2015年の私的年間ベストシネマ 60選 (No.41 ~ No.60)
私が2015年に映画館で鑑賞した作品の中から個人的なベストランキングをまとめました。
超私的な感覚で1位から60位までを勝手に選びました。
60本に設定したのは、単純に2014年のまとめの時にそうしていたので同じ数にしようと思ったからなのですが、上半期の時点で30本選んでいて、そこからさらに30本前後を上乗せできるほどの分量を観ていたっけなーと半信半疑だったのですが、実感よりもずっと多くこの下半期も観ていて、結果的には絞るのがとても大変でした(苦笑)
それで、本当なら純粋に年間の私的順位を載せられれば一番綺麗なんですが、この記事自体、私自身がツイートのまとめ観覧として後々使うためにやっているところが実態ですので(苦笑 レンタル派の人と映画のお話をする時に、劇場派の私は観たことは覚えていても作品の詳しい内容や感想まではけっこう忘れてしまうことも多くて、そういう時に私はちらっと自分でまとめたこういう記事を見てお話に間に合わせます、とても便利w)、割と下の方の順位については下半期に観た作品を優先的にランクインさせる形で、上半期のまとめ30本に入れた作品についてはけっこう大胆に外してしまいました(苦笑)それでもそういう操作をしたのは40位以下の部分で、それ以上のランキングに関しては綺麗に私的年間ベストです。
基本的に日本での公開が2015年の新作を基準に選出しましたが、中にはそうでないものもあるかもしれません。そのあたりはご容赦ください。
それでは、私的60位から。
60.『私たちのハァハァ』
『私たちのハァハァ』を観た。凄い。こんなのありか!っていう、凄さ。とても良く出来た映画かというとそうじゃないと思う。終盤までは物足りなさが大きい。それでも、凄いと思うし、偉大とさえ思う。エンディングのあの圧倒的な清々しさ、晴れやかさが表現するもの・証明するものはもうそういう次元。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) September 12, 2015
『私たちのハァハァ』本作の結末が強く浮かばせる常套句「どんな結果になろうと、やらないよりもやった方が絶対に良い」の、「やる」ということ、そしてそれを「やる自分自身」というのは、どんな音楽よりも、どんなロックバンドよりも、重要で、素晴らしく、偉大であるということ。その決定的表現作。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) September 12, 2015
『私たちのハァハァ』自分もかつてそれに近い時期があったけれども、4人の中の1人の子は自分の好きなバンドや彼らの楽曲は、何よりも、本当に何よりも、自分や誰かの命よりも、価値があって、偉大で、全てをそこに注ぐに値する、生命の写し鏡そのもののとして信じてる。自分も10代の時そうだった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) September 12, 2015
だけど、そうじゃないって少しずつ実感するようになった。それはまさに自分が『私たちのハァハァ』の彼女達のように好きなバンド観たさで1人で初めて海外に行ったり、友達と海外フェスに行ったり、インドア派の自分がフジロック連日参加する中で、何が本当に重要で偉大なのか、思いや考えは逆転した。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) September 12, 2015
好きな音楽やバンドを追いかけて海外やキツイ野外フェスまで行くようになった頃に気付いたのは、どんな音楽やバンドよりも、その音楽を追いかけてる時の自分やその体験こそが、本当に尊くて、かけがえのない、惹かれてやまないものだということ。『私たちのハァハァ』はそれが本当によく表現されてる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) September 12, 2015
『私たちのハァハァ』は予想に反してバンドの出演はとても少ない。物語の中で音楽が語られることも予想よりずっと控え目。そしてそんなリスクを背負ったからこそ成功してる。青春の物語・私達が生きるということを音楽が超える、ということはない、という表現に。それを“希望”として描き出すことに。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) September 12, 2015
『私たちのハァハァ』10代の頃大好きだったバンドや音楽、今でも良さは分かるけど、今リアルで今よく聴き今最高かと言われれば正直そうじゃない。でもあのバンドで色々なライブハウスの場所を知って出掛けたこと、数々のフェスデビューしたこと、海外旅行したことは紛れもなく今も最高の財産で体験。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) September 12, 2015
『私たちのハァハァ』音楽は最初からそれ自体が“聴く”という“体験”から成るものだし、そういう会い方も良い。だけどもっと良い会い方は、その音楽を受けたことで自分自身がまたさらに新しい“体験”へと踏み出す情熱まで音楽から宿してもらえる会い方。4人はクリープハイプと最高の会い方をした。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) September 12, 2015
『私たちのハァハァ』徹底した自然体のリアリティの追求のために、あえて深く切り込むような描写を避けてる印象があって、そこには物足りなさを感じていた。だ・け・ど、あのLINEの会話シーン、あそこだけでそれまでの物足りなさ全部ぶっ飛ばすくらいの衝撃的高揚感があって、その後は全てが最高。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) September 12, 2015
『私たちのハァハァ』クライマックスの始まりを告げるあのLINEでの会話シーンは、個人的に今年の邦画を代表する超圧巻で超高揚な、なのに台詞ゼロ&無音の超ハイライト。1日の中で一番ニヤついたり高まる瞬間が、実際の会話よりも仕事中のこっそりLINEだったりする日あるから凄いリアリティ。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) September 12, 2015
59.『グラン・ノーチェ!最高の大晦日』
ラテンビート映画祭『グラン・ノーチェ!最高の大晦日』を観た。いや〜〜完全予想以上の完璧クオリティコメディ!!ギラギラえげつなくてどちゃめちゃ超高濃縮で群像劇としての精度は超絶ハイパーになった『ニューイヤーズ・イブ』といったところ。これがラテンビート映画祭だけの上映なんて勿体ない!
