2017年の私的年間ベストシネマ40選(No.1 ~ No.20)
私が2017年に観た新作映画の中から、個人的なベストランキングと感想をまとめました。
超私的な感覚で1位から40位までを勝手に選びました。
基本的に日本での公開が2017年1月~12月の作品を基準に選出しましたが、中にはそうでないものもあるかもしれません。そのあたりはご容赦ください。
また、私が受験生になったため10月からは映画を月に1本程度しか観ていない状況で、感想も書き留めていませんでした。
なので中には感想がないものがあります。(それが1位なので目も当てられない)
それでは、私的1位からです。
1.『あなた、そこにいてくれますか』
ロマンスの映画というより、愛のための最高の友情映画。とりわけ後半は何度も何度も胸が熱くなり、ひどく高まった。何としても少しでもハッピーエンドに近づけるよう、彼らが協力し合って運命と戦う終盤の描写は、本当に極上だった。大好きな映画。
2.『少女邂逅』
『少女邂逅』ムーラボの範疇に収まりようのない、2017年の青春映画の金字塔。ここまでキャラクターの心理に親密かつ真摯に添い遂げることのできる長編がどれだけあるのだろうか、という頭抜けたレベルの描写力に飲み込まれた。すべてのシーンに観客を引き込む理想的な緊張感がたぎっている。破格。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年8月16日
『少女邂逅』物語の設定やあらすじからは、邦画のシリアス寄りの青春映画にありがちな題材の更新に見えるけど、そういう次元で観せる映画ではない。私的には『キャロル』への邦画からの回答と呼べる到達度。あの作品でテレーズとキャロルに注がれていた真に親密な眼差しが、本作からも絶えず見出せる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年8月16日
『少女邂逅』現代の日本を舞台にしたの青春物語においても『キャロル』という映画表現に見た幾多の精神と人物描写は活かされることを証明した、偉大な映画。テレーズとキャロルが必要とし合ったことと、ミユリと紬が必要とし合ったこと。女性に課せられる戦いと、人と人の繋がりの意義は時を超えて不変
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年8月16日
『少女邂逅』「虫には痛覚がないの、何故だと思う?寿命が短くてすぐ死んじゃうから痛みを感じる意味がないんだよ」とか「蚕を一匹一匹狭い部屋に区切るのは、近すぎる場所で壁がないと互いが吐き出す生糸で絡まり合ってダメになってしまうからだよ」とか、ミユリが大切な人達から貰う言葉が刺さった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年8月16日
『少女邂逅』いじめられっ子で化粧気のなかったミユリが、紬にメイクを手ほどきされて明るい表情になっていく描写が凄くよい。友達にリップを塗られたミユリを、紬がカーテンの中に連れ行って「君にはこっちの方が似合うよ」と違う色で塗り直してあげるシーンとポニーテールになったミユリに打たれた。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年8月16日
『少女邂逅』発する言葉は少ないけれど、紬との出会いによって計り知れない内面の揺れと変化を経験したミユリを、体当たりな演技とそれ以上に圧巻なあまりに繊細で複雑な内面描写を体現しきって、それを本作の魅力そのものまでに昇華した保紫萌香は、ムーラボ限りの最優秀女優賞どころではないレベル。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年8月16日
『少女邂逅』一見誰より不安げに映るミユリ以上に、実は複雑な内面と背景を抱え、それをミユリにさえ殆ど見せない紬。本作のストーリーテラーがミユリから、本作の奥深い核心は紬にある。そんな深刻に見せてはいけない深刻さを抱える難しい役を、生き生きと体現したモトーラ世理奈も本当に素晴らしい。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年8月16日
3.『20センチュリー・ウーマン』
『20センチュリー・ウーマン』今年の新作映画の中でも私的ナンバー1を更新する最高の映画だった。映画の中の物語を超えて、ここまで自分自身の在り方や振る舞い方を反省し、驚くほど心理的なリセットがもたらされた体験は、あまりに意義深くて大感謝。一生を通して出会えてよかったバイブル的一本。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年6月4日
『20センチュリー・ウーマン』脚本が本当に素晴らしくて覚えておきたい台詞だらけだった。「男は問題が起きた時に、解決することに躍起になるか何もしないかで、解決できなかった時に寄り添って隣に居るってことが出来ない」等々、都合の悪さから見えない振りしてた切り口ばかりでぐうの音もでない。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年6月4日
『20センチュリー・ウーマン』主人公の少年が15歳という設定がとても活きてると思った。相手が15歳だからこそ、周りの3人の女性たちは本心から男性に知っておいて欲しいことをフラットに話せるのでは。“見せかけの男”止まりにならない、“本物の男”に成るための心に刺さるアドバイスの数々。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年6月4日
『20センチュリー・ウーマン』まだ家庭と地元と同時代が自らの世界の全てである少年が、その場で“自己”と“世界”を獲得していく過程において、女性との対話によって女性のことを知ることがどれほど意義深く尊いものであるか、という鋭利な思慮深さをこれほどナチュナルに描けている点が凄く良い。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年6月4日
『20センチュリー・ウーマン』トーキングヘッズとブラックフラッグのファンは犬猿の仲だったというエピソードが事件になって登場したり、物語の舞台である1979年当時のニューウェーブ旋風が全編でフィーチャーされていて、NWナンバーが10曲近く挿入される。NWの精神は物語とも深くリンク。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年6月4日
『20センチュリー・ウーマン』マイク・ミルズ監督がジュリーを演じるエル・ファニングに役作りのため読ませた本で、作中でも彼女の愛読者として引用される『愛と心理療法』を読了。想像を遥かに超える人間心理の圧倒的な掘り下げ方に唸りっぱなし。 pic.twitter.com/NabKp6dPS1
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年6月26日
