見つめてくれている彼女の姿を発見すると完全に心ここに在らずになるマキが本当に愛おしかった。 pic.twitter.com/TszHjK7YQa
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年2月17日
33.『ウソは結婚のはじまり?!』
南インド映画祭『ウソは結婚のはじまり?!』最っっっ高の理想的コメディ!!彼女の望む結婚相手の条件に合わせて自分は孤児だと嘘を付いたのに、偶然彼女が引越し先として選んだ賃貸部屋が、自分が親や兄弟と同居してる自宅の空部屋だったことから始まる壮大な嘘とでっち上げの上塗り合戦。好きすぎ。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年5月4日
『ウソは結婚のはじまり?!』本当に巧妙な完璧コメディ。一目惚れした女性と結婚する為に自分や家族の情報を偽り、またそれが家族や相手の家族にバレないように相手によって違う設定の嘘を振りまき続ける、という設定は去年のIFFJ『ハウスフル3』と近いけど、面白さの密度や洗練が桁違い。最高。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年5月4日
『ウソは結婚のはじまり?!』本家のIFFJで上映されたとしてもベスト級の良さ。上映がこれきりなのは本当に勿体ない。秋のIFFJでアンコール上映してくれたらもう1回観たいです。2つのカップルが次から次へ上塗りされる嘘の設定でぐっちゃぐちゃに絡み合いまくる姿は本当に面白くて可笑しい。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年5月4日
『ウソは結婚のはじまり?!』2組のカップルで同時に嘘を突き通すために咄嗟の判断でパートナーを入れ替えた設定で話を突き通したり、友達の親を自分の親として紹介したり、嘘を並べるアホ男子2人以外は、各々が聞いた内容こそが本当だと信じて疑ってないところが、さらに滑稽さを高めて楽しすぎる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年5月4日
32.『娘よ』
『娘よ』めちゃくちゃ良かった!!私的に『ムーンライト』や『ジャッキー』や『ライオン』はそれぞれに味わい深い楽しみ方を享受できる作品ではあるけど、誰にでも勧められる映画ではなくて、人を選んでからそうするタイプの作品だけど、本作は誰にでも自信を持ってお勧めできる全方位で楽しめる映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月9日
『娘よ』岩波ホール上映のパキスタン映画というと敷居が高そうだけど、実際は真逆。男社会が押し付けてくる戦略結婚から母と娘で逃亡する、ドキドキアドベンチャー風情のロードムービーであり、その道中でのハートフルな出会いを優しく描いたロマンチックな映画でもある。インド映画ファンならマスト。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月9日
『娘よ』こんなに全方位の魅力を誰もが楽しめるような一品が都内で岩波ホールだけとか本当に勿体なすぎる。カリテとかTCG系列で流れてても全然違和感ないどころか、人気作になりそうな作品。随所にカラフルで鮮やかな色彩を散りばめた目にも楽しい映画。最高にハートフルなアドベンチャームービー。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月9日
『娘よ』作品のテーマや物語展開、状況設定などの多くの要素で『裸足の季節』とオーバーラップするけど、後者がじっくり彼女たちの置かれた現状や心境を見つめていく文芸テイストなのに対して、本作はエンタメ性をきっちり固めてテンポよく突き進みつつも、思慮深く繊細な眼差しは貫かれた理想的作品。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月9日
『娘よ』予告編で感じられたドキドキ逃走劇の冒険性はきっちり期待通り以上で完璧だったし、映画表現としての洗練さという点では遥かに予告編でのイメージを越えていた。母と娘で命懸けの大脱出を試みるシーンの見事なトリック描写には大いに唸ったし、ラストも『裸足の季節』のそれ級の良さがある。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月9日
31.『メットガラ ドレスをまとった美術館』
『メットガラ』予告編だと“極上のドレスを纏った最高級のセレブたちが集う、華やかなファッションセレモニーの裏側”的側面が目立ってたけど、全く浮ついたムードの作品ではなくて、大舞台に情熱を注ぐ青年と強者たちによる想像を絶する試練の日々を立体的に映す。『ディオールと私』を彷彿とさせる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月16日