— SunCityGarden (@SunCityGarden) October 10, 2015
『グラン・ノーチェ!最高の大晦日』とある1日がたどる珍騒動を同時進行的群像劇としてまとめ上げたコメディは沢山あるけれど、いくらなんでもここまで怒涛の勢いで全てが面白くて大袈裟な話をギュ〜ギュ〜に同居させ、しかもそれをとっ散らかすことなく流暢にストリームさせる手さばきは極めて圧巻。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) October 10, 2015
『グラン・ノーチェ!最高の大晦日』絶え間なくネタが仕込まれ続けて尋常じゃない密度を誇る、年間屈指のクオリティを持った極上コメディ。それぞれがてんでんバラバラの欲望と思惑を抱えたちょいロクデナシ達が一堂に会することの面白さ。傍から見るとひょうきんさのせめぎ合いのようで本当に楽しい。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) October 10, 2015
58.『ロマンス』
『ロマンス』を観た。Sっぽくて気が強い良い子、という主人公があまりに大島優子にハマり役でその時点でそうとう成功してる。序盤は1日を共にするおっさんとの邂逅の仕方が強引で腑に落ちなかったけど、いつの間にかそんなのどうでもよくなる会話の楽しさと忍ばせた奥深さの旨味に大満足。良い映画!
— SunCityGarden (@SunCityGarden) August 29, 2015
『ロマンス』旅とは、往路で築いた枠組みの中でどんな心理体験を得えたかを復路で密かに実感することで出来上がる。言葉も同じ。「人は生きてる限り何をしても後悔するもの。どういう後悔なら自分は納得するかが大事」かつて人へ発した便利な言葉が、自分の中で意味をもって帰って来た時、出来上がる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) August 29, 2015
『ロマンス』事前情報では正体が殆ど明かされなかったのもあって、親と子・母と娘の関係という太いテーマを軸にした映画だったのは意外だったけど、多くの場合重くなりがちなそれをベタッとは描かず、気安いおっさんとの素朴な面白会話をベースに1日限りの箱根旅行映画と両立させてる点がとても良い。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) August 29, 2015
『ロマンス』リアリティという意味で一番まっとうな“帰郷”、旅行映画だなと。まさに帰郷や旅行ってこういう感じ。あの、日常とは違うんだけど、だからといって特別なことばかり起こるかといったらそうでもなく、むしろ変に過去のこと回想しちゃったりとか、あの微妙な感覚が見事にカタチになってる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) August 29, 2015
『ロマンス』しっかり者でSっぽい26歳女子と、落ち目の中年映画プロデューサーの1日限りの邂逅 in 箱根。はじめは噛み合ってなさが可笑しい素朴な会話劇だけど、彼女がおっさんに心を許した分だけ徐々に子供時代の母との回想シーンが増えて、映画に深みを与えていく構成がとても活きてて好き。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) August 29, 2015
『ロマンス』日常の裏側って、(人は未来へとしか生きていけない以上)つまりは過去(に対する回想)のことなんだと分かる。この映画の実質的テーマ曲は山口百恵の「いい日旅立ち」だけど、結局人は何から旅立っていくのかというと、それは場所ではなく過去からなんだと、とてもよく伝わってくる映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) August 29, 2015
『ロマンス』9月の連休を前にしたこの時期に本作が公開されたのは本当に良いことだと思う。観たら旅行に行きたくなる。たった24時間の小さな旅が終わりを迎えた時の2人の清々しさが証明してるのは、旅行が終わる時こそが、むしろその道中を通して振り切れた“過去”からの旅立ちの瞬間ということ。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) August 29, 2015
57.『みちていく』
『みちていく』を観た。良い映画だった~~。本作を観て、やっと、ちゃんと実感として分かった、中学や高校という生活空間がいかに人生においてそこでしか感じ得ない、おどろおどろしい緊張感を人間に経験させる、異様で特殊な生活環境であるかを。真にリアリティを捉えた学校映画として群を抜いてる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) July 2, 2015
今『みちていく』という、わざとらしさや作った感が微塵も存在しない、徹底してリアルな学校映画を観て、いや~~今にして思えば自分はよくもまぁ毎日あんな緊張感に耐え忍びながらなんとかやってかなきゃならない中学、高校なるとこに当たり前のように通えてたわ~今なら絶対ムリだわ~って思ってる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) July 2, 2015
『みちていく』狭い教室や校舎の中に無数に詰まってる常時ギリギリ感に迫られた人間関係そのものが、否応なしの毎日の空気感という、中学や高校のあの特殊な緊張感をこれ見よがしなネタにはせずに、当たり前の背景・空気感として誠実に、そして驚くほどそのままに再現することに成功し尽くしてて凄い。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) July 2, 2015
男子で、いざとなれば一匹狼路線でいくのも苦じゃなかった自分でさえ、中高の学校生活というのは今にして思えば校門を入った瞬間からまた今日も脆い人間関係群とのやりくりマストの緊張感もとい呪縛に捕らわれてた。そんな記憶や感覚はすっかり忘却の果てだったけど『みちていく』で完全に思い出した。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) July 2, 2015
『みちていく』主人公のみちるが特別な存在感を放つ。それが“特別ではない”というイメージを完遂し尽くしていることの凄さ・特別さであることが、本作の大きな魅力だと思う。人間関係とは誰しもを何者かにしてしまう。私自身が捉える私は現実の世界では何者にもなれない。だから、良い“鏡”を追う。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) July 2, 2015
『みちていく』の原題は『消えていく』だという。そして劇中で何度か繰り返す新月の夜と満月の夜、みちるが新田と一緒に過ごそうとする時間と誰にも会わず何日も部屋にこもる時間。月は太陽の光を反射して姿を見せる。人は鏡となる誰かに会ってそこに自分を見る。でも“消える”時間も尊い価値がある。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) July 2, 2015
「新月の夜にお願いごとをすると満月の夜に叶うんだよ」って台詞が冒頭からさらっとなんの気もない雑談として登場するんだけど、これ最後まで観てこんなふうにあれこれ考えていった時に、さりげない映画に見せかけて要所要所でよく出来すぎてる!『みちていく』めっっちゃいいな~!!もう一回観たい!