『20センチュリー・ウーマン』に出会った後で『春のソナタ』を観られたことが大きかった。親子と同居人と恋人を成す、3人の女性と1人の男性が一つ屋根の下で交差する、という類似点を上げるまでもなく(それは少し強引だし)、もっと本質的な部分における実り多いリンクから大切な気付きがあった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年6月17日
人は誰かに自分を理解してもらえた時が一番幸せなのかも。男女限らず好意を寄せている人であれば尚更に。自分のことを分かっていて欲しい人に自分のことを分かってもらえている、という実感をもっと大切に扱っていきたい。『春のソナタ』や『20センチュリー・ウーマン』を観てそんな思いを強くした。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年6月17日
4.『そうして私たちはプールに金魚を、』
『そうして私たちはプールに金魚を、』超絶大大大大傑作だった!!サンダンスグランプリもそりゃそうでしょう〜に尽きる。これはもう誰も敵いませんわ、最強すぎる。最強じゃない瞬間なんて一瞬も与えられてない、青春映画が到達し得る痛快さを爆発的に更新し続ける25分間。傑作じゃない理由がない。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月9日
『そうして私たちはプールに金魚を、』埼玉の地味な町で中学最後の夏を過ごす15歳女子4人組の抱える、生まれた町へと呪いと退屈への鬱憤が醒めきった眼差しの先で毎日バースト連発。その映画表現がとんでもなくハイパーでユーモラスで毒々しくて愛らしすぎてぶっ飛んだ。極上の痛快感が楽しすぎる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月9日
↑ × 生まれた町へと呪い ⇒ 〇 生まれた町への呪い
『そうして私たちはプールに金魚を、』15歳の自分達の今も未来も閉じ込めてしまうように見える地方の町や家庭を、ブラックユーモアが染み付いた醒めきった言葉達でバッサリ切り捨てていく女子達のリアルを直球で捉えながら、それをここまで超圧倒的な楽しさと面白さと共に表現し尽くしてるのが凄い。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月9日
『そうして私たちはプールに金魚を、』この1年で観た映画で最高の編集は『シン・ゴジラ』だったけどそれを完全に超えてる編集だし、この1年で最高に笑えたコメディ映画『真夜中のパリでヒャッハー!』を超えるほど笑えた。そしてこんなリアルな青春映画はここ数年、というか今まで観たことない程で。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月9日
『そうして私たちはプールに金魚を、』本作の前では短編だから侮るってことが全く通じない。だって情報量的には余裕で長編一本いけちゃうもの。それをハイパースピーディーな疾走ミクスチャー編集で25分間にまとめ込んでるんだから、その観応えは最高に贅沢。何度観ても新しい発見に尽きないと思う。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月9日
『そうして私たちはプールに金魚を、』中3女子の主人公が自分の家庭を「お父さんは優しいけど退屈な男。だからお母さんは浮気してる」と冷めた声色で吐き捨てるように紹介するモノローグがあって、女性の言う“優しいけどダメな男”のダメな理由が完璧な一言で要約されててうわってなった。退屈…ね…
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月9日
5.『真夜中のパリでヒャッハー!』
※見事第6位の作品ですが、感想の中で私は間違いを犯しています。本作は去年11月に劇場公開されたフランスのコメディ映画『世界の果てまでヒャッハー!』の前日譚が描かれた作品で、その時点で気付くべきだったんですが、オリジナルリリースも日本公開と同じ順だろうと思い込んでいて、感想の中では『世界の果てまでヒャッハー!』のことを前作、『真夜中のパリでヒャッハー!』のことを続編と書いています。でも本当は逆で、『真夜中のパリでヒャッハー!』こと『Babysitting』が2014年発表の第1作目、『世界の果てまでヒャッハー!』こと『Babysitting 2 / All Gone South』が2015年発表の続編でした。すみません。
『真夜中のパリでヒャッハー!』を観た。もう〜〜〜〜最高最高最高超絶最高おおぉぉぉ!!!一体このシリーズはどれだけ最高なら気が済むんだ。愛せる限界値を突破するレベルの好きすぎさ。こんなにこんなに楽しい気持ちと爆笑と幸福感と胸熱感に浸り切れる映画体験が他にあるだろうか。5000億点。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月23日
『真夜中のパリでヒャッハー!』ホントにホントにやってくれた!!完璧すぎる最高コメディ。前作のフォーマットをナイスに引き継ぎつつ、今回も爆笑不可避のぶっ飛びネタを大大連発。そして今作はジャクソン5「I Want You Back」も飛び出すほどスウィートな一面もあって、なお最強に。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月23日
『真夜中のパリでヒャッハー!』このシリーズが最高なのはただ笑えまくれるだけにとどまらず、そこにハイパー胸熱アドレナリン大放出展開をぶち込んで破格の高揚感に連れ去ってくれるところ。遊園地のマリオカートを車道で爆走させながらカーチェイスを繰り広げるシーンは死にそうなくらい最高だった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月23日
『真夜中のパリでヒャッハー!』序盤からずっと面白すぎて大満足しかなかったけど、前作の、皆が原住民から逃げる為に飛行機に乗ってるのに婆さんだけが老人用カートを超爆走させながら逃げてるシーン級の致死レベルネタは今回はないのかと思っていたら、最後の最後に出てきてお腹が痛くなるほど爆笑。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月23日
『真夜中のパリでヒャッハー!』前作を観ていなくても全然問題なく楽しめるけど、最後まで観た時に見事に『世界の果てまでヒャッハー!』のオープニングと一気にリンクする前日譚としての優秀さにも高まった。このシリーズは本当にありえないくらい幸せな気持ちにしてくれる。これからも続いて欲しい。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月23日
『真夜中のパリでヒャッハー!』可愛い同僚が退社するとき送別会でジャクソン5の「I Want You Back」を歌ったらキスしてくれて好きになってしまった、とかアラサーの男が真顔で言ってる時点でこの映画を好きになってしまうし、それが後に最高の伏線として活かされるんだから堪らない。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月23日
6.『サマー・フィーリング』