『メットガラ』2010年に自殺したアレキサンダー・マックイーンが如何に斬新で最高のデザイナーであったかということと、彼の功績を讃えて2011年にメットの服飾部門が開催した回顧展こそが、アート史におけるファッションの意義を変えた、等々序盤からワクワクするエピソードの無限連続だった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月16日
『メットガラ』を観たら、それまでリアーナについて特に意識したことがなかった人でも一目置かずにいられなくなるはず。彼女のヒロインぶりと、映画がクライマックスシーンで宿す、神経が研ぎ澄まされるような高揚感が相まって、神々しいほどだった。 pic.twitter.com/aWN5PVSieA
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月16日
『メットガラ』の余韻は本当に素晴らしかった。自分自身の神経が清々しいほどに研ぎ澄まされた感じ。頭での理解以上に、体感として、よりファッションに惹きつけられていくような映画体験。それは、身体中の細胞が一新されたような極上な心地。生まれ変わること、生まれ変わり方を教えてくれる映画体験。ファッションとはいつだってスピリチュアルな体験で、それを求めてショップを回っているようなところがある。とても直接的な感動。ほとんどの映画鑑賞以上に。
30.『愛を歌う花』
『愛を歌う花』を観た。大大大満足。ヒロイン2人の見惚れるほどの美しさと柔らかい歌声がほろ苦くも甘美な青春恋愛ストーリーを包み込むスウィートな前半と、愛憎と欲望を巡る駆け引きとダイナミックな物語性を繊細な心理描写を積み重ねながら深みをもって描き出す後半。期待を超える充実の映画体験。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月8日
『愛を歌う花』妓生養成学校で出会い無二の親友になった女性2人がそれぞれ選んでいく生き方や恋愛、やるせない愛憎の行方を豊かに描きながら、伝統音楽を取るか大衆に聴かれる流行歌を取るか、日本統治下にあった当時の朝鮮で妓生はどんな役目を負っていたか等も密に描かれていて非常に多面的な作品。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月8日
『愛を歌う花』主人公を演じるハン・ヒョジュは『ビューティー・インサイド』のヒロイン役でも完璧なミューズだったけど、本作での魅力はそれを圧倒するほど。そしてもう1人のヒロイン役のチョン・ウヒもハン・ヒョジュに引けを取らない素晴らしさ。歌手になった彼女は可愛すぎて完璧アイドルだった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月8日
『愛を歌う花』正直期待の3分の1くらいはハン・ヒョジュ目当てだったけど、映画の中盤には“真のスウィート・ソウルとはこれか!?”と目が醒めるほど愛らしく瑞々しい、シルクのような歌声を披露する完璧アイドル、チョン・ウヒさんを前に専ヲタ化も免れなかった。『哭声 コクソン』も絶対観ます。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月8日
『愛を歌う花』愛や悲しみを託した唄の魅力がドラマチックに迫ってくるコンサートシーンや録音シーンの素晴らしさが印象的な、音楽と恋愛映画の理想的な融合でもあるし、男女の三角関係を描いた映画としても圧巻の観応えがある。妓生という側面を通して知る日本と韓国の史実は罪深くも新鮮。完璧では。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月8日
29.『エリザのために』
『エリザのために』を観た。高校卒業、奨学金試験、海外の大学へ進学…といった一人娘が目の前にしていた大事なイベントを、それらの直前に暴漢に襲われるというショッキングな事件に巻き込まれてしまった娘のために、なんとか無事に実現させようと表と裏の両面で駆け回る父親側の青春映画。凄く良い。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月29日
『エリザのために』予告編のメランコリックな印象と異なり、実際は風通しが良く観易い映画で、娘に暴漢をはたらいた捜索中の犯人を除けば、悪い感じの人は誰も出てこない。ただ人間は誰しも完璧じゃなく、自分だけの意思を持っているから、すれ違う。それをとても味わい深く贅沢に描いた、充実の映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月29日