— SunCityGarden (@SunCityGarden) July 2, 2015
56.『岸辺の旅』
『岸辺の旅』を観た。切なくも愛らしい夫婦の純愛を瑞々しく情緒的に綴った大人の王道恋愛映画を予想してたけど、予想以上にホラータッチでミステリアスな描写が大きな役割を担っていて、黒沢清らしい。それによって純愛要素が削られるのではなくて、より深みを与える効果として活かされてるのが良い。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) October 3, 2015
『岸辺の旅』全編を通して一つの大きな波を作り上げるような物語の描き方ではなくて、幾つもの中くらいの波が絶えず寄せては返すを繰り返すみたいな、どこを取ってもだいたいクライマックス的な作風が好き。だから、最後にわざとらしく盛る必要もなかったし、ああいうエンディングの仕方とても好き。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) October 3, 2015
『岸辺の旅』深津絵里演じる妻のあまりによくできた可愛いお嫁さんぶりと、浅野忠信演じる夫のほどよいいい加減さと憎めない勝手さ。あぁ真のラブラブというのはこういうことを言うのだなっていうシーンばかりで、切なかったり不思議だったりする映画だけどそれ以上に理想的な2人に惚れ惚れする映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) October 3, 2015
『岸辺の旅』2人の関係を見つめ直すことだけに主軸を置いた旅なら息が詰まってしまいそうだけど、旅先で共に2人が見つめるのはその途上で出会うそれぞれに深い事情を抱えた人々と魂の在り方で、そうした姿に見るものの対比として自分たちの関係を肯定的に捉え、大事にする2人の描写が繊細で美しい。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) October 3, 2015
『岸辺の旅』で好きなシーン。旅先でのもう2人とも横になった静かな夜に、妻「ねえ、どうして戻ってきたの?」夫「みっちゃん、好きだよ。」この会話。これ最強すぎる。旦那がモテるのなんか分かるわ〜。いい加減言葉だけにバカみたいに食いついてドヤ顔風で即答しちゃう癖ほんと治したいいい加減に。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) October 3, 2015
55.『ヴィンセントが教えてくれたこと』
『ヴィンセントが教えてくれたこと』を観た。原題は『St.Vincent』で奇しくもあの女性SSWと同じ名前で。流石に彼女の音楽は流れないけれど基本的に劇中歌はインディ・ロックばかりで、一番爽快胸熱な最高シーンで流れるのはグリーン・デイだったり、エンディングはディランだったりする。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) September 5, 2015
『ヴィンセントが教えてくれたこと』劇中で一番高まるシーンのひとつ、坊ちゃんとジジイの奇妙で特別な友情が初めて最高のかたちで結実するシーンで流れるグリーン・デイによるクラッシュ「I Fought The Law」のカバー。これは超良い。 http://t.co/Ioj9xMMShe
— SunCityGarden (@SunCityGarden) September 5, 2015
『ヴィンセントが教えてくれたこと』は『グラン・トリノ』を彷彿する、引越しからお隣同士になった少年と偏屈老人のデコボコ故に愛おしさ無限大の関係を、『天才スピヴェット』の老若男女誰もが楽しめて、最後には必ずホロっときてしまう優しいポップさに乗せたような作品。予告編の期待を裏切らない。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) September 5, 2015
複雑な家庭環境を持ち、いじめられっ子寄りの少年が、自分に正直にふてぶてしく生きるちょいワルいい加減大人に感化されて、自己主張することや人生を楽しむことを学んでいく映画の小学生編が『ヴィンセントが教えてくれたこと』なら、その中学生編は去年カリコレで上映された『プールサイド・デイズ』
— SunCityGarden (@SunCityGarden) September 5, 2015
54.『天使が消えた街』
『天使が消えた街』を観た。予想とは全く異なる趣きに深い感嘆と喜びを覚えつつ、陰気な迷宮感の中で唯一光のような存在として登場する女子大生・メラニー役を演じたカーラ・デルヴィーニュさんがあまりに素敵で。お顔立ちもそうですが声が最愛すぎる。 pic.twitter.com/GM9OehV5EJ
— SunCityGarden (@SunCityGarden) September 5, 2015
カーラ・デルヴィーニュさん、装いやお顔立ちも本当にキュートで美しく、彼女が画面に表れるだけで陰気な迷宮ムードが包み込む悪夢のような心の彷徨い映画が一瞬で鮮やかさを受け入れていく。そして私的に声が本当にタイプすぎ。一番好きな女性の声。あのルックスにあの声は堪らんかった。今日から専ヲ
— SunCityGarden (@SunCityGarden) September 5, 2015
『天使が消えた街』ミステリを予想してたけど、そういった要素は極めて控えめ。迷宮入りした未解決事件を巡る裁判要素も、それを取り巻くマスコミ・ジャーナリズム要素も、あくまで表層成分。作品の核心はそれを映画化しようと考えた主人公の映画監督が巡る、魂の救済を求めた精神の彷徨い描写にある。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) September 5, 2015
『天使が消えた街』序盤は冤罪を匂わせる女子大生殺人犯を巡る訴訟攻防と真相探りが前面にあり、昨年の『デビルズ・ノット』を彷彿した(題名からも連想点を感じる)けど、中盤以降そういった分かり易さから手を離していってしまう。そして私はその分だけ正直退屈してたこの映画を好きになっていった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) September 5, 2015
『天使が消えた街』正直前半は全然集中できず、これはハズしたと思った。それでも後半に向けてどんどん作品に惹かれ親しみを感じていったのは、凄く勝手ではあるけど、この作品の主人公はまるで今の自分自身をそのまま映したようだと感じられたから。現実が見えずに覚めない悪夢の中で彷徨い続けてる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) September 5, 2015
『天使が消えた街』あの帰着の仕方は誰にとっても予想外だろうし、何なの?という人もいるはず。だけど私的には終盤のあれこそ本作の、いやあの主人公の映画監督のテーマだったのだろうと。この映画は重層的というよりも、本当のテーマを見つけられない・見ようとしない彼の心の彷徨いそのものの反映。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) September 5, 2015
『天使が消えた街』終盤、女子大生メラニーの寝顔と娘の顔がオーバーラップするように(原題そのもの)、本作の・主人公の真のテーマは最初から実はそこにあった。なのにさも今重要な問題を追いかけてるんだという気迫とシリアスの自己演出で、事件の真相だの映画製作だのに逃げ込む描写が本作のベース
