2018年の私的年間ベストシネマ 30選 (No.16 ~ No.30)
私が2018年に鑑賞した新作映画の私的ランキング。15位から30位です。
16.『ワンダーランド』
フィンランド映画祭『ワンダーランド』観た。新恋人を選んだ旦那に捨てられた中年女性が、孤独なXmasの慰めに親友と訪ねた田舎のコテージで、魅力的な男性と出会い愛を交わすようになるけど、そこへ元旦那が尻尾を巻いて表れることで堪らん空間が爆誕する、ビター故キュートな大人のラブコメ。大好き。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月3日
『ワンダーランド』完璧な夫だと思っていた旦那に新恋人出現で突然捨てられ、失意を見かねた親友の誘いで外に繰り出すと新しい恋に会えたけど、そんなとき元旦那が戻ってくるという人生のままならなさに直面する中年女性のビターな奮闘を軽妙かつラブリーに描いてる点で『輝ける人生』を彷彿する佳作。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月3日
『ワンダーランド』元旦那への捨てられない未練と旅先で出会った新しい恋との間で揺れる50代女性の葛藤と、彼女が宿泊中のコテージを運営する30代前半の夫婦が迎える危機を、前者はビターながらラブリーに、後者はシリアスに、人生の決断に対する年齢による温度差を見せながら並行して描く手腕が絶妙。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月3日
『ワンダーランド』元旦那を引きずって傷心中のはずの主人公が同じコテージに宿泊中の男性客とデキちゃってることが、コテージを運営してる若い嫁にバレた時、夜遊び狂いな親友と合わせて「あなた達、その歳でなんてことしちゃってるの!?」って言われるシーンが最高に好き。そんな50代、とても素敵。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月3日
『ワンダーランド』中年女性が映画に出てきても脇役が多いことが、本作を作る動機になったと監督が話したように、主人公のヘレナの性格がとても魅力的に描かれていて、性別や年代を超えて沢山共感。2人の男の板挟みに「体が2つあればいいのに」とか真剣に言ったり、正直な自分を見せる瞬間がキュート。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月3日
17.『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』
『フロリダ・プロジェクト』を観た。全編に充満する底抜けに力強いエナジーに心奪われる。思わず頬が緩んでしまうシーンが無数に描かれる、残酷な程の清々しさに満ちた最強のキッズコメディ。子ども達の無敵のラブリーさとその捉え方の神技具合には『トリュフォーの思春期』を彷彿。極上の生命力映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年12月30日
『フロリダ・プロジェクト』もっとシビアなシリアス描写で影を差す映画かと想像してたけど、実社会的なシビアさは全て体当たりで跳ね返してしまうような、ミニマムな世界観の中で誇りを持って生きる者たち故の力強さをパワフルかつ清々しく描き通していて、解釈に広大な自由を与えている作風が好印象。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年12月30日
『フロリダ・プロジェクト』エンディングの秀逸さは今年観た映画の中でも頭抜けていて、最後まであの舞台を取っておいた点も含めて痺れた。コメディとは何なのかについて考えさせられる映画でもあった。一見異質のコメディにも見えるけど、実はこれこそが真にコメディの本質を捉えてるのではとも思う。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年12月30日
『フロリダ・プロジェクト』母親感や大人感を覗かせないスタイリッシュでクールな容姿が幻想的な存在感を放つ、ブリア・ヴィネイト演じる母親のルックスが異様によすぎる点も、作品を特徴付ける重要な要素になっていると感じた。なんの変哲もない現実の中に宿るファンタジックな光景を捉え続ける映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年12月30日
18.『勝手にふるえてろ』
『勝手にふるえてろ』を観た。まさかここまで傑作だとは全く想像してなかった。完全に舐めてた。どうしょもない映画だった『脳内ポイズンベリー』はもとより、多部未華子主演の快作『ピース オブ ケイク』等が彷彿する作品ではあるんだけど、そういうレベルとは異次元にある、圧巻の傑作。ヤバかった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年2月18日