『エリザのために』娘が海外進学によって希望のない腐敗した町から抜け出すことを何より願っている父親を主観としているから、娘をどうしても奨学金試験に合格させたい気持ちの強さも起因して、“親サイドの青春映画”という新鮮な印象を残す、パパがジェントルに大奮闘&大苦闘する目が離せない映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月29日
今週の新作で非常に良かった『僕と世界の方程式』と『エリザのために』。前者は息子と母親の関係を、後者は娘と父親の関係を、それぞれ独自性を有する視点と語り口で魅力的に綴る。そして、ハッピーエンドを明確に示唆するものではないからこそ、リアルな清々しさを残すエンディングが両作品とも秀逸。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月29日
『エリザのために』とても清々しい余韻が残って、幸せな映画体験をしたと思える作品。あのエンディングは上手くてセンスが良い。何かが終わっても、人生は続いていくだっていうこと。人は生きてる間中、解決しない問題と常に付き合っていくんだということ。そのことを肯定的に感じさせる説得力が魅力。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月29日
28.『恋とさよならとハワイ』
『恋とさよならとハワイ』を観た。これは今年最高のラブコメ!『サッドティー』や『3泊4日、5時の鐘』を観ている時に感じたあの幸福感で、全編が埋め尽くされている。それらの作品にあったどこかブラックに刺すような視線はなく、終始優しく良心的な眼差しであるものの、その可笑しみは最高に美味。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月16日
『恋とさよならとハワイ』最高のラブコメ、というか、そもそも恋愛についての若者同士の本気の語らいは、第3者の視点から見つめてみるとどうしても滑稽は避けられないと思うし、そうあって欲しいし、それを丹念かつ巧妙な脚本と演技で宿した恋愛映画が一番好き。本作は全編に渡ってそれを実現してる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月16日
『恋とさよならとハワイ』雰囲気作りの力技で押しちゃう何となく恋愛映画や、形式的な笑いで固めたラブコメが多い中、本作の会話劇の魅力の本物さは凄く嬉しい。最高の丁寧さで自然体の恋愛の可笑しみと愛しさと味わい深さをさりげなく語りまくった絶妙な脚本。グッズがパンフではなく台本なのも納得。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月16日
『恋とさよならとハワイ』別れて半年も経つのに同棲継続中、もとい恋人じゃなくなってからの方が親友みたく仲良しという2人の関係について、その状況を語らいのテーブルにするように、友人らと様々なペアトークを通して各々の“あるべき恋愛”論をぶつけ合っていく。行き着く先は、誰かを好きって何?
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月16日
『恋とさよならとハワイ』 何かと喩えのセンスがズレてる(そこがイイ)主人公のOLが、彼を好きになった理由を訊かれた時に、自分をCD、彼をCDプレーヤーに喩えて、私の中にもこんな良い曲あったんだと彼に会って気付けた、と話す自分たち分析が、何気に恋愛の意義を的確に捉えてて素敵だった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月16日
『恋とさよならとハワイ』 さり気なくも懸命で、かつユーモアに溢れた恋愛についての自然体の語らいが、ここまでしっかり密に描かれ、そのどれもが面白く、性格バラバラの登場人物の誰もに共感できてしまう映画って、実はあまりないと思う。こんなに優しく真摯に恋人たちを肯定してくれる映画は貴重。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月16日
27.『インビテーション』
未体験ゾーン『インビテーション』最高最高最高最高!!凄い凄い凄い凄い!!ドドド傑作!!そう、こ・う・い・う映画こそ真に最高のスリラー映画だと思うの!!想像を超えた理想形についに出会ってしまった!!スリラー映画部門なら私的歴代1位でもいいと思うほど充実度MAXの完璧映画体験だった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月28日