— SunCityGarden (@SunCityGarden) September 5, 2015
そしてそんな手の混みすぎて面倒くさい構造こそが『天使が消えた街』という映画を普遍的で、リアリティのある表現へと昇華している。人間なんて殆どそんなものだと感じるから。まるで本当に解決したい・解決すべき問題から目を逸らすために、予め頑張れる見込みのある別の問題にすり替えて必死ごっこ。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) September 5, 2015
『天使が消えた街』序盤からあれだけ時間も表現の濃度も大分割いて扱ってきた事件の真相追及も映画製作も、最後には投げ出すみたいに意義をなくしてしまう。それは彼がそれらは自分以外の誰かでも出来ると悟り、認めたから。そして天使の顔を天使として見ることは自分にしか出来ないことと気付いたの。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) September 5, 2015
人間は“これは自分にしかできないだろう”とさえ思えれば、行動に移せるのだと感じる。文章を書いたり、音楽を作ったりっていうのもそうだと思う。『天使が消えた街』という映画は、ひとりの男がそれを何度も何個も勘違いし続けて、自己苦悩の中を彷徨うんだけど、最後には遂にそれを見つけ出す映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) September 5, 2015
家族を持つことは、まさに“これは自分にしかできないだろう”を手にすることになる。誰かにとって唯一の、妻や夫や親になる、それは“生きる”という行動に対する最大の担保になる。ネットで誰もが表現を発表できるようになると、普通の人でも、家族を持たなくてもそういう感覚を手に入れてしまえる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) September 5, 2015
53.『アリエル王子と監視人』
『アリエル王子と監視人』を観た。凄くよかった!休暇で熊本を訪れた王子と、彼の付き添いを頼まれた日本人女性の3日間の交流を、そっと見守るように詩情豊かに捉えた様子は、爽やかな『ロスト・イン・トランスレーション』や『ビフォア・サンライズ』といった趣で、しっとりした機微の描写を大満喫。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) July 18, 2015
『アリエル王子と監視人』タイトルの感じからもっとコミカルでとぼけたような映画を予想してたけど、全然違った。本当に空気が綺麗な作品で、癒されるほどに澄んでいる。どのカットにもさらさらと爽やかな愛しさと切なさが見出せる。一番素敵だなと思える情緒の描き方を持った作品で私的な好みすぎた。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) July 18, 2015
『アリエル王子と監視人』心の中に自然とすぅっと入り込んでくる、静かで、そっとしていて、優しく見守りながら密かに讃えるような、そんな紳士的な余裕が見事にすべてプラスに作用してる。観ていて疲れないどころか、癒されるのに、心が柔らかな切なさで締め付けられる瞬間もある。何より好きな感覚。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) July 18, 2015
『アリエル王子と監視人』実際には2人が過ごした時間てあまり描かれずに終わる。尺が長い作品ではないから、もっと時間をかけることもできたはず。でも、そこをあえて観客の想像に潔く預けているクールさ。それなのに、“丁寧に描いている”と感じさせる、空気感のコントロールの巧さ。惚れ惚れする。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) July 18, 2015
52.『フレンチアルプスで起きたこと』
『フレンチアルプスで起きたこと』を観た。休暇で雪山のスキーリゾートを訪れた家族4人が過ごす5日間を、夫婦の亀裂を通して、男の繊細なプライドが着々と崩れ去っていく様子を、素っ頓狂なコミカル演出も交えつつ、生暖かい目でしっとり捉えた“頼む俺も一緒に泣き転がるからもう許してくれ”映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) July 4, 2015
『フレンチアルプスで起きたこと』である場面を迎えた時ほど、映画を観てこれほど泣き転がりたい欲求に駆られたことはなかった。なりふり構わずわんわんわんと思いっきり泣き崩れることへの誘惑。主題とは違うけど、人間の様々な“泣く”を全編通してこだわって示す映画。旦那がめっちゃ泣き虫なので。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) July 4, 2015
『フレンチアルプスで起きたこと』は男性が男として生まれた瞬間から抱える、性格を判定されるにあたっての決定的な尺度=女性や家族を守れる人間なのか、と、恋人や嫁さんにもお母さんのように守られたいと望む隠された少年のままの母性欲との苦いジレンマがよく描かれていて、悔しいがこれが男です。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) July 4, 2015
『フレンチアルプスで起きたこと』夫が絶対に自分の間違いを認めようとせず、自分を守る為に痛い嘘や逆ギレで乗り切ろうとする姿は、女性から見ると男のヤなとこあるあるに映ると思うけど、そうしてる時の男性心理は上でいう後者なので、何を言ってても全部“もう許してニャン”でご翻訳いただきたい。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) July 4, 2015
というのは全部言い訳で、最初から「ごめんね。俺が間違ってた。」と意地を張らずに言える努力をしろよ、というのがもっともなので、『フレンチアルプスで起きたこと』はパートナーとしてのNG行動を表した作品。といって時間にルーズな人は必ずいつもルーズなように、これも出来ない人は出来ない…。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) July 4, 2015
『フレンチアルプスで起きたこと』前面には旦那の脆いプライドや夫婦の難しさがある映画だけど、子供を持つ親の在り方として見習える場面が沢山出てくる作品でもあり。例えば、夫婦で少しでも口喧嘩の予感を感じたら毎回必ず部屋の外に出て話したり。そういう成果としてのたれぱんだはやっぱり感動的。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) July 4, 2015
51.『カミーユ、恋はふたたび』
『カミーユ、恋はふたたび』を観た。これぞありがちな筋書きというか、もはや王道でさえある青春カムバック展開映画、の形態をとってはいるものの、既存のそうした映画にお約束のインスタントで分かり易い青臭さとは明確に違う、リアルにビターで、故にリアルな胸キュンにも出会えるシックな青春映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) October 31, 2015