『勝手にふるえてろ』松岡茉優のファンにとって、とかじゃなく、本作を体験した全ての観客にとって最高の松岡茉優映画にならざる得ないくらい、痺れるほど最高の松岡茉優映画だった。きっと人間は誰もが多重人格じみてるもの、を肯定するようなあらゆるキャラを具現化する演技に共感がとまらなかった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年2月18日
『勝手にふるえてろ』女性視点から恋人として男性を見たときに「気が利いて、女を傷つけない男」と「気が効かないけど女を傷つけない男」と「気が効くけど女を傷つける男」と「気が効かないし女を傷つける男」の4種類がある、と暗示してるような部分もあって、『ベロニカとの記憶』と合わせて私は辛い
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年2月18日
19.『ヴァイオリン・プレイヤー』
フィンランド映画祭『ヴァイオリン・プレイヤー』観た。とんでもない大力作。物語の舞台を不倫相手の音楽院生が初の大ステージを迎えるコペンハーゲンに移してからの途轍もない観応えときたら。ここまで緊張感に満ちた迫真の音楽劇は『セッション』以来。それをこんな濃密人間ドラマの中でやられたら!
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月4日
『ヴァイオリン・プレイヤー』交通事故によって強い未練を残しながらも華型バイオリニストを引退した音楽院講師の中年女性が辿る、人生の情熱を懸けた戦いの日々を、途轍もなく重層的に多角的に描き上げた傑作。不倫劇という次元を超えて幾つもの魂の叫びが蠢き、ぶつかり、反射し合う、後半の凄さよ。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月4日
『ヴァイオリン・プレイヤー』前半はまだ、鳴り渡るバイオリンの旋律と洗練されたカメラが美しい、叙情的で官能的な学園不倫劇の範疇ではあるけど、まさか後半でここまで重層的で奥行きに満ちた感情ドラマと『セッション』級の緊迫鬼トレ音楽劇を合わせ技で繰り出してくるとは。精魂持ってかれ切った。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月4日
『ヴァイオリン・プレイヤー』指の怪我で2度とバイオリンを弾けない音楽講師と、彼女と恋愛関係を持つ立場も年齢も異なる3人の男達が、コンサートを控えた厳しいリハーサル週間に一堂に会し、4人それぞれの信念や思惑や情熱や後悔が重層的にぶつかり、交差する姿とそれを演奏に重ねる描き方が超絶品。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月4日
『ヴァイオリン・プレイヤー』夫婦の関係が徐々に崩れていく過程や、そこに夫側の献身が関係すること、美しい映像やカメラと人物の距離感等から『かごの中の瞳』を連想する時もあったけど、後半これでもかとその次元を超えてきた。『ワンダーランド』は好みど真ん中だけど、本作の圧巻さには抗えない。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月4日
20.『ここは退屈迎えに来て』
『ここは退屈迎えに来て』を観た。期待を遥かに超える青春群像劇の快作。これは体験できてよかったと思える、軽やかにして鮮烈な映画体験。地方都市に暮らす、かつて同じ高校の同級生だった若者達が辿る10年間を、時系列を行き来しながら巧みに描く。リンクレイターの青春3部作のタッチがリンクする。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年10月20日
『ここは退屈迎えに来て』群像劇形式の青春映画として会心の観応え。とりわけ序盤はリンクレイターの青春群像映画を彷彿させる、人物との距離感やシーンの軽やかな切り替えが大胆で心地よく、楽しい。後半はだいぶ心理にフォーカスが寄り、激甘ノスタルジーな描写も増えるが、魅力的な余白も十分残す。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年10月20日
『ここは退屈迎えに来て』シリアスな青春のテーマを扱いながらも、深刻なトーンに陥らず、終始軽やかで柔らかなタッチが、観客の様々な解釈を受け入れ得る余白や余裕を生んでいる。様々なキャラクターに対し、等しい距離感から平等な眼差しを注いでいる点も好感度大。フジファブリックの歌も合ってる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年10月20日