myFFF『サマー・フィーリング』を観た。ほんっっっっっとに完璧に幸福な映画体験。こういうのだよ〜〜最高なのは。一瞬一瞬に心を満たす物語が宿ってる。映像と音楽とそこにいる人々。本当に居心地の良い、優しく美しい時間。とんでもなく洗練されたセンスが隅々まで行き届いた真に理想的な映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年2月2日
『サマー・フィーリング』愛する人の死から始まる物語。(その死の描写すら美しい。というか100分全編の全瞬間が心を満たす美しさで貫かれてる。画面にひたすら惹きつけられっぱなし)なのに、果てしなくスウィート…それもベタベタした優しさじゃない。究極的に心地よい澄んだ優しさの集合体映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年2月2日
『サマー・フィーリング』愛された者の死が遺した、同じ悲しみを知る者同士の優しい関係をそっと見守るような穏やかな視点で描いた映画で、映し方・切り取り方・音楽の使い方・演出される雰囲気の純度の高さが、研ぎ澄まされたセンスの元で甘美なものとして心に響くから、どの瞬間も幸せで満たされた。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年2月2日
『サマー・フィーリング』マンハッタンを舞台にしたパートでは、主人公の友達の弟のミュージシャン役(本人役)としてマック・デマルコが登場して、クラブで2曲もライブを披露したのには驚きつつ高まった。本作のサントラにはそのライブバージョンで「チャンバー〜」と「ブラザー」が収録されている。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年2月2日
『サマー・フィーリング』マック・デマルコ以外にもピクシーズ「Motorway〜」やラーズ「Son of a Gun」アンダートーンズ「Teenage Kicks」が使われていて高まるし、随所で挿入されるインストでは一転して透明感と甘美な情緒に溢れた静けさを演出していて魅了される。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年2月2日
『サマー・フィーリング』若くして急逝した女性の恋人と、彼女の姉との折々の交流が1年ごとの夏の日に、毎回様々な街を舞台に描かれていく。毎度久しぶりの再会の中で互いの内面にある悲しみをそっと優しく思いやりながらも、楽しみにしていた再会のひと時を幸せに過ごそうとする描写が本当に素敵で。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年2月2日
↑ これは私が打ち間違えていて、姉は間違い。実際は「妹」です。突然病死してしまった恋人の妹(もちろん姉妹なので、恋人とよく似た面影をもつ…)と、恋人の死を機にして繊細な心同士の交流が始まっていくという映画です…。シックさと若々しさが甘美に同居した、瑞々しく心に沁みる、最高な映画なんです…。もう一度観たい…。
『サマー・フィーリング』こんなにも全編に渡ってズバ抜けてセンスが良い映画にはなかなか出会えない気がする。こんなに良心的でオリジナリティのある、高品位な映像演出を標準仕様で編み出し続けるなんて凄いなー、とシーンが変わる度に感嘆と深い満足感に溜息をついてた。酔いしれ続けた100分間。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年2月2日
7.『静かなる叫び』
『静かなる叫び』を観た。もうさ、全然“未体験ゾーン”レベルじゃないんですが!!なんなのこの特大のド傑作は!!今年の未体験ゾーン凄すぎ。なんて奥行き、なんて深み、そしてなんて果敢で洗練された強き意志。驚くべき多角性を持つ物語を内包する、毅然とした映画表現の手捌きと力強さにガチ唸り。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年2月17日
『静かなる叫び』1989年にモントリオール工科大学で起きた反フェミニズム青年による女性無差別虐殺事件を物語のベースにした映画であるものの、そうした前情報から想像し得たものとはスケールも深みも普遍性も全然桁違いで、映画表現としての幅も質も意志も全部が揃い、見事に相乗し切った大傑作。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年2月17日
『静かなる叫び』文芸の素晴らしさを心底訴えかけられた。実際に起きたショッキングな殺害事件をモチーフにしていると聞くとルポルタージュ色が強めかと想像しがちだけど、本作はそれをあまりに見事に覆す、圧巻なほどの文芸面での踏み込みが特徴的で、メディアとしての映画という意味でも極めて秀逸。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年2月17日
『静かなる叫び』ルポやドキュメンタリーでは到達できない、人間の心を人間の心で想像することで創り上げる物語故の真に観客の内心に迫る深い魅力が文芸作品にはあるけど、本作はその題材にして、まさかの最強文芸作品だった。洗練された映画表現の中で実現されるそれに、後半は息を呑むばかりだった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年2月17日
『静かなる叫び』何か残虐な事件が起こった時に、後年まで参照されていくパーソナルな事項は犯人の動機とか性格ばかりなのが現実だと思う。本作の素晴らしさは、普段着目される機会が少ない、当日そこにいた被害者たちのパーソナルや残された者たちの未来まで、力強く誠実に深い視点から描いている点。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年2月17日
『静かなる叫び』犯行のおぞましさや無慈悲さを臨場感を伴って描いた上で、その行為が壊そうとしたもの、けれども絶対に壊せないもの、誰かが誰かを愛しく思うこと=人間に与えられた根源的な希望を、様々な在り方でどこまでも凛と力強く描いていて、優しさとは人間が持ち得る最大の強さであると知る。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年2月17日
8.『姉妹関係』
大阪アジアン映画祭『姉妹関係』本当に最高だった!!言うなればシックに思慮深く更新された『サニー 永遠の仲間たち』のよう。最高の青春映画であり、人生についての多角的な映画であり、極上のガールズムービーだった。泣くしか。今年最高の映画。 pic.twitter.com/Um9uCa8pYs
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月11日
『姉妹関係』本作が日本で上映された初のマカオ映画だそうだけど、それがこんな傑作とは!大人になった今と青春時代の記憶とを交差して描く手法はもはや使い古されたものだけど、本作はその説得力が格別。台湾からマカオへの15年ぶりの帰郷に迎えられる、青春時代が残した痛みと幸福についての映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月11日