『カミーユ、恋はふたたび』設定から否応無しに期待しちゃう、ワクワクしてキラキラした胸キュン感という分かり易い快楽要素をしっかり確保しつつも、半分は憂鬱で苦しくて生活感そのものな手垢の付いたビターさや静けさも確保して両立させる、遊び心とシックさのバランスがとてもフランス映画らしい。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) October 31, 2015
『カミーユ、恋はふたたび』目覚めたら40歳(2010年)から15歳(1985年)に戻っていた朝、25年前自分が使っていたポータブルカセットプレーヤーの再生ボタンを押してみたら唐突に当時自分が聴いていた音楽と突如再会を果たす。その時の言葉にならない高まり。それが見事に体現されてる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) October 31, 2015
『カミーユ、恋はふたたび』設定や幾つものシーンは確実に胸キュンで感動的なのに、物語の帰着までそんな単純明快さでは貫いていないところが、実に大人っぽくてクール。なおも考えさせる。恋愛とは何なのか、生活と恋愛はどこまで切り離して考えられないものなのか。実はとてもビターで深い恋愛映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) October 31, 2015
『カミーユ、恋はふたたび』邦題からは“タイムスリップしてまた青春時代の恋ができる!よしっ!”的ムード漂うけど、実際は“そりゃ一度はガチ恋して結婚までした相手なんだから、出会いまで戻っちゃえばやっぱりまた好きになっちゃう。でも絶対付き合ったりしちゃダメだ私!”的葛藤描写映画で深い。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) October 31, 2015
今まで付き合った人、出会いの日に戻って再び知り合うところから始めたらやっぱりどうしてもまた好きになりだすことは免れなそう(その果てにどんな結末が待っているかを頭で知っていたとしても、心は全くもって別モノだ。)と強く確信するので、『カミーユ、恋はふたたび』のあの感じ、とても分かる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) October 31, 2015
50.『カプチーノはお熱いうちに』
『カプチーノはお熱いうちに』あらすじだけ読むと、突然の予期せぬ苦境を前に夫婦の繋がりが再生していくお馴染みのお涙頂戴系かとも予想されたけど、そんなダサさとは全然無縁の、瑞々しさと深みのバランスが素晴らしい大満足の恋愛映画。最後に幸福感と楽しさで胸がいっぱいになれるあの構成は極上。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) September 27, 2015
『カプチーノはお熱いうちに』今年のイタリア映画祭で観た他の良作たちと同様に、シリアスな状況を示す描写であっても、これ見よがしにやけにベタッとシリアスに描きすぎないところ、そんな時でも洒脱さを感じさせるくらい、良い意味でさらっと描かれてるところが本当に好き。とても良い映画だと思う。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) September 27, 2015
『カプチーノはお熱いうちに』恋愛映画として描かれる恋愛関係や夫婦の在り方も、ドラマ的わざとらしさとは対極にある、ナチュラルな洒脱さをたたえていて新鮮だったし、心地よかった。途中までは不釣り合いすぎる2人に思えるけど、最後には見え方が変わってくる。そこに辿り着くまでの自然さが好き。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) September 27, 2015
『カプチーノはお熱いうちに』結婚は結婚生活に対する適性があるかどうかが一番大事で、きっとそれが皆無な自分はすべきじゃないし出来ないししない方がよいなどと日頃考えてる私に、いつまでそんな子供っぽい考えでいるの少しは前向きになってみたら、とガチでそんな風に惑わしてくる映画でもあった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) September 27, 2015
『カプチーノはお熱いうちに』主人公の病気を機に変わっていくと安易に予想された夫婦の関係が最後まで大きく変わらなかったところと、その根拠を示すような病室での2人のやりとりが告げるものが、本当に刺さった。周りの目には見えなくても、当事者同士には感じ合えることがあることの絶妙な表現。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) September 27, 2015
49.『ザ・ヴァンパイア 残酷な牙を持つ少女』
『ザ・ヴァンパイア 残酷な牙を持つ少女』を観た。予想してた10倍くらい良かった。これほどにロマンチックなザ・ボーイ・ミーツ・ガール・ムービーだとは。現時点で今年一番ロマンチックな恋愛映画を観た感さえある。デカダンスもスタイリッシュも超えた先で、2人の恋は真にキュートで真にピュア。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) September 22, 2015
『ザ・ヴァンパイア』実際に観るとホラー映画という印象は極めて後退する。それ以上に、光の当たらない、モラルも生きる脈動感も失った八方塞がりの町や家庭環境を背に、出会い、惹かれ合う、孤独を秘めた若い1組の男女による、クールな闘いと旅立ちまでの徹底してスタイリッシュな心理描写。極上だ。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) September 22, 2015
『ザ・ヴァンパイア』主人公の青年が恋に落ちたヴァンパイアの少女に綺麗なピアスを刺してあげた後で「幸運なピアスだ。」と一言だけ言う。そういうクールさ、スタイリッシュさ、贅沢さ、この映画を端的に言うと。自分なら絶対にその後なんでこのピアスが幸運なのかまで口にしちゃうと思う超勉強になる
— SunCityGarden (@SunCityGarden) September 22, 2015
『ザ・ヴァンパイア』The xxのラブソングが本当に似合いそうな、モノクロでデカダンの極みのような生活環境の中でもなお、2人でいる時間には一瞬で瑞々しくいじらしい情緒とロマンチックな官能が一気に広がっていくような作品で、想像以上にずっと多面的で深みのある、欠点なき完成された映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) September 22, 2015
『ザ・ヴァンパイア』の「幸運なピアスだ。」はマジで勉強になる。思ってることを最後まで全部言っちゃうんじゃなくて、一番言いたいことはグッと堪えることで、その先の真意は相手に想像してもらい、2人の時間の余韻を持ち帰ってもらえるようにする。これ、もうちょっと自然にできるようになりたい。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) September 22, 2015
48.『ピース オブ ケイク』
