イタリア映画祭『君が望むものはすべて』は今年上半期を代表する愛すべき大良作(そして『歓びのトスカーナ』がもっと凄かった!!!)
イタリア映画祭2017で観た『君が望むものはすべて』が本当に素晴らしい映画だった。
続きを読む2017年4月の私的シネマランキング (No.1 ~ No.12)
私が4月に映画館で鑑賞した新作映画について、個人的によかった順番に並べて感想をまとめました。
今月観た新作は24本。
4月はとにかく『そうして私たちはプールに金魚を、』のインパクトが途轍もなく大きかったです。
目の前で展開される映画に対してここまで純粋に興奮して、その面白さに終始ぶっ飛ばされながらひたすら全神経をスクリーンに張り付けにされた経験は、久しぶりな程でした。
現在、ユーロスペースにて5月5日(金)までアンコール上映中です。
旧作ではイメージフォーラムで観た濱口竜介監督の『PASSION』と、神保町シアターで観た相米慎二監督の『東京上空いらっしゃいませ』が、どちらも他に類を見ない怪作的な観応えがあって、素晴しい映画体験だった。
『PASSION』を観た。もう〜〜〜とんでもなすぎた!!濱口監督はごく初期の時点で、人間の究極的に最も深く、果てのない部分を、パンドラの箱を開けるに等しい果敢さで追い詰めていたんだと分かった。まさに映画が人間検証の実験の場としてあるような、たまらなくディープで危うい引力。濃すぎ。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月23日
『PASSION』視線・瞳の映画として早速特異な魅力をみせる序盤から、柔らかな危うさに“読む”楽しみが充満する中盤まではまだ余裕を持ちつつ観れたけど、映画としての表情やムードを次から次へと大胆に切り替えながら、エンドレスディープに人間の成り立ちへ深入りしていく後半には唸りっ放し。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月23日
『PASSION』序盤の、瞳や視線、今ここにいない2人の過ごし方といった、言語化されない状況の中に観客の想像を招き入れる語り口から、後半の、声と言葉とその報酬を極限まで全開にしたような、観客を圧倒させる獰猛な描写欲の表明へのギアチェンジに、濱口作品らしさを感じた。異質のスリル。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月23日
『PASSION』今まで観た映画の中で一番ガチな“愛についての映画”だった。“愛”なんて、自分ではコントロールも客観的に説明することも出来ない、自分の内面の中心にある永遠に大人になれない部分について、もっともらしい大層な御託を並べてハッタリかました言い訳に過ぎないのだと気付いた。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月23日
『PASSION』登場人物各々が、死に物狂いの情熱と洞察を懸けて、好きな人の心を手に入れるための“言葉”を繰り出す、尋常じゃないほど言葉が強い映画だけど、そのように言葉の力が強ければ強くなるほど、如何に言葉は役に立たないかを証明する帰着が素晴らしい。身体を触れ合わす行動の無敵さ。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月23日
『東京上空いらっしゃいませ』を観た。この設定でここまで安易な感傷を避けきってるのが凄い。ティーン映画にありがちな夢想的な甘さは一切排除された、“大人にこそ響くファンタジー映画”を完璧に体現した充実作。1人2役を演じる笑福亭鶴瓶(流石に若い!)が発揮するオンリーワンな説得力が圧巻。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月23日
『東京上空いらっしゃいませ』相米慎二作品らしい、腐った組織社会に染まった大人たち・男たちが支配する世界への、少年少女側からの強烈な反発というテーマが随所に見てとれる。そんな社会的な映画を、天真爛漫な少女が主役の青春映画の中で何の躊躇もなく同時にやってのけちゃってるのがカッコいい。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月23日
『東京上空いらっしゃいませ』主題歌の「帰れない二人」が劇中で歌い手も伴奏もガラッと変えて4度も登場するのが本当に粋。しかもオリジナルの井上陽水版が一番地味でさりげない挿入というのがハイセンス。中盤のしっとりした加藤登紀子版を経て再度登場する、終盤のジャズダンス版には心奪われきり。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月23日
では、以下4月に観た新作の私的ベスト1位からです。
続きを読む