『姉妹関係』マカオの孤児院に生まれた主人公の女性は、台湾人の心優しい男性と結婚して、妻として満たされた生活を送っている一方で、重度のアルコール依存に苦しんでいる。そんな彼女の人生が、帰郷と青春時代の回想によって紐解かれていく。そこには彼女自身もまだ知らなかった秘密が隠されていた。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月11日
『姉妹関係』主人公の人物設定や描き方が非常に優れていて、青春時代の回想が進む毎に、当時とかけ離れてしまった今の主人公の不安定な部分が物語と相乗的に説得力を増していき、その深みに唸る。少女の感動的な友情を描いた青春映画としては勿論だけど、大人の映画としての充実度で本作は頭抜けてる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月11日
『姉妹関係』題名とかポスターは百合っぽいけど、真摯にそんな次元からは桁違いのところに到達してる本物の傑作。2人の少女が共に暮らした数年で築き上げた関係は、友情も、愛情さえも超えた、本気で相手の幸せを願う絶対的な想いやりで、その姿を眼前にした時、大人になった主人公と共に私は泣いた。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月11日
今年の大阪アジアン映画祭「来るべき才能賞」を『姉妹関係』で主人公の青春時代を演じたフィッシュ・リウ(廖子妤)さんが受賞したのが嬉しい。彼女が主演した2015年の『レイジー・ヘイジー・クレイジー』共々、日本で劇場公開されますように…。 pic.twitter.com/KGL12HZM4Q
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月11日
9.『歓びのトスカーナ』
イタリア映画祭『歓びのトスカーナ』いやもうホンッッットに圧巻
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年5月3日
!!さすがパオロ・ヴィルズィ監督だわーーと圧倒されながら心底感嘆に浸る。こんなに濃いエネルギーで充満したヒューマン映画はなかなか出会えるものじゃない。というか、殆どこれは最大値では。前作『人間の値打ち』をも凌駕してる。
『歓びのトスカーナ』作品の隅々まで狂おしいほどに充満された、剥き出しの、人間の中心にある熱きもの、願望、情熱、抑えきれない孤独や悲しみへの慟哭、それらをものすごいスピード感と克明な筆圧でダイレクトに体感し続ける衝撃的な映画体験。それは紹介文のあらすじで表現できるものでは到底ない。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年5月3日
『歓びのトスカーナ』前作『人間の値打ち』のあれだけの傑作ぶりに対し、今作のあらすじから伺えるスケール感では流石にあそこまではいかないだろうと勝手に想像してたけど完全に浅はかだった。映画としての表現力、密度、異端の中から圧倒的普遍を掴み上げる深掘り、どれをとっても最高を更新してた。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年5月3日
『歓びのトスカーナ』精神疾患者が共同生活を営む施設で出会った2人の女性による空前の冒険譚を描く。四六時中おしゃべりを続ける圧倒的な台詞量や、子供のような自由奔放さが引き起こす物語の破格のテンポ感と大胆展開の連続には息つく間もなく引き寄せられる。ユーモアとシリアスのバランスも絶品。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年5月3日
『歓びのトスカーナ』序盤はあまりのお喋りの勢いに辟易するほどだけど、2人で無軌道なドライブ旅行に繰り出す中盤以降は、それぞれのキャラクターの内側にある普遍的な人間らしさが『人間の値打ち』の監督らしい鋭く濃密な描写によって示唆され、他人事でなく直接心を打たれる。そして本作は優しい。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年5月3日
『歓びのトスカーナ』最後まで観終えた時、このポスターがとてもとても愛しくなる作品。人間形成の根本を成す幾つもの深いテーマが、息もつかせぬ勢いと濃度で突き進む冒険を通して訴えかけられていく。2017年もっともエモーショナルな映画では。 pic.twitter.com/NMV2x31eNO
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年5月3日
『歓びのトスカーナ』精神疾患により隔離施設への入居を余儀なくされた女性達を物語の主に映画を作るという高い関門に対し、傷つきながらも自らの願望や感情に対して真っ直ぐ邁進する彼女達の冒険を通して、私達が欲することを諦めてしまった、人間にとって一番大切な事柄を訴えることに成功した傑作。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年5月3日
10.『隣人のゆくえ あの夏の歌声』
『隣人のゆくえ』きっと世界中でまだたった一本、本作にしか体現できていない驚くべき体感が全編に渡り集結した大傑作。青春、ミュージカル、ミステリ、ホラー、戦争、社会…数多のジャンルの側面を揃えているけど、それぞれの捉え方の独自性がジャンルの壁など容易く融解させた、真新しい圧倒的な一本
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年8月15日
『隣人のゆくえ』こんなに絶対的な美しさに貫かれたミュージカル映画は観たことなかったし、こんな美しいミステリ映画も初めて観た。中高生の女子達が可愛らしく唄ったり踊ったりする映画、という次元には一瞬たりともいない。戦争への怒りを新たなリアリティで体現し、聖なる力で訴える終盤は震えた。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年8月15日
『隣人のゆくえ』72年前までこの国が戦地だったことに、現代の若者がリアリティを抱けないのは時間と文化の経過として認めた上で、72年前まで自分と同じ年頃の友だち達も一瞬で若く尊い命を奪われていたことの実感を、幾つものジャンルを新しい感覚で更新し紡ぎあげた青春映画によって呼び覚ます。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年8月15日
『隣人のゆくえ』当時出会っていたらきっと仲良しの友達になれていた、70年前の空襲で亡くなった同じ校舎で生きた学友達を、“隣人”と感じさせ得る演出と物語の説得力。彼女達が短い青春を生きた1930s〜40sはミュージカル映画最盛期であること、その上での本作のあの音楽表現の在り方に唸る
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年8月15日
1930s〜40sのミュージカル映画最盛期に対する率直な敬愛と賛辞の域でMAXをやってる『ラ・ラ・ランド』よりも、本当に30s〜40s当時と今を同一線上に並べる強く深い動機と必要性があり、歌唱の在り方までミュージカル王道と異なる独自性を貫くことでそれを達成した『隣人のゆくえ』派。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年8月15日