『ここは退屈迎えに来て』橋本愛演じる主人公の、言葉少なく表情も整理されてるが故の妙な含みで惹きつける女子像感が、『桐島、部活やめるってよ』のかすみのその後を連想させるし、全体に2000年代の地方都市的青春アイテムで溢れた映画だから、『桐島、〜』好きな人はだいたい好きな映画ではと思う。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年10月20日
『ここは退屈迎えに来て』過剰演出が目立ってくるクライマックス付近を除き、本当にリアリティの追求が見事で、その巧妙なリアルさがリンクレイターの青春群像作を彷彿とさせるのかも。様々な若者達による幾つもの場面を、俯瞰の視点から透明人間になってその場で眺めてるような、距離を置いた親密さ。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年10月20日
『ここは退屈迎えに来て』幾つもの堪らない三角関係を、どれも堪らない距離感からチラチラほのかに示唆させ続けて、豊かな余韻と鑑賞後の楽しい語り合いに変えて持ち帰られてくれる、魅惑な三角関係の集合体映画としてもポイント高い。特に橋本愛演じる主人公が絡む2つの三角関係の匂わせ方は超絶妙。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年10月20日
21.『ルームシェア ~時を超えて君と~』
東京・中国映画週間『ルームシェア ~時を超えて君と~』を観た。もう、偉い!!時折出会えるアジアンラブコメ優秀作の素晴らしき遺伝子が炸裂してる。後半での予想を遥かに上回る、盛り上げに盛り上げを重ねていくドラマチック展開にはもはや頭が下がる。これぞロマコメの醍醐味、大いにときめいた。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年10月21日
『ルームシェア』時を隔て同じアパートの部屋で暮らす2018年に生きる31歳の女子と1999年に生きる25歳の男子 が、ファンタジー設定発動により同時空間で同居する内に、それぞれの悩みを共有し合い、友情が芽生え…という想定内展開からは想像つかない、後半でのガチ切ない胸キュン展開が神掛かってる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年10月21日
『ルームシェア~時を超えて君と~』最近ではシネマートもロマコメに冷たくなってる中、ここまで完璧に、優秀なロマコメでしか味わえない甘美な切なさと胸キュンを全力で演出してくれる本作の上映は本当にありがたいし、本当にこれを劇場公開しなくていいのですか?ってくらい、ロマコメとしては最高。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年10月21日
『ルームシェア ~時を超えて君と~』タイムトラベルもののコマコメとしては、『あなた、そこにいてくれますか』に近い部分がかなりあるし、『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』のテイストもあるし、その両者のミックスに、ちゃんと他人→友情→愛情のステップの丁寧な描写を加えたverとも言える。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年10月21日
『ルームシェア ~時を超えて君と~』英題が『How Long Will I Love U』で、某映画の主題歌そのまんまだけど、それも納得の出来。途中までこれは男女の友情を描いた映画なのかもしれないと実感させるくらい、安易に恋愛にはならないところが本作は光ってる。だからこそあのキスシーンの最高さったら。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年10月21日
22.『メランコリック』
TIFF『メランコリック』を観た。期待を遥かに超える最高の面白さ。近い将来での成功が約束された出来。バイトを始めた銭湯で日々強制的にヤクザの殺人処理を手伝わされる、という物語設定から、こんなラブリーでさえあるコメディ風情の青春映画経由、胸キュン胸熱バディムービーが繰り出されるなんて。 pic.twitter.com/E2zOf6ohPA
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年10月27日
『メランコリック』東大卒なのにほぼ無職とかやっと見つけたバイト先の銭湯で殺人手伝いとか、序盤からネガティブ設定満載なのに、それらを一貫してフラットな肯定的視点から描いていて、故にラブコメもお仕事奮闘コメディも唐突アクションもバディムービーも全部がナチュラルに同居してずっと楽しい。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年10月27日
