私の大好きなエルンスト・ルビッチ監督作品 私的暫定ベスト22
いよいよ今週末、4月22日(土)からエルンスト・ルビッチ特集がシネマヴェーラに帰ってきます。
『ルビッチ・タッチ!Ⅱ』と題された5月19日(金)まで続く今回の特集では、2015年春の前回特集『ルビッチ・タッチ!』(びっくりマークのキュートさ!)の全19本に比べて6本も多い、全25本が上映されます。
前回の特集では上映されず、今回新たにラインナップに加わったのが
②ラヴ・パレイド
③小間使
④ウィンダミア夫人の扇
⑤街角 桃色の店
⑥寵姫ズルムン
⑦ロイヤル・スキャンダル
⑧あのアーミン毛皮の貴婦人
の9本で、逆に前回はあったけど、今回はラインナップにないのが
①陽気な中尉さん
②山の王者
③百萬弗貰ったら
の3本。
とにかく新登場の作品の多さに感謝!
いやもう、これほど嬉しいことは映画鑑賞環境でいうと私的に1年に1回あるかないかレベルのありがたさ、素敵さ。
なぜなら、前回の特集の時に、私は初めて明確に、自分が一番好きな映画監督、というものを見つけてしまったから。出会えてしまえたから。
何にも代えがたいワクワク感と嬉しさであの坂を上り、下ってくる時には頭の中が真っ白になりそうな幸福感と感銘に酔いしれていた、魔法にかかったみたいな3週間を過ごせた、2年前の春。
あのルビッチ特集で、きっと私は映画が本当に好きになりました。
本日で私のルビッチ特集は千秋楽を迎えた。1作品を観逃したけれど、ほぼ全通できた。幾つかの作品は劇場鑑賞だけでは物足りず、早速ソフトをまとめ買いして、家で何度も観返した。ここまで夢中になれる映画監督に出会えてよかった。ヴェーラに感謝。『生きるべきか死ぬべきか』は生涯ナンバー1です。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2015年5月14日
人間の弱さと強さ、愚かさと素晴らしさは表裏一体であること。それを優美なフォルムへの徹底的な拘りをもってロマンチックな艶笑喜劇として描いたルビッチ。暗い人生や明るい人生なんてものは誰にもなく、何があっても笑える余裕と知性を持てたなら、それが私達に与えられた普遍的な希望と教えられた。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2015年5月14日
ルビッチ特集、本当に全部良かったけど、特に『生きるべきか死ぬべきか』『陽気な中尉さん』『私の殺した男』 『天使』『花嫁人形』『結婚哲学』『君とひととき』という映画に今年の春こうして出会えことは忘れないと思う。特別な希望を抱けた3週間だった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2015年5月14日
ルビッチ特集のおかげで楽しい毎日だけど『ルビッチ・タッチ』を読んでしまったら今回の上映にない、パッション、白黒姉妹、寵姫ズムルン、ロジタ、三人の女、禁断の楽園、当世女大学、ウィンダミア夫人の扇、陽気な巴里っ子、思ひ出、ラヴ・パレード、モンテ・カルロ、桃色の店 等への飢餓感が凄い。
※私の発展途上のルビッチ・コレクション
今回は私が好きなルビッチ作品を好きな順番にランキングしてみました。
あの特集の後も少しずつソフトを買い足して未鑑賞の作品を減らしてきましたが、DVDで観た映画の感想はほとんど書きこぼす傾向にあるせいで、ランキングとは言いつつ数はまだまだ多くありません。
まだ一度しか観たことのない作品も多く、かなり暫定的なものですが、今回の特集を観た後に大きく変わってきたらいいなーと思いますし、そうなることに期待しています。
それでは22作品と少なめにはなりますが、1位から初見時の感想と共にまとめていきます。(随時更新中)
続きを読む2017年3月の私的シネマランキング (No.1 ~ No.10)
私が3月に映画館で鑑賞した新作映画について、個人的によかった順番に並べて感想をまとめました。
今月観た新作は21本。
3月は個人的に初めて大阪アジアン映画祭(3月3日から12日まで開催)に行けたことがとても大きかったです。
すごく、すごくよかったんですよね。。。今までの映画祭体験の中でも1番の満足度と幸福感と楽しさでした…とてもよかった…
私は最後の3日間、3月10日(金)から12日(日)の参加で、観れた映画は7本(入ったのは8本でしたが、1本は98%くらい寝落ちしてしまいました…)、実質的には丸2日間の参加だったけど、すっかりハマってしまいました。
初めての大阪アジアン映画祭、最高だった!!トークショーやサイン会も大充実で、これは毎年行きたい!会場が離れたところに分散してるのでハシゴはドキドキしたけど、それも含めて楽しかった。シネ・リーブル梅田が広々とした空間に陽が射す、明るくお洒落なフロア設計で、惚れ惚れする映画館だった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) March 12, 2017
それから、このランキングは新作に絞っているので選外にしていますが、3月に映画館で観た3本の旧作がどれも非常に良かった。
『永い言い訳』と『クーリンチェ少年殺人事件』と『ムクシン』。
特に『永い言い訳』は去年公開の映画だったので、もしもうちょっと早くに観ていれば、去年の年間ランキングでもかなり上位に入れていたはずです。
『永い言い訳』想像をずっと超えて本当に素晴らしかった。人物描写の面で映画としての力が図抜けてる。風通しが良くて軽やかな語り口なのに、真摯で、難題から逃げない・目を逸らさない、意志の強さが底通してる。その部分を緩急を付けて見せていく匙加減の絶妙さに唸った。映画としての満足度が凄い。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月8日
『永い言い訳』2時間の中で何段階にも渡って、人物描写映画としての表情、感触、深みが変化していく、違った顔をみせていく。ムードは常に一貫された作品なのに。そこが本当に凄さが怖い級というか、容赦ないというか、“容赦ない”とは“真摯で、難題から逃げない・目を逸らさない”だと知らされた。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月8日
『永い言い訳』世界には必ず自分にとって都合の悪い側面・視点が存在していて、究極的に言えばそれは自分以外の他人、全員なんだと思う。他人をしっかり他人として見れば、自分にとって不都合な部分が必ず存在する。それを無視し続けることを選ぶのか、不都合の中でしか得られない深みを手にするのか。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月8日
『クーリンチェ少年殺人事件』と『ムクシン』の感想は一番最後に貼っておこうと思います。
前書きが長くなりましたが、以下3月の私的ベスト1位からのご紹介です。
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