『ピース オブ ケイク』を観た。なんつー映画だぁぁ…序盤はあらゆる面で魅力的な演技を見せる多部未華子さん以外には何ひとつ良いところが見出せない、あまりに雑で今年観た映画の中でも殆どワーストだと思ったけど、中盤からの圧倒的なまでの巻き返し、他の映画ハシゴする気なくすほど燃え尽きた。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) September 6, 2015
『ピース オブ ケイク』終始挿入される多部未華子のモノローグ、心の声がよすぎる。勿論人の性格はそれぞれだけど、これが女性か〜と思わせる、圧倒的な生々しさがある。それがホントにゾクゾクする。なんてエロティックな映画なんだろうと思う。ポルノとは桁違いの、マジガチでエロい映画。悶えた。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) September 6, 2015
『ピース オブ ケイク』過去の幾度かの失恋と傷心で心なんてもうすっかり燃え尽きていて、どんな芽も育つ見込みなどないと悟ってたはずなのに、自分でも一体なんなんだよ!?ってくらい、また心が勝手に超沸騰して噴火していく恋愛感情の言うこと聞かなさ加減が本当によく描かれていて、うわあぁぁぁ
— SunCityGarden (@SunCityGarden) September 6, 2015
なんと言うか『ピース オブ ケイク』はこれを観た女性に“女の人ってだいたいの場合こういうもの??”って確認したくなってしまうくらい、生々しい女性感みたいなもので埋め尽くされ、濃縮されてる気がして、なんかよっぽど身体以上に興奮するものをガン見で覗き見してる気分になった、男としては。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) September 6, 2015
『ピース オブ ケイク』心の中にある恋愛の芽が根付く素地なんてもうとっくに焼け野原でもう誰も好きにならないと思ってても、落ちるときはいとも容易くまた落ちてしまうのが恋だし、そうしてまた心の恋愛スペースはいっそうボロボロになっていく描写と峯田和伸(流石に老けた)の歌唱のドマッチ感。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) September 6, 2015
セックスがエロいのは、それが性的な快感を呼び起こすからでなく、むしろそれを隠れ蓑にするように、ある一方は普段隠していた本音をさらけ出し、ある一方は本心をより深い奥の方へ隠してしまうところ。知りたい相手の心はどう裸にしても分からないという究極のミステリを手にしてる快感にあると思う。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) October 11, 2015
そして、その、ミステリはミステリのまま=答えを探り当ててしまわずにしておきましょう、という暗黙の了解ののようなものが、ひんやりと冷たい大人の共通認識みたいなものが、いっそう、答えを求めない、永遠に謎が謎としてある贅沢なミステリとして、理性と本能の狭間にある渇望感を満たしていく。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) October 11, 2015
エロティックとは曖昧であること、想像の余地があること、むしろ、自分の想像なしに完結しないレールの上にいること、どんな結末を描き判断するかの最終決定権が今自分に委ねられているという自由の感じ方であり、リーチをかけた欲望に追い詰められた決定するということへのマゾヒスティックな恐怖感。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) October 11, 2015
47.『バードピープル』
『バードピープル』予告編だとイマイチどう転ぶか分からない感というか、スズメに乗り移って夜空を駆けるのがメインなちょっと不思議系なの?っていう心配もあったけど、まったく杞憂だった。極めてまっとうな、丁寧で、“大人の”優しさが至るところから感じられる、すっきりとしたヒューマンドラマ。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) September 27, 2015
『バードピープル』映画全体に広がる、この作品特有の優しさがとても好き。少し距離のあるところから、ゆったりと、そっと見守っているような、ベタベタしてなくて、放っておく少し冷たくもある、落ち着いた大人っぽい視線。今日も空をゆく小鳥達は人間のことをそんな風に見ているのかもしれないなと。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) September 27, 2015
『バードピープル』宣伝ではスズメに変身して夜空を駆け抜けることが中心に扱われているけれど、実際にはそこがメインの映画では全然なくて。終盤にそういうシーンもでてくるけど、そこに至るまでの過程の描写をとてもとても丁寧に描いていて、そのリアルさには心地よいほど共感できるし安心感がある。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) September 27, 2015
『バードピープル』もうこんな生活うんざり、そんな気分にさせる仕事に縛られた生活と、孤独なのにがんじがらめの人間関係に囲われる日々。いっそ何からも完全な孤独になって自由を感じたまま生きていけたら、そんな願望に恐る恐る手を伸ばそうとする彼・彼女の姿は心の中にいる自分そのもののようで。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) September 27, 2015
『バードピープル』そんな2人が同じ空間を共にするラストが孕む含みがとてもいい。一人で居ることで得られる自由を超えた自由が、誰かと時空間を共にすることで得られるという、人間の可笑しな不思議。椅子にじっと座って本作を観ている時の自分が、一人で街を歩く自分よりも自由を感じられたように。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) September 27, 2015
『バードピープル』超絶妙なタイミングでデヴィッド・ボウイ「Space Oddity」が唐突に挿入されるのが高まりどころ。そしてホールのルームメイドルックのアナイス・ドゥムースティエさんがキュート。このコスチューム可愛くてめっちゃ好き。 http://t.co/zu4JM93Wpf
— SunCityGarden (@SunCityGarden) September 27, 2015
46.『ピエロがお前を嘲笑う』
『ピエロがお前を嘲笑う』を観た。流石、圧巻のクオリティ!!非の打ち所を見つける暇もないほど全編に渡って終始大変に面白くて大大満足!でもそれは“絶対騙されるトリック映画”と謳われてる部分に対してじゃなく、むしろそんなのおまけに感じられるくらい、全編通して素晴らしい語り口。超面白い。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) September 12, 2015