『メランコリック』やっと見つけたバイトで突如やらされているのは殺人の後始末手伝いなのに、それを普通の不器用新社会人が主役のお仕事奮闘コメディと何ら変わらぬテンションでやってのけちゃう主人公のキャラ造形が魅力的。内容はアレな仕事でも充実感から恋も頑張れるようになるのが実にラブリー。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年10月27日
『メランコリック』タイトルの理由を、憂鬱という意味以上に、発音のどこかキュートな響きに作品との共鳴を感じたと監督が答えたように、他人から見たらそれが苦境であっても、人間が今まさに何かから生きる糧や情熱や幸せを見出している姿はキュートであること、それが全編に渡ってよく描かれている。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年10月27日
23.『ギャングース』
『ギャングース』凄すぎた。全編に渡って超絶圧巻の観応え。予告編からは完全に想定外の、尋常じゃない切実感と広がり続けるスケールに息つく暇もないほど飲み込まれた。過酷な逆境と死闘する青春映画としての切なる熱さ、闇社会の恐ろしくリアルな描写、バオレンス描写の迫真さ、どれも超一級の映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月26日
『ギャングース』映画祭でこれでもかと予告編を見せられたけど、実際に観た後では納得するしかない。ここまで破格の観応えを緻密に埋め尽くした傑作なら、そりゃ配給会社もあんな猛プッシュするわと。若さと勢いまかせの窃盗劇に全く留まらない、大人だから刺さる切実さも充満した極上サバイバル映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月26日
『ギャングース』予告編では見えてこなかった、彼らがヤクザからの窃盗を生業にせざるを得ない背景が、極めてなシビアなリアリティを伴って映画全般を通して描かれていく。社会の暗部を克明に告発しながら、それを極上に刺激的なエンターテイメントに昇華していく手腕があまりに秀逸で圧倒されっ放し。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月26日
『ギャングース』昨年の入江監督作『22年目の告白』も観応えがあったけど、熱量の密度、切実な社会告発性、エンターテイメント映画としての強度、どれをとっても桁違いに秀逸。闇社会のバイオレンスを破格のスケールとエネルギーでハードボイルド描写しきった映画としても『渇き。』を凌駕する観応え。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月26日
『ギャングース』予告編からノリ重視のチャラめな青春サバイバル劇を想像してたけど、そんなものとは正反対の、究極のシビアさをシリアスに見つめ続けるド真摯なサバイバル映画で驚愕した。そんなド級のシリアスさを重苦しさには留めず、全てを切実な熱量として疾走感ある観応えに昇華してるのが凄い。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月26日
24.『無限ファンデーション』
『無限ファンデーション』大傑作。即興演技だからこそ引き出し得る極限リアルな緊張感と生々しさこの上ない感情の発露を、途轍もなく全開に活かしきったシーンがひたすら連なっていく中盤以降は、身体の芯が震える程の最上級の映画的快感に満ち満ちた、まさしく圧巻の観応え。青春映画の新たな金字塔。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月24日
『無限ファンデーション』中盤以降はひとつひとつのシーンそのものが凄すぎて、極上すぎて、目の前でいま繰り広げられているシーンの観応えが物語全体を超えてしまっているし、そんなシーンばかりが次から次へとより濃度を高めながら止まることなく続くものだから、映画的快楽で身体中が支配されてた。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月24日
『無限ファンデーション』脚本なしの即興演技による本作を大傑作と成らしめているのは、紛れもなく南沙良を筆頭とした超迫真の演技を見せる俳優達だけど、それも即興演技故の魅力が極限に活きる場面ばかりをこれでもかと用意した監督の目論見あってのもので、その関係性に劇映画の究極を見た気がした。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月24日
