2018年11月の私的シネマランキング (No.18 ~ No.37)
私が11月に鑑賞した新作映画の私的ランキング。18位から37位です。
18.『ドキ死』
『ドキ死』Nakanoまる演じる、冴えないけど心意気は立派な主人公の脳内ボイスを進行役にして、ハイテンポで描かれる脳内恋愛主観劇の絶妙な楽しさは『勝手にふるえてろ』を彷彿させるほど洗練されていて、とても魅力的。そしてNakanoまるが最後に弾き語る主題歌で見せる切実な恋情表現の良さときたら。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月24日
『ドキ死』今年のムーラボでも様々な音楽に心を動かされてるけど、本作の終盤でNakanoまる演じる主人公が弾き語る「ドキ死」が私的に現時点で最高の音楽体験。あの演奏に、コメディだったはずの映画のクライマックスを全部託して、そこで真摯で切ない恋愛劇に一変させてしまうというマジック。痺れた。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月24日
『ドキ死』不遇な状況に置かれても全くめげず、脳内セルフ語りとコミカルな健気さで自己を鼓舞し続けてきた主人公が、不器用な自虐ラブコメ劇を経た終盤に繰り出す、繊細で切実なギター弾き語りはジョニ・ミッチェルの失恋曲のような率直な迫真さを美しく宿していて、映画に見事な2面性を創出してる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月24日
『ドキ死』主人公演じるNakanoまるは、演技の面でも大変キュートに表情豊かでコミカルなキャラクターを完璧に体現してるし、自作の唄や演奏も一聴して完全に心を掴まれてしまう突き抜けた素晴らしさだし、ご本人もめちゃくちゃ可愛いしで、ズルいぐらいだなと思った。「ドキ死」の音源化が待ち遠しい。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月24日
19.『普通は走り出す』
『普通は走り出す』を観た。まさかの『松永天馬殺人事件』以上の問題作きた。監督自身が本人役として登場し、当ムーラボ出品作を製作する過程そのものを真偽入り混じるメタフィクションとして映画化した、という点で共通する両作を並べてみると各々の特色がより克明に浮かび、深い理解に導いてくれる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月26日
『松永天馬殺人事件』は描き方こそ歪曲的でリアルを超越してる一方、それも含め映画製作に対して徹底的な理想主義を貫き通す作品。『普通は走り出す』はフェイクドキュメント的なほど直接的でリアリティに徹した描写を採用しながら、映画への理想主義を永遠裏切り続ける先で映画製作の真価を問う一本。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月26日
『普通は走り出す』ムーラボ出品作を製作しなくちゃいけないのに、呑気に怠惰な毎日を謳歌する渡辺監督の毎日を、ホン・サンスを彷彿させるタッチで追いかけたオフビートコメディ。ファンから警告の手紙を受けてダメっぷりが増していく中盤以降の抜群の面白さと衝撃のクライマックスに完全にやられた。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月26日
『普通は走り出す』中盤までは、まさかこれで100分繋げる気なのかという懐疑心を持ちながら見てたけど、リアリティはそのままに可笑しさを増していった後半はすっかりその面白さの虜になったし、少しずつ魅力的な予兆を見せながら、やがて異次元の映画へと大変貌を遂げるクライマックスで完全に降参。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月26日
『普通は走り出す』女優陣の使い方が本当に贅沢。カフェ店員や図書館の事務員、医師、映画館スタッフといった、監督の生活の身近にいるけど長く会話する程でもない存在に、綺麗で可憐な女優達を多用する一方、クローズアップでは映さずにあくまで一般人扱いに徹する。でもそれが逆にキュンときちゃう。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月26日
『普通は走り出す』映画の製作が遅れるのと比例してダメっぷりを増していく監督が、その極め付けに毎日行く先々で小学生以下の失態を連発し、美人女優たち演じる一般社会人たちから激怒されるシーンが、尊敬できる可愛い女性に本気で怒られたいという隠れ願望を抱く私の夢を間接的に叶えてくれすぎた。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月26日
『普通は走り出す』監督が度々吐き出す映画業界批判は『松永天馬殺人事件』で登場するそれの比じゃない率直さと具体性で、クラウドファンディングに映画批評家、終いにはムーラボのコンセプトも批判し出して大笑いだけど、映画ファンから自分宛の苦情レターを介した有名映画監督批判が特に最高だった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月26日