『隣人のゆくえ』キャストどころか助監督や撮影、録音、メイクといったあらゆるスタッフ業までを中高生で手掛けてるのが、作品内容故になおさら尊いし、ミュージカルパートで唯一の伴奏を担うピアノ演奏や重要楽曲の作曲は12歳の方が担当しているとエンドロールで明らかになり仰け反った。凄い映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年8月15日
『隣人のゆくえ』戦争への憎しみを中核に携えた映画は今期も沢山あるけど、その怒りや憎しみを回想や呼び覚ましではなく、現代の15歳がゼロから新たに生まれるリアルな感情としてそれを手に入れ、静かなのに圧倒的な強みで世界に訴える怒りとして真に迫る次元に到達させる、表現力に打ちのめされた。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年8月15日
11.『聖なるもの』
『聖なるもの』私的に年ベス級。映画としてのスタイルは監督の前作『花に嵐』を完全に踏襲していて、物語の設定も前作へのオマージュか続編風に要所要所で韻を踏む。だけど、その内容のいかに洗練を遂げていることか!娯楽作として駆け抜けることに一切の迷いがなく最高にポップ。そして完璧な観応え。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年8月15日
『聖なるもの』前作『花に嵐』と同じ撮影スタイルを踏襲しているけど、フェイクドキュメントというジャンルの特殊性を強調したことで物語の演出が不安定な印象だった前作に対し、今回は序盤から完全フェイクだろうが面白ければ問題なしという思いきりの良さがあって、爽快な程ひたすら面白く観通せた。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年8月15日
『聖なるもの』撮影スタイルや物語設定は『花に嵐』と共通するけど、監督自身が幸薄感を拗らせてた前作とは対照的に、今作は南美櫻と小川紗良という2大ヒロインに囲まれるばかりか同居までして、さらにそこに降りかかるのがボンジュール鈴木による激甘官能ゴスロリポップのシャワーだから多幸感が凄い
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年8月15日
『聖なるもの』前作よりも遥かに娯楽度を上げ、物語の面でも笑い所の面でも面白さを格段に高めながらも「映画づくりとは何なのか?」という前作から継承するテーマについては、シリアスムードだった前作以上に深い次元で探求がされていて、タイトルワード出現以降の展開には遥か彼方へぶっ飛ばされた。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年8月15日
『聖なるもの』男性の岩切監督にとっての、女の子という存在と映画という存在の関係性を自身で解き明かそうとした作品であるように見えた。それを下心や助平心ではなく“聖なるもの”と呼べるだけの、映像による捉え方が本作には詰まっていると思えたし、人間とは何かの追求さえ同時に実現されている。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年8月15日
『聖なるもの』南美櫻と小川紗良がそれぞれ演じるキャラが監督にとって対照的なやりとりで繋がる人物であることが、映画づくりの本質探求のヒントを女性との関係性に見出そうとする後半に効いてきて痺れた。まさか2人とも自分から離れてしまった時、人間を止めキングコングになってしまうのが印象的。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年8月15日
『聖なるもの』自分の独りよがりな希望を厳しく打ち砕くものとして、映画づくりもドキュメントも2人のヒロインも出てきて、その度に挫折感を味わうけど、結局は自分の独りよがりな希望を打ち砕くものにこそ真の希望を、人間として生きていく気概を見出せることに気付くような終盤の展開がとても好き。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年8月15日
『聖なるもの』でこの曲が降臨した瞬間の幸福が忘れられず、先週発売されたボンジュール鈴木のベスト盤を手に取る。ここまで甘美なときめきと官能を極めたハイパーロリータポップは未踏の域。致死量の甘さで放たれる「baby × 3」に我を忘れ恍惚https://t.co/709kNrl1pS
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年8月16日
F・Gの組み合わせは『好きだから死んでください、お願い。』→『少女邂逅』→『デゾレ』と来て、作品内容からもキャストの異様な美女だらけ度からも、驚くほど完璧にガールズムービーDayだったけど、流石に岩切監督はそうはならないだろうと読んでたら『聖なるもの』まで真摯にそこに並びきった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年8月15日
『少女邂逅』を観た時、あまりの超ド級さにまだ全作観てないのに、きっとこれがグランプリか観客賞だし、最優秀女優賞も待った無しで、さらに劇場公開も不可避のクオリティだと昇天の心地だった。なのに直後の『聖なるもの』が全く負けてない、むしろ最高で、この2つが賞を分け合うことになるのでは。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年8月15日
12.『少女ファニーと運命の旅』
『少女ファニーと運命の旅』予想を超える素晴らしさ。圧巻の観応えと心が澄み渡る深い感動に痺れる。ナチスドイツのユダヤ人迫害を逃れる為、幼い子ども達だけで挑む命懸けの逃亡劇をこれだけ表情豊かで心から成功を祈らずにいられない映画へと昇華するファニーの凛々しさ、繊細さ、可愛さに打たれた。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年8月14日
『少女ファニーと運命の旅』ユダヤ人の幼い子ども達がナチスに支配されたフランスから、ナチスを防いだスイスへと過酷な逃亡を試みる話、と聞くと先が読める優等生映画に思えるけど、ファニーを筆頭とした子ども達の感情豊かな表情や行動を密捉えた繊細なカメラが、極上ヒューマン映画に仕立て上げる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年8月14日
『少女ファニーと運命の旅』ナチス侵略のため両親から離れて暮らす3姉妹の長女として妹達を守る優しくしっかり者のファニーが、9人の幼い子ども達を引っ張って国境を目指すという突如の使命を通して凛々しいリーダー性を開花させていく姿が、本当に生き生き、切なく表現されていて心奪われる。名作。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年8月14日