『無限ファンデーション』大人から見ても考え込ませられる、たった一言発するにも極度の緊張と衝突する感情に震える場面が、即興演技による生々しい感情を宿した迫真の演技によって次々と連なっていく観応えからは、まるで濱口竜介監督がミドルティーンの青春映画を撮ったかのようだという感慨を受けた
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月24日
『無限ファンデーション』彼女をそこまで覚醒させた他の共演者や監督あってこそとは思うけど、それにしても主人公を演じる南沙良の爆発ぶりは圧巻。多面性が極めて高い主人公の複雑なキャラクターを、多彩な表情を駆使して体現しきっているし、クライマックスの彼女あってこそ、本作は大傑作に化けた。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月24日
『無限ファンデーション』超圧巻の迫真演技の他にも多角的な魅力が光る。服飾デザインに夢中な主人公が衣装係として演劇部に入る設定も活きてるし、母と娘の物語としても最高に素敵だし、瑞々しい音楽のみならず演技でも泣かせる西山小雨を軸としたミステリアス要素も物語に魅力的な厚みを与えている。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月24日
25.『月極オトコトモダチ』
『月極オトコトモダチ』ムーラボに新風を吹き込む、大人のエレガンスを纏った極上ラブコメ。レンタル友達×男女の友情という、面白さ鉄板なテーマを徹底的に活かしきった、溢れ出るキュートさと世の男女には堪らない切実なテーマとを完璧に両立してみせた、誰もがハマれるちょっと大人の青春コメディ。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月19日
『月極オトコトモダチ』説明文の時点で面白さ確実だし、TIFFは即完だしで期待値が凄かったけど、あっさり優雅にそこを余裕で超えていた。誰もが心を許せるような素直で健気な主人公のキャラ造形が本当に見事で、あざとさに陥りがちなこのテーマを実にキュートかつ誠実に描き上げることに大成功してる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月19日
『月極オトコトモダチ』真面目なアラサー女性×下世話記事を求められるwebメディア勤務×レンタル友達×男女の友情、という設定と軽妙に核心を突く描写で既に完璧なので、そこにさらに音楽を掛け合わせる苦労は見て取れたけど、そこを安易路線で一切逃げず正面から切り込む姿が主人公と一緒で好感度高い。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月19日
『月極オトコトモダチ』編集長からの圧力で、レンタル男友達と一夜を共に過ごす検証をせざる得なくなった時の、あくまで友達同士として自然なホテルへの誘い方(不自然不可避)を主人公が必死に予行練習するシーンがあまりにキュートすぎて沸いたし、最終的に彼女が下した決死故の模範解答ぶりに痺れた。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月19日
『月極オトコトモダチ』シュチュエーションの巧妙な仕掛けにより、定番のありがちを見事に避けて新鮮なクライマックスシーンを創出させてる点も見事。あの張り詰めた空気の中で唯一呑気な奴が放つ一言「音楽とレンタル友達の違いは何ですか?」の絶句ものの暴力的直球さが、本作を特別な作品に変える。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月19日
26.『詩人』
TIFF『詩人』を観た。経済体制の変遷が一般市民の生活様式も大きく変えていく80s〜90sの中国の炭鉱町を背景に、未来への希望を作詩に託しながら相思相愛で暮らしていた労働者夫婦が辿る奥深い運命を、軽やかな語り口と重厚な物語との絶妙なバランスで描く。アサイヤス『感傷的な運命』に彷彿する感慨。 pic.twitter.com/z23BtNo0cg
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年10月29日
『詩人』多くの労働者が詩や文学の創作に自らの運命が変わることを託していた80s中国の炭鉱町で、妻の決死な協力により詩人会社員として運命を切り開いた主人公が辿るその後の人生を通して、市場経済の発達により詩や文学の求心力が衰えていく90sへの社会変動をパーソナル視点から描写する手腕が秀逸。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年10月29日