『インビテーション』自分にとって理想的なスリラー映画の在り方というものに初めて出会ってしまった。元々スリラー映画自体積極的に観てこなかったけど、それは私的にこのジャンルで「こ・れ・は・傑作だわ!!!」という圧巻な映画体験をしたことがなかったから。でも、あったんだわ。今日発見した。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月28日
『インビテーション』とにかく思慮深い、新次元の洗練を達成したスリラー映画。疑心暗鬼というスリルの根源である人間の心理を絶妙なタッチで繊細に積み重ねながら、徐々に徐々に恐怖への疑惑と現実との距離感を引き寄せていく贅沢な焦らし演出とその先に待つ帰結。そのシックで高品位な構成に大拍手。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月28日
『インビテーション』ある夫婦がご無沙汰だった友人達を自宅に招き開催したパーティーが舞台で、始めから警戒心を抱いている主人公を筆頭に、各々がパーティーの真の目的について疑心暗鬼になっていく。その繊細で深みのある心理描写はヒューマン映画の質感だけど、節々でスリラーの予感を蒔いていく。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月29日
『インビテーション』の素晴らしさは、疑心暗鬼をテーマに洗練された心理描写を貫く秀逸なヒューマン映画としての魅力と、その途上で随所に忍ばせ層を重ねてきた未知なる恐怖への予感に対して、絶頂的解放を与える完璧回答としてのスリラー魅力が、見事に一本の映画の中でエレガントに融合している点。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月29日
『インビテーション』恐怖とはまだ現実としては形成されていない未来の事象に対する予感の質感の一種であること。疑心暗鬼こそが人間の内側に物語を生み出すということ、等々人間の心理について思慮深い示唆に満ちていつつも、最後は問答無用のカタルシスで景気良く締めてくれるところが本当にクール。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月29日
『インビテーション』映画としてのスタイルに痺れた。所謂ストレートなスリラー映画ではあまり味わえない、シックなヒューマン映画特有の観応えを存分に満喫させた上で、やがて一気にベールを取って、それまでぼんやりチラ見せしていたスリラーへの予感に超大胆に応えてくれる。惹きつけ方に惹かれる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月29日
26.『ラテン・ラバー』
「映画で旅するイタリア」で『ラテン・ラバー』と『アラスカ』を観た。主催者さんは「裏イタリア映画祭」と言っていたけど、作品のレベルからすると「裏」なんてとんでもなく「続イタリア映画祭」と呼べる程の力作揃い。好みでは特に前者。イタリア映画祭で流れたらスゴく愛されそうな豊潤なラブコメ。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年6月4日
『ラテン・ラバー』イタリア映画黄金期に一世を風靡した好色俳優の10周忌に集結した、彼の元妻2人と腹違いの娘たち4人による行き場のないジェラシーが織りなす足の引っ張り合いから、一筋縄ではいかぬ男たちも絡めた大騒動へと駆け抜ける、永遠のガールズトークと映画への愛に満ちた絶品ラブコメ。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年6月4日
『ラテン・ラバー』プレイボーイの女性遍歴を面白おかしく描いた映画を想像してたけど、同じ男を愛した沢山の妻や娘たち同士の交流の場を通して、今は亡き彼との恋のノスタルジーではなく、今なおここで更新し続けるガールズトークの生き生きとした機微を圧巻の手さばきで描き上げる。シックな幸福感。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年6月4日
『ラテン・ラバー』キャストも豪華で、2作品続けて大傑作となったパオロ・ビルツィ『人間の値打ち』『歓びのトスカーナ』でも主役を務めたバレリア・ブルーニ・テデスキが、その2作のイメージを笑ってしまうほど完全に踏襲する情緒不安定で自爆気味の女性を完璧に演じきっていて、逆に安定感が凄い。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年6月4日
25.『マイ ビューティフル ガーデン』
『マイ ビューティフル ガーデン』なんて幸福な余韻に浸らせてくれる映画なんだろうと、終映後しばらく突き上げてくる爽快感に酔いしれた。スペシャルキュート、スペシャル愛おしい作品。英国版『幸せなひとりぼっち』+ガーリー要素+ガーデニング、なだけじゃなく最高にキュートな恋愛映画だった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月9日