20.『アブラカダブラ』
ラテンビート映画祭『アブラカダブラ』を観た。催眠術のマジックショーを機に、亭主関白を字で行く荒くれ者だった旦那が、家族思いの心優しい性格に一変してしまった真因を嫁が突き止めようとする内に、ファンタジックコメディもヒューマンドラマもホラーも飲み込んだ王道ミステリへと駆け出す充実作。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月3日
『アブラカダブラ』催眠術による旦那の性格激変の謎を追うという紹介文からは想像つかない程、奥行きとスケールのある物語展開で見せつける、まっとうなミステリ劇。軽快なブラコメ調をベースに、ファンタジーやホラー要素も現実的に取り込みながら、サスペンスの緩急が見事で一瞬も目が離せなかった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月3日
21.『どこでもない、ここしかない』
『どこでもない、ここしかない』を観た。夫婦関係の静かな崩壊の顛末を、ここまで心地よい映画として描き得た作品との出会いは初めて。2人が暮らすスロベニアの首都リュブリャナを筆頭に、バルカン半島の街々の美しさを全編で満喫。キャストは全員一般人で脚本も無しとは信じ難い、堂々のクオリティ。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月10日
『どこでもない、ここしかない』清々しい夏の日差しが美しさを際立てる、バルカン半島周辺のヨーロッパの街並みや風景を本当に魅力的に捉え続ける映画で、気のいい登場人物たちが織り成す物語も心地よく景色と溶け合っている。そんな点がミカエル・アース作品を彷彿。物語のビターさを覆す甘美な映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月10日
『どこでもない、ここしかない』全部のシーンが心地よく美しい映像で、物語以前に心を許して満喫してしまう映画だけど、浮気性の男の改心をバルカン半島の街々を辿る旅に重ねて描く後半は『バンコクナイツ』のあの壮大な旅を彷彿させる感慨があったし、男に感情の深みをもたらすクライマックスが秀逸。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月10日
22.『A GHOST STORY / ア・ゴースト・ストーリー』
『ア・ゴースト・ストーリー』を観た。シンプルなラブストーリーベースの映画を想像してたけど、そんな次元は遥か彼方に超越し、エンタメ化される以前の真にリアルな概念としての「幽霊」を、物語全体・映画全体を使って贅沢に定義し尽くす、静寂の中でしっとりと壮大に広がるアバウト・ゴースト映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月23日
『ア・ゴースト・ストーリー』後半の途轍もないスケールの広がりは完全に想像外で、遥か奥行きのある展開と圧巻の観応えに思いきり飲み込まれた。物語のスケールがどんどん大きくなり、彼と彼女が一緒に過ごせた時間から遠く離れれるほどに、幽霊としてそこに残る彼の孤独に親密さを覚える自分がいた。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月23日
『ア・ゴースト・ストーリー』時空を超えて果てしなく広がっていくと思わせた物語の、されど完璧にパーソナルでかけがえのない帰着のさせ方がとても秀逸。それを実現させ得た、彼女のあるさりげない習慣にこそ、幽霊と化す未練を残さずに生を送り終えることを可能にする偉大な手掛かりがあると感じる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月23日
23.『鈴木家の嘘』
『鈴木家の嘘』を観た。予告編を見て133分の長さがネックかもと杞憂してたけど、コメディタッチ→シリアスタッチの流れで後半くどくなる、という平凡展開は避けられていて、全編に渡って両者のカラーを見事共存させることで、自死遺族に残された人生というテーマのリアリティを親密に描きあげている。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月30日
『鈴木家の嘘』自死遺族のケアを、ごく身近な社会に数多く存在している、自分にも切実なテーマとして、本作を観た誰もに想起させる物語のスケールは家族モノ映画の範疇を大きく越える。その重いテーマをシリアス一辺倒でなくコメディタッチを交えながら感情豊かに描くことで、親密な説得力を得ている。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月30日