『ピエロがお前を嘲笑う』トリックスリラーやタガの外れたハッカー集団という言葉から予想してたムードを大きく覆す、ナイーヴで、センチメンタルで、柔らかい情緒をベースにした青春映画。そんな瑞々しさとスリリングなハッキッング攻防描写とが織り成す洗練された相乗効果が圧巻の見応えを演出する。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) September 12, 2015
『ピエロがお前を嘲笑う』は『ソーシャル・ネットワーク』と『ユー・ウォント・ミー・トゥ・キル・ヒム』と『ナイト・クローラー』の面白さを絶妙なバランスでブレンドさせたような、スリリングでスタイリッシュな作風を徹底すると同時にセンチで風通しの良い、頭のキレるナードの青春映画として秀逸。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) September 12, 2015
『ピエロがお前を嘲笑う』宣伝であれだけ煽っていた“絶対騙されるトリック”については正直私的には大したことないと思った。だけど、そのことが本作の評価になんの足枷にもならないほど、軸の部分の描写が素晴らしい。一番集中力をそそられるスピード感と感情描写のバランスというか。編集のセンス。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) September 12, 2015
45.『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』
『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』を観た。個人的には期待を遥かに超える完璧なまでの見事さに大満足。ロマンチックな脈動感とそれに対比する不穏な緊張感がスクリーンに映される様々な表情から繊細に伝わってきて、本当にすべての瞬間がクライマックスのように感じられた。吸い込まれまくった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) February 15, 2015
『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』を絶賛してしまうのは、私が一番好きな曲のストーンズ「Beast of Burden」をまさかぶっこんできたという、私的に大変叫び出しそうになった興奮の瞬間があったことも大きい。あの甘美なギターのイントロが聴こえてきた瞬間、全身が激しく沸いた。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) February 15, 2015
『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』は物語的にはいよいよここからが見せ場かというところで幕切れを迎えるのが、逆に映画として中途半端な帰着を避けることに成功していると感じた。本作の核心は物語の進行以上に、瞬間瞬間の息遣いや気持ちの脈動感、焦燥感にあると思うのであの終わり方は好き。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) February 16, 2015
44.『完全なるチェックメイト』
『完全なるチェックメイト』を観た。ハイパー面白い。チェスの知識ほぼ皆無な私だけど、そのせいで微妙に感じた瞬間ゼロ。この作風だったらあと倍の長さは観れたと思う。いいタイミングで挿入される50〜60sあたりのご機嫌なロックンロールやR&Bが全てを肯定しちゃう、音楽の効果は超偉大映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) December 31, 2015
『完全なるチェックメイト』ここまでの観易さ、最後まで面白さを完全キープしたままスムーズに観切れちゃうのは、本当に音楽の効果が大きいなと。もし音楽だけを例えば映像のシリアスさに近いムードのものに差し替えただけで全く観応えが違っちゃうだろうし、音楽だけは能天気なのが本作はとてもいい。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) December 31, 2015
『完全なるチェックメイト』は、去年の『イヴ・サンローラン』(今年の方はまだ観てないです)に、意外にも近い観応えというか、作風を感じた。どちらも実話ベースで、孤高と孤独を極めた男の舞台上と裏の描き方、使われてる音楽の種類が近い。そしてどちらもそっけなさそうな予感を完全に覆す面白さ。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) December 31, 2015
『完全なるチェックメイト』宣伝や予告編を見ると“チェスによる米VS露の第三次世界大戦”みたいな切り口もけっこうフィーチャーされてる印象かもだけど、実際はパーソナルな視点がほぼ途切れずなので、クールかつ熱い心理戦にドキワクしたいなら政治的ではという危惧は捨てて広くお薦めできる一本。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) December 31, 2015
『完全なるチェックメイト』チェスの試合をしてるシーンはとても少なくて主な観所は、チェスに関しては天才だけどそれ以外は我儘放題の主人公と、彼をなんとか管理して政治的イデオロギーの道具にしようと企むマネージャーとのやり取りの瀬戸際のドキドキ感にある。くせ者同士のギリギリ交渉折衝映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) December 31, 2015
43.『あの日の声を探して』
『あの日の声を探して』を観た。この映画を中学校の教材にして欲しい。とにかく一人でも多くの世界中の人々に観て欲しい。切実に…。私がそう書いたって無駄な立場なのは百も象徴。でも。この作品に触れてしまったら、もうそう祈らないではいられない。いることなんて絶対させてくれない、この映画は。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) May 1, 2015
『あの日の声を探して』まったく大袈裟じゃなく心を裂かれる痛みに何度も何度も苦しくなる映画。だけど。知るには、痛みを避けて通れないことこそ、が、しか、この世界の悲惨な状況を変えられない。のに、自分は人任せに暮していて、でもこの映画を観てしまった。から。こんなにも考えが変わっている。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) May 1, 2015
『あの日の声を探して』戦争とそこで生きる人々を描いた映画の中でも、本作ほど心に強い衝撃を受けた作品はかつてない。親が軍に射殺されるのを目の当たりにした9歳の男の子が赤ちゃんの弟と弟の哺乳瓶や玩具を入れたリュックを背負い、危険な町から避難する為に1人で静かに歩き続ける姿。消えない。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) May 1, 2015
『あの日の声を探して』心が砕かれるやるせなさや悲しさや優しさを本能的レベルで感じることを避けられない本作は、そんな強い感情を呼び覚ます衝撃で何度も涙は出てしまうけど、意図的なお涙頂戴は感じさせずに、心優しいヒューマンドラマを同居させ、それでも最後まで循環する悲惨な現実を描き切る。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) May 1, 2015