『マイ ビューティフル ガーデン』この後に『金魚』を観たので変わっちゃったけど、それまで今月観た映画の中で1番だなと幸福感と共に感じられた作品。結局こういうのが一番好き。それをど真ん中でいく、少年少女の心を持ったまま大人になってしまった男女によるいじらしく優しいラブコメ。大好き。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月9日
『マイ ビューティフル ガーデン』不器用女子によるお隣の偏屈爺さんをコーチにしたハートフルなガーデニング初体験物語、という予告編で分かる部分以外に、図書館の職員として働く彼女が毎日図書館に通うチャーミングな理系男子とじわじわ恋に落ちる図書館デート映画の側面が半分にあって凄くイイ。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月9日
『マイ ビューティフル ガーデン』主人公が自覚はないけど周囲の男性からとてもモテてしまう女性故、彼女に想いを寄せる優男たちの男ごころ映画としてもとても愛おしくて。特に、成り行きで彼女の家事使用人になったシングルファザーが図書館彼氏の存在を知った時に見せる密かな落胆表情にうおぉ〜。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月9日
『マイ ビューティフル ガーデン』お隣のガーデニング達人お爺さんとの交流パートも、年の功とユーモアを詰め込んだ、機知に富む言葉の数々で花々や庭園造りを表現していく彼の台詞が知的で心奪われた。混雑と混沌の違いを認識し、目の前の景色を“美しい秩序を保った混沌”と捉えられる感性が素敵。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月9日
24.『ラ・ラ・ランド』
『ラ・ラ・ランド』最っっっっ高おおおぉぉぉぉ!!!死ぬほどロマンチックな映画だった。ものすごい幸福感で満たしていただいた。(初日鑑賞時は連日の夜更かしが祟り、眠らないように努めることに神経の8割を注ぐような有様でしたすみません。2回目万全の体調でIMAX、大満足な映画体験でした)
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年2月26日
『ラ・ラ・ランド』(私の体調面も大きいけど)2回目の鑑賞でめちゃくちゃ良さがリアルに分かってくるというか、作品全体としての魅力が再鑑賞でどっと押し寄せてくる部分が大きい作品だなーと。だって、オープニングのあのシーンが、まるで大団円のエンディングでもあるように感じられるからしてね。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年2月26日
『ラ・ラ・ランド』LAで、世界中の都会で、何十年前から今夜も何十年後も循環していく物語。4つの季節が巡りきっても、また次の年の四季が繰り返していくように。オープングの歌で全ての答えはもう出ている。それでもそんな普遍を一人一人の物語として今日も誰かが光に手を伸ばす。それに注ぐ祝福。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年2月26日
『ラ・ラ・ランド』オープニングで唄われるように、夢のために恋人と離れても、どんなに打ちひしがれても、明日の訪れと共に何度でも這い上がっていく。そんな夢を追う強者たちのタフネスが描かれつつも、記憶に対しては人間誰しも感傷的になるもの。その絶妙な描写が大人を惹きつける青春映画の所以。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年2月26日
『ラ・ラ・ランド』感想。往年の定番楽曲を、新たなセンスと解釈によって幾度もアップデートさせてきたジャズの名演のように、夢追い人たちの青春が築く永遠の循環の中に息づく1人1人の物語を、映画が持ち得る最大限の想像力で讃えた、祝福の映画。 pic.twitter.com/0ddkxQU2vw
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年2月26日
『ラ・ラ・ランド』本当に隅々まで映画の贅沢が詰まりまくった、その素晴らしさにも評価の高さにも納得の映画体験だったけど、恋愛に意味を見出したい人・恋愛に意味があって欲しいと思ってしまう人には、なかなか評価に戸惑う映画なのかなとも思った。恋愛映画としては過度な期待はお薦めできない。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年2月24日