『鈴木家の嘘』個人からも社会からも自殺そのものについては語られ続けている実感がある反面、私自身本作を観るまでは、自死遺族のその後の人生をリアルで切実なものとして想像する機会に著しく欠いていたと気付かされた。見落とされがちな観点に全身全霊で向き合った、社会的にも尊い価値のある映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月30日
『鈴木家の嘘』これは木竜麻生の映画だと思い知らされずにはいれない程、長女を演じる木竜麻生が圧巻。自身の張り詰めた思いは明かさず、家族が前に進むために尽くす彼女が、物語のテーマに社会的スケールを取り込みながら複雑な変貌を辿る様を繊細に体現しきっていて、後半での存在感の増し方が凄い。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月30日
24.『松永天馬殺人事件』
『松永天馬殺人事件』これはもう革命“的”じゃなくて、映画の革命そのもの。3Dでも4DXでもない更なる超新次元の映画を体験させるという宣言から始まる本作は、その完成に必要な突破口を探る可笑しみに溢れた捜査劇を経て、絶対的な現実としてそれを成し遂げる。真にスクリーンを超えた唯一無二の体験。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月25日
『松永天馬殺人事件』味のあるモノクロ調が美しい画面や美術等のルックこそ、古典的ミステリ日本名画を踏襲してるけど、そこで展開される内容は、現代における劇映画の本質と意義をあらゆる角度から検証し強烈な揺さぶりをかけ続けていく、超重層的なメタ構造をもつタブーなき映画殺害犯捜索コメディ。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月25日
『松永天馬殺人事件』クライマックスの度肝を抜く革命的演出の核心にあるのは、映画の一番本質的な姿を、最も直接的かつ絶対的な表現として観客に体験させようという、実験精神の最極地であり究極の解答なのだと思う。劇場のスクリーンで映画を観る事の普遍的希望を余すことなく具現化した究極の表現。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月25日
『松永天馬殺人事件』多発するモザイク修正をこれほど不自然さなく、すんなり見せてしまえる映画作家は他にいないのでは。あまりにタブーなき大胆表現の連続に笑うしかない。そんな厄介な彼とバディムービーのごとく見事に渡り合い、可愛らしく挑発的な捜査官を演じきった冨手麻妙が素晴らしく魅力的。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月25日
『松永天馬殺人事件』を観て以来、映画館で「NO MORE 映画泥棒」を目にする度に天馬の映画が頭の中で蘇ってしまい、本来の意味であの映像を見ることが完全に出来なくなった。あの映画を観てしまった人は、きっと誰もが映画館に入る度に、天馬の映画を思い出さざる得なくなっちゃうはず。凄い映画だわ。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月30日
25.『デッドバケーション』
『デッドバケーション』を観た。失恋の未練を断ち切れずにいる女子学生と、彼女の部屋に現れる、生前はバンドマンだった地縛霊とのひと夏の交流を爽やかに描く、ムーラボの王道ド真ん中を丁寧かつスマートに体現しきった優等生的作品。映像も演技もストーリーもシックな商業映画のような安定感がある。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月26日
『デッドバケーション』ともすれば全方面であまりにスマートにムーラボ王道の青春恋愛劇をモノにしているので、クリシェの優等生的再生産に陥るリスクも窺えるけど、主演の原愛音が見せる表情や所作がもたらす主人公の生々しい実在感形成によって、それを跳ね返し、豊かな独自性と感情を確保している。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月26日
26.『草の葉』
フィルメックス『草の葉』を観た。会話のBGMとしては異様に仰々しく強烈なクラシック音楽が流れる喫茶店を主な舞台に、様々な境遇に立つ男女によるサシ会話が連ねられていくスタイルからは、今年のIFFJで観た『六人と一間』が連想された。感情露出の激しさに度々驚いた、ハードめなホン・サンス作品。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月17日
『草の葉』本当に救い難い意味で面倒くさい大人たちが散見される会話リレー劇で、それを極めて客観的視点から描き通すことで、その面倒くささこそが人間の真実であると大変さらりと受け入れさせられてしまうのが、毎度ながらホン・サンス作品の面目躍如であり、残酷なところ。本作は特にシビアな印象。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月17日