『詩人』昼は炭鉱で働き、夜は自宅で作詩に没頭する夫を、自らも工事で働きながら最上の献身と母性的な優しさで支え続ける妻を「詩は書いていないけど、彼女も詩人だった。夫が詩で運命を切り開けるよう支える、その精神世界の中で彼女も詩を綴っていた」と女優が説明した時の解釈への感銘が凄かった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年10月29日
『詩人』社会や時代の変遷を壮大な炭鉱町のもとで描いた重厚な物語であるのに、その語り口はとても軽やかな点がとても魅力的。前半の仲良し夫婦のラブラブぶりはキュートなほど。夫の詩人としての活躍に伴い夫婦関係も変化し続けるけど、常に解釈をちらりと示唆するミステリアスなゆとりがあって好き。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年10月29日
27.『さよなら、僕のマンハッタン』
『さよなら、僕のマンハッタン』を観た。4月公開の映画で一番好き。全体的にどこをとっても優しく甘いテイストで、甘やかし過ぎな気もするけど、一番心地よく観れる映画という点では、私的上半期ベスト級。自分を喪失することの恐怖を彼女に感じさせればどうこう、とか映画で言わないで。ヒヤリとした
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年5月2日
28.『環状線の猫のように』
『環状線の猫のように』を観た。『これが私の人生設計』に続いて、リッカルド・ミラーニ作品またもや、めっちゃ良かった!社会問題を正面で取り上げながらも、最高に親しみやすいパソーナルな視点にそれを託し、ハートフルな笑えて泣けるコメディに仕立て上げるお得意の手腕が、さらに洗練された印象。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年5月2日
『環状線の猫のように』イタリアにおける女性の就労差別を描いた前作に続いて、今作では国内における富裕層(都心部)と貧困層(郊外)の多面的な分裂を描いている。それをここまで誰が観ても共感できて楽しく入り込めるファミリーコメディに仕立て上げるのが流石。全編面白かったし、余韻の清々しさ最高。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年5月2日
29.『スリー・ビルボード』
『スリー・ビルボード』を観た。期待以上の完璧な観応えサスペンス。途中まで、これは最高のヒロイン映画じゃん!って興奮しながら観入ってたし、感情移入もしてたけど、“欠点のない人間なんていない”という現実を生々しくぶつけまくってくる後半には、趣の異なる、真にシビア故シックな感慨に耽った。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年2月25日
『スリー・ビルボード』描かれる社会背景や時代は違えど、人間同士の暴力的軋轢の連鎖から抜け出せないコミュニティを、凛々しく容赦なく描写し続ける力作という意味で、最近観た『リバーズ・エッジ』を思った。両方とも自分向きの映画ではないけれど、全神経を預けきらずには居られない力があった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年2月25日
『スリー・ビルボード』ハードボイルドなサスペンスを想像してたけど、それは切り口に過ぎなくて、奥行きがどんどん増し続ける人間ドラマとしての観応えが秀逸。社会的システムというのは、それに対する態度から人間性を測るファクターになるのだということもよく伝わってきた。平和ボケして久しい。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年2月25日
30.『ウイスキーと2人の花嫁』
『ウイスキーと2人の花嫁』を観た。やっぱりこういう心から楽しく応援できる物語と人々の映画が大好き。はちゃめちゃやるっていうよりは、コメディとしてもハートフルものとしてもシックで大人っぽいムードなんだけど、その上でこれだけ健気でラブリーな一生懸命さを見せられたら堪らない。最高に好き
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年2月25日
『ウイスキーと2人の花嫁』序盤は想像以上に落ち着いたシックさから、少し肩透かしをくらった感もあったけど、いよいよウイスキーを乗せた船がやってきたあたりからは完全に持っていかれた。素敵なハートフルコメディの裏で、子離れ・親離れの切なさも温かく描いていて言うことなし。観れてよかった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年2月25日
私的1位から15位まではこちらを。
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