『少女ファニーと運命の旅』本作で強く印象に残ったのは、2つの大戦のどちらでも中立の立場を取ったことで数万人のユダヤ難民や戦争難民の受け皿となっていたスイスという凄い国の存在。子ども達だけで遥か国境を目指しドイツ兵から隠れながら歩き続ける姿は勿論、スイスという国も眩しく尊く映った。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年8月14日
『少女ファニーと運命の旅』子ども達の一生懸命で切ない冒険を通して、幼い子ども達に絶対にこんなこと言わせてはいけないし、させたくないと何度も強く感じ人種迫害の最悪さに打たれる部分と、無邪気さと凛々しさを併せ持つ子ども達の愛おしさに心奪われる部分が最高に理想的なバランスで両立してる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年8月14日
13.『ラビング 愛という名前のふたり』
『ラビング 愛という名前のふたり』まだ受賞作品を観きっていない状態でこんなこと言うのもアレですが、なんでこの作品が今年のアカデミー賞の作品賞と主演女優賞と主演男優賞にならなかったん??とごくごく自然に、心底素直に思わずはいれない、本当に本当に素晴らしい映画だった。観れば分かるよ。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月18日
『ラ・ラ・ランド』も『お嬢さん』も『コクソン』も仕掛けの引力を行使することで魅力を生んでる映画だと思う。『ラビング』の魅了はそれとは対照的な、繊細に敷き詰められた極上の感情表現が常に溢れ出しそうな全編のストリームそのものの在り方にあって、私的にその充実度は『キャロル』以来のもの。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月18日
『ラビング』の映画としての贅沢さと、描かれるものが私を正しいほうへ救ってくれることを実感できる感は、『キャロル』のあの感覚にとても近いものがあった。信じたいものが生々しい感覚として、感情として作品から伝わってくる、感じられる。主演の2人のあまりに素晴らしい演技がそれを実現してる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月18日
『ラ・ラ・ランド』も『お嬢さん』も好きだけど、やっぱり自分が一番夢中になれて、心を全部預けることができる映画は『ラビング』のような作品だととても実感した。目には多くは見えず、言葉にも多くはされないものが、全編の空気の隅々まで溢れてることを確かに感じられる。そこが果てしなく魅力的。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月18日
『ラビング』を観ている間中、絶えず感じ続けてたこと。愛とは優しさを強さに変える作用であること。優しさを強さにまで変えるのが、愛。そしてこの映画は、そうした作用を・効力をこんな風に一番使いたい、こんな風に使えたら理想そのもの、と心底焦がれるシーン・時間の途切れることなき無限集合体。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月28日
14.『アムール、愛の法廷』
『アムール、愛の法廷』98分の作品だけど、本作なら3時間でも余裕で観ていられた。というか観ていたかった。エンディングになった時、もっとゆっくりしてくれて全然構わないのにな〜って心底思った。エンディングに向けて徐々に積み上げられていく幸せの在り処の描写が大好き。とても心地よい映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年5月14日
『アムール、愛の法廷』2年前の『ボヴァリー夫人とパン屋』で美女に弱いパン屋おじさんの情けなさと滑稽さを、愛しいほど親密感たっぷりに演じてくれたファブリス・ルキーニは、初老の真面目そうな裁判長を演じる本作においても、心から共感できる男心の在り方を見事を表現していて、ホント最高だわ。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年5月14日
『アムール、愛の法廷』自分が裁判長を務める裁判の陪審員の中に、かつて入院中に惚れ込んだ美しく知的な女医さんが表れたことで、素っ気なかった熟年男性が素敵に浮き足立つ4日間を、柔らかくしっとりエレガントに描く。シックな温かさがとても魅力的。主演2人の説得力が本作に特別な愛しさを宿す。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年5月14日
『アムール、愛の法廷』裁判終わりに陪審員である彼女を密かなカフェデートに誘いながら、どれだけ惚れてるのかを必死かつジェントルに説く主人公と、それをシックに交わしつつも主人公に同情したくなるほど素敵なヒロインの4日間の交流が実に魅力的で、男心と女心が優しい眼差しから愛しく描かれる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年5月14日
『アムール、愛の法廷』シセ・バベット・クヌッセンとエヴァ・ ラリエによる最高に素敵な母娘映画でもあった。陪審員裁判や法廷の裏側をこれほど身近な視点から描いた映画も初めて観たし、驚くほど多面的な要素をこれだけナチュラルにひとつの温かなヒューマン映画としてまとめ上げた手腕に惚れ惚れ。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年5月14日
『アムール、愛の法廷』これほど男心が絶妙なリアリティで描かれた映画は久しぶり。そしてその主人公が60代の熟年男性であることに、生きることの希望を感じた。本当の幸せは自分で掴み取ったものには宿らず、誰かが不意に与えてくれたものにこそ宿っていたと気付かされる。厄介だけど、スウィート。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年5月14日
15.『トンネル 闇に鎖された男』
『トンネル 闇に鎖された男』想像してたレベルをケタ違いで超える大大大傑作。断然今年の上半期を代表する一本。最上級の臨場感を体現し尽くすパニック映画としてのガチ秀作ぶりに序盤から即惹き込まれ、やがてパニック映画という域を完全に超越した人間映画、社会映画としての傑作ぶりに圧倒された。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年5月28日
『トンネル 闇に鎖された男』今のところ今年最も“圧巻”という形容が具現化した映画体験だった。驚くほどあらゆる点において文字通り圧巻。表現力も着眼点も常に最高級の観応えが途絶えなかった。まさか序盤から泣かされるとは思わなかったし、人間の尊さと醜さを巧妙に描き続ける視点と手腕がド級。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年5月28日
『トンネル 闇に鎖された男』パニック映画としての臨場感と迫力と恐怖を完璧に示した後で、そこからさらに絶えずヒューマン映画を深化させていく気概と手腕が本当に見事だった。心がじんわり温かくなる瞬間が幾度も訪れる一方で、相反する利己的な社会への批判を込めた描写も力強く説得力に満ちてる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年5月28日