『ラ・ラ・ランド』リアリストが観たらロマンチックな映画、ロマンチストが観たら期待の割にそっけない映画に感じるんじゃないかと思う。映画が持ちうるファンタジックな創造力をこれでもかと大大放出しながらも、物語自体は色々ととても現実的。だからこそ作品全体のドリーミーな部分がより際立つ。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年2月24日
23.『未来よ こんにちは』
『未来よ こんにちは』監督の前々作で半自伝的作品という、同い年の初恋の彼に残した強い想いと年上の夫との間で心を揺らす、10代〜20代の心の軌跡と成長を描いた『グッバイ・ファーストラブ』と対になるような、それはつまり嬉しい感触、贅沢な映画体験。豊かな映画ってまさにこういうこと、と。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月26日
『未来よ こんにちは』これまでのミア・ハンセン=ラヴ作品に取り立ててそうは感じなかったけど、今作は確かにロメールの眼差しを感じた。密に、一瞬も見逃さんとするような視線が丹念に映し出す人物描写がそのまま物語に昇華していく。そんな眼差しの独壇場。そしてその先にユペール。贅沢なガン見。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月26日
『未来よ こんにちは』イザベル・ユペール演じる主人公の着こなしが本当に素敵でお洒落で、私服コレクション映画としてもスゴくポイントが高い。30歳越えたらファッションに年齢はあまり関係ないんじゃないかなんて気付かされるような、若々しくスタイリッシュな高校教師の装いに何度もときめいた。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月26日
『未来よ こんにちは』でユペールが見せてくれる様々な素敵な装いを見て、とても元気付けられたし、安心したし、希望を持てた。50代になっても、60代になっても、若々しくお洒落な着こなしで、街をどんどん歩き回りたい。老け込む必要なんて全然ないんだって、男子もスゴく背中を押される映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月26日
『未来よ こんにちは』人間の生涯は思い通りにいかないことの連続と突然のトラブルに心彷徨ってばかり。そんなリアリスティックを宿した登場人物たちに注がれるシックな優しさが、やがて観客ひとりひとりを肯定する静かな力強さへ広がっていく。彷徨いにこそ人生の魅力があるとそっと語りかける作品。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月26日
『未来よ こんにちは』その日によって着こなしを選ぶこと、食べたいものを選ぶこと、飾る花を選ぶこと、話したい誰かを選ぶこと。私たちの毎日は確かに思い通りにいかないことばかりだし、突然の悲しみや憤慨に狼狽えるけど、それと同じくらい“楽しい彷徨い”にも満ちているのだと教えてくれる映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月26日
そういうこと自体は誰もがやってることで、素通りしちゃえばそれまでのこと。そこに楽しみや幸福や意義を見出すにはきっと余裕や思慮深さが必要で、その在り方を客観的に見せてくれるのが『未来よ こんにちは』であり、そこでのイザベル・ユペールであり、もっと辿ればフランス映画の魅力だと思う。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月26日
明後日公開のミア・ハンセン=ラブ『未来よ こんにちは』で流れる、Fleetwoods「Unchained Melody」があまりにも柔く脆い情緒そのもので、膝から崩れ落ちそうになる…時間も思考も止まって放心…こういうのが最高に好き… https://t.co/jWgta41Nfb
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月23日
22.『かけがえのない数日』
イタリア映画祭『かけがえのない数日』大学卒業を目前に控えた仲良し女子4人組が、1人の就職先であるセルビアまでの引越しに同行する“卒業旅行”ロードムービーを中核に、各々に抱えた重大な秘密や葛藤、不安の交差を、目を見張る繊細なリアリティ描写で捉えることに成功した青春映画の新たな傑作。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年5月2日
『かけがえのない数日』仲良し女子4人組による卒業旅行ロードムービー、というタームから想定される安易なセンチメントや青春映画ぽさとは完全に距離を置いた、リアルな心理描写にシリアスかつ繊細に迫った本物のヒューマン映画としての洗練、秀逸さに息を飲んだ。本作の存在そのものがかけがえない。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年5月2日