『あの日の声を探して』宣伝を見ると戦争で孤児になってしまった少年が単独で主役のように予見されるけど、主人公は3人いて同じ戦争・戦地をまったく異なる3つの視点からそれぞれ描いている点がポイント。侵略された子供、望まず軍隊に入り銃を持つ少年、現状を世界に訴えようとするEU職員の女性。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) May 1, 2015
『あの日の声を探して』本当に本当に良い映画だし、実際に観ればこの作品がどれだけ世界に必要かがこれでもかと痛感できるので、いま良い新作映画いっぱい上映されてるけど、『マミー』や『セッション』や『鳥男』ぐらい話題になって欲しいし地方でも沢山観られて欲しい。きっと観た人全員が思うこと。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) May 1, 2015
42.『エール!』
フランス映画祭『エール!』を観た。自分以外の家族は全員耳が聞こえないという環境の中で献身的に一家を支えてきた田舎住まいの女子高校生が、歌の才能を生かせるパリでの未来と実家で家族と生きる未来との岐路に対峙することで大人へと成長していく姿を本人、父、母の各視点から爽やかに描いた作品。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) June 26, 2015
『エール!』チラシ等を見ると鮮やかで派手な感動が用意された映画が想像されるけど、実際は思春期に自分の人生へ決定的な一歩を踏み出す行動を起こすこと=親離れへの勇気と、親が抱える子ども依存からの克服を、不器用なほど素朴に、等身大に描いた愚直な作品で、だからこそクライマックスが刺さる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) June 26, 2015
フランス映画祭1日目、『エール!』も『ヴェルヌイユ家の結婚狂騒曲』も、親はいかにして子どもの人生を自分のものではなくて、彼や彼女自身のものであると悟り、受け入れるのか、を扱っていて意義深かった。どちらの作品でも母親が「私の教育が悪かったからこんな風になっちゃった〜」と泣き崩れる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) June 26, 2015
親の立場でも、子の立場でも、そういった決定的な子離れ/親離れができる機会は人生で2回あるように思っていて、それが『エール!』で描かれる子どもが自分の人生でやりたいことを見つけてそれに踏み出そうとする時と、『ヴェルヌイユ家の結婚狂騒曲』で描かれる子どもも自分の家族を持とうとする時。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) June 26, 2015
『エール!』に登場する歌唱シーンは今年観たコンサート(そこにポール・マッカートニーを含めたっていい)、音楽が素晴らしかった映画(もちろん『はじまりのうた』も)、そういった全ての中でも最高の歌声体験だった。あれはズルい。それぐらい一気に心をかっさらう歌に幾度か出会える唄の本質映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) June 26, 2015
『エール!』耳の聞こえない両親に対して、学校で見つけた自分の才能=歌で未来を切り開きたい少女がいかにして、自分の歌と気持ちを両親に伝えるのか。そこを表現の的としてフィーチャーした後半のシーンには普遍的な青春映画の向こうへと一歩踏み込んだ、映画表現としての新鮮な驚きと感動があった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) June 26, 2015
『エール!』は自分が中学生から高校2年生くらいまでの時期に観たかった映画として、これ以上のものはないほどだろうと。様々な家庭環境の中で親に気を使ったり、自己主張や反発できないで大切な決意を見送ってしまいそうな毎日にいる中高生には、これほど本物の勇気をもらえる青春映画はないと思う。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) June 26, 2015
『エール!』の舞台挨拶で聞いた、外国の人と言葉で会話するには事前に外国語を習得するために沢山の時間を要するけれど、手話は国によって多少の違いはあれど共通するものも多いので、外国人ともすぐに会話が出来て、ろうあ者の方々のコミュニティーは特別な親密さをもつ、という話は目から鱗だった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) June 26, 2015
41.『コングレス未来学会議』
『コングレス未来学会議』を観た。実写パートがアニメーションパートを包むようなサンドイッチ構造の作品だけど、それとは別に物語のテーマとして前半と後半で二部構成のように大きく性格が変わる。前半は映画産業と科学技術の未来を、後半は人間社会と科学技術の未来を、それぞれアイロニカルに描く。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) June 28, 2015
『コングレス未来学会議』映画産業の果てなくタフな経済志向と科学技術の限りなき進化が、俳優に何をもたらすのかを描く。それは俳優自身のCG化でスクリーンでずっと若いまま演じられる。その時ディランの「フォーエバーヤング」は物凄く皮肉に聴こえる。だけど後半、その聴こえ方は劇的に変わる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) June 28, 2015
『コングレス未来学会議』俳優本人の出演からの俳優自身のCG化によるCGの出演が図られる2014年。薬物によって映画は個人の頭脳の中で各々の好きな人物で現像化されるようになった2034年。そこまで描いてもう十分に観る応えのある映画なのに、本作はそこから尋常じゃない世界に飛び出す。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) June 28, 2015
『コングレス未来学会議』前半であれだけフィーチャーされていた映画産業と主人公の女優業に関するテーマも、ハイパーサイケでバッドトリップな極彩色アニメーションに姿を変えた後半には面影すら残さない。遠く逸れてしまった母と子はそれでも再会だけを糧に何もかもめちゃぐちゃな世界を生き続ける。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) June 28, 2015
『コングレス未来学会議』の前半に緻密に積み上げた成果でさえ、後半どしゃくちゃな激流の彼方に放ってしまう感じは、今元気な自分が色々なことに夢中になって頭にインプットして感情を発散しても、やがて頭脳や感情が衰えて様々な面でボケてきた時にどういう風になるのかを示されてるようでもあった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) June 28, 2015
私的40位から21位まではこちらを。
私的20位から1位まではこちらを。
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