東京フィルメックス『草の葉』のキ・ジュボンによる舞台挨拶で、ホン・サンスは撮影当日まで脚本を用意しておらず、撮影開始の2時間前に現場入りして脚本を書くので、俳優達は撮影直前まで台詞を知り得ず、短時間で頭に叩き込む、と聞いて、それであのナチュラルさを出せる俳優の凄さに改めて驚いた。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月17日
27.『いつか輝いていた彼女は』
『いつか輝いていた彼女は』それぞれが進路と自身の可能性に悩む高3の女子4人組が過ごす、ある日の放課後を群像劇タッチでリアリティ全開に描く。言葉にはされない、切実な願望と嫉妬が手に取るように伝わる描写や演技は見事な一方で、テーマや捉え方に新鮮さが乏しく、同プロの短編2本に食われた感。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月19日
『いつか輝いていた彼女は』芸能科の高3女子4人組が繰り広げる、自己実現や自己肯定への強い願望と、その葛藤の前に立ちはだかる避け難い嫉妬の循環劇は、『桐島、〜』の女子4人組描写を筆頭に既視感のあるものだったけど、そこと実在するバンドのドキュメンタリーとの繋げ方の絶妙さには唸らされた。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月19日
28.『ひと夏の初恋』
ベトナム映画祭『ひと夏の初恋』を観た。感傷的な題名とは不釣り合いにチャラくて軽快な青春映画だけど、スカイ・フェレイラのTシャツを着る18歳の女子3組が、まるでK-POPのガールポップを地で行くような恐れを知らない(わりにセンチな)ボーイハントに繰り出す最強ガールズムービーでして、私は満喫。 pic.twitter.com/npcs2F2b8a
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月19日
『ひと夏の初恋』夏休みの勢いで出会い系アプリをやってみたら富豪のイケメンと出会えたけど、実は親友が出会ってデートしてる奴もその男だったから懲らしめたいけど好きで辛い、というチャラさの極み映画だけど、スカイ・フェレイラのTシャツ着てこの台詞を言われたら微笑ましさで占められてしまう。 pic.twitter.com/TtsZusSaau
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月19日
29.『書くが、まま』
『書くが、まま』他人に自分の思いを話すことが出来ず、常に持ち歩くノートに思いを書き殴ることで生き難さと苦境に耐え忍ぶ14歳の主人公に対して、ここまで徹底して当事者目線に寄り添い続けた、繊細で真摯な描写は尊い。でもクライマックスで突如連発される過剰演出の数々がそれを粉々にしてしまう。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月27日
『書くが、まま』同級生達のように他人と上手く話せない中学生の生き難さやいじめを描いた映画は他にもあるけど、本作ほどの当事者心理へ肉薄し、本人の心の中まで入り込んだ感覚を与え続ける映画は稀で、繊細で複雑な難題に向き合い続ける姿には頭が下がる。故にクライマックスの過剰飛躍が大変残念。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月27日
『書くが、まま』難易度が高いリアリティ表現に果敢に挑戦していて、その成果が見事で尊ければ尊いほど、物語上の大飛躍に踏み込んだ時のリスクがあると思い知らされる作品だけど、盛岡のライブハウスシーンで一度危うくなったそれを、主人公の迫真の台詞回しと演技で一瞬にして引き返す神業も見れた。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月27日
30.『レイス』
『レイス』演習面は“怖がらせるホラー”仕様なのに、ほぼ怖くないから、ホラーとして見ちゃうと“腑抜けたホラー映画”だけど、身近な問題を幾つか抱えて危機に立つ現代的な3人世帯に対して、悪い子じゃない地縛霊少女がショック療法を下す、ちょっとホラー風味の家族モノ映画として見れば悪くない感触。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月30日
『レイス』いかにも発掘系特集な薄味のB級作だけど、思春期のひとり娘を持つ核家族の問題を身近に感じられる落ち着いた質感で描きながら、怖くないホラー要素で影と刺激をそっと添える組み合わせに、何故かほのぼのした心地になり、癒された。しっとりした空気感と人の温もりのバランスが好みだった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月30日
31.『ウインド・リバー』
『ウインド・リバー』を観た。過酷な環境の片田舎に追い込まれたままのアメリカ先住民達の今現在の生活感や、彼らを今も苦しめ続ける影といった土着的な社会問題を、まっすぐ現実的に泥臭く描いた硬派なサスペンス映画で、本作を観なければ私は知る由、考える由もなかった現実を認識することが出来た。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月12日