『かけがえのない数日』親にも内緒の重病や、友への秘めた恋心、妊娠中の不安等、それぞれが口に出来ない秘密を抱えながら、4人で学生最後の旅をする。ベタベタした友情じゃなくて、互いを冷静に認識し合い、自立した自分として行動する。その個々の内心に寄り添った描写を紡ぎ続けていく手腕が絶妙。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年5月2日
『かけがえのない数日』序盤はテーマに対してシックな描写が凝りすぎていて気持ちが入り込むまでに少し時間が必要だったけど、中盤の、ドライブ旅行の途中でアメリカ人男子グループと出会い、ボーイミーツガール要素が入ってきた辺りからグッと面白くなって、その後は右肩上がりで惹き込まれまくった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年5月2日
『かけがえのない数日』後半、真に物語のテーマへと切り込みをかけて力を増す描写の数々からは、典型的な青春映画的題材を、ここまで凛とした極上のヒューマン映画に昇華しきるとはと心から感嘆。その心の機微をリアリティに徹して映し出すことこそ、映画が人間を讃えるということなのだと教えられる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年5月2日
『かけがえのない数日』仲良し女子大生4人が各々の未来へ旅立つ直前に繰り出すロードムービーを通して、個々に抱えた孤独や悩み、恋心や友情、親への思い等を、安易な感傷ではなく真摯にリアリティを追求することで救い上げた傑作。ぜひ劇場公開を。 pic.twitter.com/mi6cKFDf2L
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年5月2日
21.『アムール、愛の法廷』
『アムール、愛の法廷』98分の作品だけど、本作なら3時間でも余裕で観ていられた。というか観ていたかった。エンディングになった時、もっとゆっくりしてくれて全然構わないのにな〜って心底思った。エンディングに向けて徐々に積み上げられていく幸せの在り処の描写が大好き。とても心地よい映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年5月14日
『アムール、愛の法廷』2年前の『ボヴァリー夫人とパン屋』で美女に弱いパン屋おじさんの情けなさと滑稽さを、愛しいほど親密感たっぷりに演じてくれたファブリス・ルキーニは、初老の真面目そうな裁判長を演じる本作においても、心から共感できる男心の在り方を見事を表現していて、ホント最高だわ。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年5月14日
『アムール、愛の法廷』自分が裁判長を務める裁判の陪審員の中に、かつて入院中に惚れ込んだ美しく知的な女医さんが表れたことで、素っ気なかった熟年男性が素敵に浮き足立つ4日間を、柔らかくしっとりエレガントに描く。シックな温かさがとても魅力的。主演2人の説得力が本作に特別な愛しさを宿す。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年5月14日
『アムール、愛の法廷』裁判終わりに陪審員である彼女を密かなカフェデートに誘いながら、どれだけ惚れてるのかを必死かつジェントルに説く主人公と、それをシックに交わしつつも主人公に同情したくなるほど素敵なヒロインの4日間の交流が実に魅力的で、男心と女心が優しい眼差しから愛しく描かれる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年5月14日
『アムール、愛の法廷』シセ・バベット・クヌッセンとエヴァ・ ラリエによる最高に素敵な母娘映画でもあった。陪審員裁判や法廷の裏側をこれほど身近な視点から描いた映画も初めて観たし、驚くほど多面的な要素をこれだけナチュラルにひとつの温かなヒューマン映画としてまとめ上げた手腕に惚れ惚れ。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年5月14日
『アムール、愛の法廷』これほど男心が絶妙なリアリティで描かれた映画は久しぶり。そしてその主人公が60代の熟年男性であることに、生きることの希望を感じた。本当の幸せは自分で掴み取ったものには宿らず、誰かが不意に与えてくれたものにこそ宿っていたと気付かされる。厄介だけど、スウィート。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年5月14日
私的20位から1位まではこちらを。