『トンネル』どのシーンも力強く確信に満ちた描写に飲み込まれたけど、1人の男性の生死の境に対して国中から様々な思惑を通した眼差しが注がれる姿に対して、これ見よがしに愛を正義と讃え、利己性や政治性を悪と表明するのではなく、どれもが人間の中に同居する側面なんだと示す俯瞰性が素晴らしい。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年5月28日
『トンネル』ペ・ドゥナが電話に注ぐ第一声だけで自分でもビックリするぐらい突如泣けてしまい、本物の感情や思いやりを理解するのに、時間も“理解”というプロセスさえ不要なのだと改めて気付かされた。瞬間で判別されるもの。本物の感情を持った言葉と形式だけの言葉の響きの違いを見せまくる映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年5月28日
『トンネル 闇に鎖された男』今年観た映画の中で個人的に主演男優賞を選ぶなら本作のハ・ジョンウだし、美術賞、技術賞も本作になる。まさかここまで真に迫る体感として全神経を奪われ続ける映画だったとは本当に驚いたし、本国で特大ヒットなのも完全に納得。どこをとっても良さだらけの作品だから。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年5月28日
16.『王様のためのホログラム』
『王様のためのホログラム』を観た。タイトルやあらすじから抱いていたイメージを超絶良い意味で覆す、洒脱でシックな味わいが贅沢なヒューマン映画の良品。広大な異国の地で訪れた人生の停滞期から学ぶ、スランプの楽しみ方と世界との向き合い方を終始軽やかかつ意味深く描いていて、本当に清々しい。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年2月20日
『王様のためのホログラム』王様もホログラムも脇役でしかなく、それがIT企業の中年セールスマンにもたらしたもの=サウジアラビアでの終わりも分からなければ、やるべきことも尽きてしまった、自由と束縛の狭間で揺れる滞在期間に、異文化に出会いながらスランプの突破口を見つけていくことが主題。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年2月20日
『王様のためのホログラム』ラグジュアリーなホテルと仕事場である“国王の経済・貿易新都市”とを車で片道1時間かけて行き来する、気の抜けちゃう変なトラブルだらけの異国での毎日が描かれていくけれど、そのタッチは全く重苦しくなく、実に軽やかでユーモアに富む。観ていて気持ちが癒されるほど。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年2月20日
『王様のためのホログラム』街と街との間に広がるサウジアラビアの広大な風景も相まって、仕事の重圧や離婚によって硬直していた主人公の心が、異国の文化に出会うことで徐々に解きほぐされ、自分自身を取り戻すのとピッタリシンクロするように、本当に心が解放されて、とても爽快な余韻をくれる映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年2月20日
たまにパッと遊んで我を忘れても、夜になって翌日は仕事だと気付くと、結局自分は小さい檻の中で生きる人間だよなって気分に陰が差すときがあるけど、『王様のためのホログラム』はそんな気持ちを救いあげて、本当の自由の意味のもとで解放してくれる映画だと思う。こんなに清々しい気持ちは忘れてた。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年2月20日
『王様のためのホログラム』仕事の面からも、家族の面からも、世界文化との向き合い方の面からも、恋愛の面からも、あらゆる角度から風通しよく軽妙に“中年の危機”を描きあげていて、そこにトム・ハンクスの鉄板さも加勢して、それでもそんな停滞の時期も悪くないじゃないと思わせる趣味の良い映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年2月20日
『王様のためのホログラム』先進国の様々な企業が、自国で生き残るために中国で商品の製造をするようになったら、どのブランドも作ってるのは同じ中国や東南アジアの工場で、出来上がったものに違うロゴをくっつけてるだけ、とか現代の世界経済を巡る多様な問題も軽やかに見せてくれる映画。面白い。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年2月20日
そのあげくに今アメリカ国内の橋を建てているのも中国企業になってしまった、という中年主人公の父親(古いイメージのアメリカを愛する愛国者のイメージ)によるボヤキも出てきて、そういう状況的な下地があってトランプが選ばれたんだなって、現行のアメリカとリンクするポイントも多々出現する映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年2月20日
17.『あしたは最高のはじまり』
『あしたは最高のはじまり』めちゃくちゃよかった!!遥かに期待以上。オマール・ シー主演作は『最強のふたり』も『サンバ』も良かったし、『ショコラ』はそれ以上に良かったけど、本作はそれらを超えて一番好き。前半は軽妙な完璧コメディ、後半は尊い温かさが沁みる親子映画と、奥深い魅力が光る。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年9月10日
『あしたは最高のはじまり』今週末は注目作の公開ラッシュで、本作を最優先で観る人は少ないのかもしれない。でも宣伝で入ってくる情報から想像されるものよりも遥かに本作は素晴らしい。ハートフルコメディ好きな人には年間通しての名作になるのでは。実際、今週末観た数本の中で私的に断トツで一番。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年9月10日
『あしたは最高のはじまり』嫌味なく素直に笑えるコメディとして掴みから完璧で、今年のコメディ映画の中でも洗練された軽妙さは特筆モノ。だけど本作が真に魅力を発揮するのは親子映画としてこれでもかと多面的な観所を披露する後半。全てのシーンに感動のクライマックスが託され続け、更新されていく
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年9月10日
『あしたは最高のはじまり』心温まる楽しい描写が沢山詰まった本作の中にあって、母親のキャラクターの映画史上稀に見る厄介さは鑑賞後トークの主題になると思う 笑。優しくて穏やかで清楚系美人さん故の、真のタチの悪さと無敵の悪役感が際立ってる。クライマックスを演出するアクセントとして強烈。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年9月10日
18.『お嬢さん』