『ウインド・リバー』アメリカ先住民やその子孫達が現在もなお過酷な片田舎での生活に追い込まれたままでいる事とそこで起きている事件との相関描写を通して、生活環境によって他者の尊厳を感じ難くなってしまう問題を提起している映画と見ると、どこで生活している人にとってもリアルな作品だと思う。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月12日
32.『嘘はフィクサーのはじまり』
『嘘はフィクサーのはじまり』を観た。仲介屋として政財界の隙間を駆け回る主人公を介して、脆いコネにすがる世の揚げ足を取るブラコメを期待してたけど、主人公が終始プロとは程遠い仕事の出来なさを披露し続けるものだから、冷笑の矛先が社会に向く以前に全部彼止まりになってしまい、物足りない感。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月5日
『嘘はフィクサーのはじまり』仲介屋が黒幕として利潤を回している社会への批判映画じゃなくて、プロを名乗ってしゃしゃり出る割に締まりの無い仕事のやり方しか出来ない残念な仕事人批判の映画に見えてしまう。本作でのリチャード・ギアは風貌から仕草まで全てがそんなキャラに完璧ハマっていて凄い。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月5日
33.『リビングファミリー』
『リビングファミリー』を観た。4人一家の朝の食卓を舞台に繰り広げられる、ほどよくシュールなワンシチュエーション家族コメディで、狭いリビングを縦横無尽大胆に動き回るカメラと音声のきめ細かい演出が独創的な奥行きを生み出してる。極め付けのジョニー大蔵大臣による唄が笑える上に何気に秀逸。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月24日
34.『銃』
『銃』を観た。銃と主人公との出会いを描くオープニングはモノクロ効果が抜群で只ならぬ緊張感を創出してるけど、主人公の内心を頻繁にモノローグで語らせる点や、ヒロインの所作のいかにも演技っぽさを筆頭に映画を腑抜けさせる要素が多く、すぐに緊張感は消え失せ、題材にしてはだいぶ退屈な観応え。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月19日
『銃』リリー・フランキー演じる刑事が出現し、主人公との心理戦を繰り広げる中盤で一気に盛り返すものの(今作を観て、やっぱりリリー凄いと思った)、クライマックス付近の音楽演出や一番派手な映像演出も安易でチープな印象を受けた。全体的に作ってる感(不自然さ)が強くて、それに冷めてしまう映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月19日
35.『さよなら、ミオちゃん』
『さよなら、ミオちゃん』を観た。あまり姿を見せない、謎の万能少女・ミオちゃんの代役を任されることになった2人の葛藤を、札幌に実在するバンド・さよなら、ミオちゃんのフェイクドキュメンタリーを交えながら、多彩なタッチで描く。シュールな演出が何かと鼻につく一方で、新鮮さには欠ける印象。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月17日
36.『満月の夜には思い出して』
『満月の夜には思い出して』を観た。画面の色彩やカット割など見映えは派手な一方、肝心な劇映画の面で独自性が極めて薄いテーマを、浅い描き方で打ち出してしまっているため、軽薄で幼稚な印象が強く、音楽と物語の関連付けも他のムーラボ作品に比べると弱い。なかなか最後まで観るのがつらい退屈さ。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月24日
『満月の夜には思い出して』監督が大槻美奈さんの音楽を大好きなことはよく分かったけど、その音楽をより魅力的に観客へ響かせる映画にはなっていない。そこが同プロの『ドキ死』とは完全に対照的だと感じた。作者自身がミュージシャンや製作者の方ばかり見ていて、観客の方を見ていない印象を受けた。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月24日
37.『cat fire』
『cat fire』実在のミュージシャンにフィクションの人格を授けた上でフェイクドキュメンタリーをやる、という形式を採用した意図や成果が、物語からも語り口からも見えてこないまま空虚に映画が進み、終盤で何らかのマジックが発動するのを待っていたけど、本当に何も起きずに終わってしまった。酷い。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月27日
私的1位から17位まではこちらを。
・2018年10月の私的ベストシネマ
・MOOSIC LAB 2017の感想まとめ