『お嬢さん』最高だった!!R-18指定の官能性ばかり話題になってる気がするけど、本作にとってそういう描写はあくまでプラスαの魅力で(それでも百合萌え的には極上たまらんです)、ことごとく明確で大胆な二転三転を華麗に効かせていく三角関係サスペンスとして絶品。そして最高最強の百合映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月5日
『お嬢さん』現時点で私的に今年最高の映画。それは仮に官能描写がなかったとしても不変。とにかく箱入り令嬢・メイドを演じる雇われ女詐欺師・伯爵を演じる黒幕詐欺師の3人による、駆け引きと胸熱三角関係を女子2人の各々の心理にじっくり寄り添いつつ、サスペンスとして大胆に交錯させる手腕が見事
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月5日
『お嬢さん』百合萌えの人には完璧マスト映画。心理サスペンスとしての洗練と充実が、令嬢とメイドという身分の異なる美しい女性2人の奥深い情の駆け引きと相まって、目を離さずにいられない。クソな男どもには絶対負けないという惚れ惚れする気概も含めて、ここまで完璧な百合映画は滅多にないのでは
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月5日
『お嬢さん』1月公開の『愛を歌う花』とは時代設定も、朝鮮と日本の関係も、その中で女性や結婚が担わされた役割も非常にリンクしていて、主演2人の女性の美しさもそうだけど、『愛を歌う花』の物語では切なさと共に志半ばで奪われてしまったものが、最高にクールに奪還されてる。胸熱ガールズ映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月5日
『お嬢さん』生々しさと潔さ、スリルとユーモアを両立した鮮やかな心理サスペンスの力作としても、クレバーな美女2人が最低な男根社会に痛烈な一矢を報いるガールズ物語としても、18禁なのが勿体ないほどだけど、ドレスアップ映画としても超極上。 pic.twitter.com/4MitlPnCAL
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月5日
19.『夜明けの祈り』
『夜明けの祈り』大傑作!!アンヌ・フォンテーヌ監督の前作『ボヴァリー夫人とパン屋』とは全くテイストが異なるけど、個人的年ベス級の圧巻ぶりは不変。というかそれ以上。そして本作でのルー・ドゥ・ラージュは私の映画体験史上、最高のヒロイン。 pic.twitter.com/mLGT584Sli
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年6月24日
『夜明けの祈り』アンヌ・フォンテーヌといえば前作『ボヴァリー夫人とパン屋』で内気系エロティシズムとロマンを軽妙なユーモアで極シックに描き出した手腕に激惚れしたので、新作はシリアス路線と聞き正直惜しいと思った。だけど完全に杞憂すぎたどころか、前作を凌駕して果てなく心に響きまくった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年6月24日
『夜明けの祈り』とにかくヒロインを演じるルー・ドゥ・ラージュのひと時も目を離せなくなる表情、眼差し、佇まいに宿るものの、圧倒的尊さときたら!凛々しさ、美しさ、格好よさ、切なさ、優しさの最高純度の在り方に絶えず打たれ続けた。そしてオフの場面で見せる素の可愛さとのギャップがまた最高!
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年6月24日
『夜明けの祈り』が8/5の劇場公開を迎えたら、ルー・ドゥ・ラージュに魅了される人がさらに爆誕することは確実で、去年アンスティチュで観た6年前のヒロイン作『女の子が好き』でも魅力的すぎたし『呼吸 友情と破壊』共々再上映して欲しすぎる。 https://t.co/F3JaAp3R8K
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年6月24日
『夜明けの祈り』戦時中に軍隊から集団暴行を受けてしまったポーランドの修道女たちが抱える、集団妊娠という誰にも明かせずにいる壮絶な苦悩に対して、フランス赤十字のポーランド支所に勤めていた若き女医がたった一人で向き合い、沢山の命を救っていく。その気高い心と行動の尊さにひれ伏すばかり。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年6月25日
『夜明けの祈り』チラシや紹介文を見ると、シリアス一辺倒な堅物映画に取られてしまうかもしれないけど、そこはアンヌ・フォンテーヌ監督にルー・ドゥ・ラージュにヴァンサン・マケーニュであり、実に理想的な緩急のバランスで物語の中に完全に惹き込まれる。基本ラブコメ専門の私でも完全に楽しめた。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年6月25日
『夜明けの祈り』自分の快楽に直接結び付かないこと、自分に都合の悪いこととは無関係な素振りをしても、特に居心地悪くなく暮らせる今かもしれない。それでも、凛々しくあること、気高くあることの尊さを感じる心ははっきりあって、そんな感情を見出すことから人は変わる。それを実現する本作は偉大。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年6月25日
『インビジブル・ゲスト』期待値を桁違いで塗り替え切った、誠に見事なドドド傑作サスペンス映画だった!決死の思惑に囚われた人間たちが奥深く潜める切り札と本性の在り処を、洗練された高密度なサスペンス映画の中で立体的かつ劇的に魅せていく。その手腕は去年の傑作『人間の値打ち』以来の観応え。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月26日
『インビジブル・ゲスト』完璧、圧巻なミステリ・サスペンス映画。序盤こそ“意外とありがち的ね”だったけど、進めば進むほど執念的に高まり続けるクオリティと切り口の高密度ぶりにどんどん惹きつけられ、後半の二転三転どころじゃない迫真のひっくり返し合戦とその全てを納得させる帰着に特大拍手。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月26日
今月のサスペンス映画は、痛快な二転三転を華麗にキメるサスペンスとしての充実と熱い百合ラブの巧妙な合わせ技で『お嬢さん』独走かと思ってたけど、ミステリやサスペンスの性質を逆手に取って劇的に心理ドラマを転がす、目を見張る手腕とクオリティで『インビジブル・ゲスト』が一気にトップにきた。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月26日
シネ・エスパニョーラというスペイン映画特集の小企画で上映中の『インビジブル・ゲスト』、日曜でも客入りは一桁だった。未体験ゾーンがそこそこの映画でけっこう満席を出してることを思えば、この内容ならシネマート2で満席余裕なはずなのになー。小企画の枠内では勿体ない傑作。4/7までの上映。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月26日
私的21位から40位まではこちらを。