2017年4月の私的シネマランキング (No.13 ~ No.24)
私が4月に鑑賞した新作映画の私的ランキング。13位から24位です。
13.『LION / ライオン ~25年目のただいま~』
『ライオン』個人的に予告編でのイメージと結構違った。物語はまさにそのままだけど、構成とか物語る上での焦点の当て所が愚直なほどストレートで、序盤から逆に意外性を感じて驚いた。小賢しいレトリック一切なしの一点集中だからこそ表現し得る、彼の抱えてきたものの重さと想いの強さ。力強い作品。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月7日
『ライオン』この題名も最後まで観ると納得できるけど、やはり原作本の題『A Long Way Home』ほど本作を言い切った言葉はない。それは大人になった時にグーグルアースで故郷を探した過程のことだけじゃなくて、5歳の時から25年間続いてきた旅路の全てのことなのだと強烈に示す映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月7日
『ライオン』観る前は“5歳の時に迷子になった少年が、25年後に異国の地からグーグルアースを使って我が家を見つけることが凄い物語”だと思ってたけど違った。本当に奇跡的な事柄は彼が6歳になるまでに殆ど起きていた。実はそれを示したかった映画だったのでは、というくらい少年時代編が大力作。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月7日
『ライオン』大人になった主人公のガールフレンドを演じるルーニー・マーラが、こんなナチュラルで(良い意味で)普通の女の子してるルーニー・マーラはかつて見たことない、ってくらい自然体ガールでビックリした。割とナチュラル寄りだった『her』の比じゃない程。すごくキュートで魅力的だった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月7日
14.『グレートウォール』
『グレートウォール』これはもう完全に期待通り、というかそれ以上で純粋に楽しめた。映像のスケール感もスリル感も満足。基本的に男社会の軍隊の中で若くして女性司令官を務める、ジン・ティエン演じるリンが麗しの美しさで目にも優しいのと、男女の絶妙な信頼関係と友情描写もシックな甘さで好き。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月29日
カットによっては見え方がTVゲームの画面っぽくなってるところもあって、物語の設定的にやむを得ない部分もあると思うけど、そういうところだけは所々で冷めた。
15.『堕ちる』
『堕ちる』地味な独身生活を送る中年男性が、店員として一目惚れした少女が地下アイドル活動をしていることを知ったことから、戦々恐々と一歩一歩確実にオタ生活へ踏み込み、やがて猛烈な恋に変わり…そんな典型的「大人のガチ恋、爆誕物語」をされど隅々まで丁寧に仕込み、終始面白さで貫いた30分。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月10日
『堕ちる』例えその対象がアイドルじゃなくても、ガチ恋=ひどく一方的な想い寄せ、というのは他者から見れば滑稽で面白い(それがいい大人ならなおさら)けど、そんな“面白さの前提に最初から乗っかってる”や“捻りのないネタ”という少しイジワル視点を入れて観たとしても、本作はよく出来た映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月10日
『堕ちる』あらすじは定番感あるけど、キャラの背景など細い設定がよく効いていて、物語を魅力深いものにしている。特に主人公のおじさんがあまり仕事の出来ない織物工場員というのがグッド。あくまで仕事で服飾に興味のなかった彼が、彼女のためにヴォーグやフランスの服飾本で研究するシーンが好き。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月10日
『堕ちる』オタと地下アイドルを結ぶ独特なコミュニティー文化全般にも親密な眼差しを向けながら、大人しいおじさんがメジャーを目指すロコドルに本気で恋した様子を、沢山笑えるコメディ色と“辛っ…”てなるガチ恋故のブルージー色とを50:50の最高に絶妙なバランスで溶け合わせてる点が魅力的。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月10日
『堕ちる』お互いプライベートで偶然一度会っていて、そこで一目惚れをした彼女が地下アイドルをしていることを思いがけず知ってしまい、緊張しつつ初めてライブに行ってみたら、握手で「(お互い知ってることは)2人だけの内緒ですよ」と耳元に寄せて囁かれるのは、アイドルって鬼だわ。見習いたい。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月10日
16.『はらはらなのか。』
『はらはらなのか。』青春映画を物語の面からもフォーマット面からも見事に維新していた『いいにおいのする映画』に続く今作は、ファニーなミュージカルカットを随所に仕込んだ映画表現としての楽しさと、的確な情報量の濃さによって、王道の青春物語に新鮮で特別なムードと確かな観応えを与えている。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月5日
『はらはらなのか。』前作『いいにおいのする映画』のファンなら、オープニングからバッチリ掴まれちゃうに違いないw またこの展開!?とニヤニヤせずにいられない、Vampilliaのミッチーさんの不変ぶり。あれはズルい!でも今作のミッチーさんの活躍は前作の比じゃない。もはや完全に俳優!
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月5日
『はらはらなのか。』物語や映像のタッチには『いいにおいのする映画』ほどの斬新さや惹き込みはないけれど、映画を魅せる力という意味ではさすが酒井監督だと。ありがちな物語でもあらゆるシーンでユニークかつ思い切りに溢れた演出が飛び出し、思わず心奪われる。徹底して楽しさが張り巡らされてる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月5日
『はらはらなのか。』主人公の女の子が女優を目指すきっかけと語る、子供の頃の誕生日シーンが、さりげなくも、途轍もない気付きを内包した圧巻の映画体験だった。「演技」の本質・魅力・可能性をここまで端的に示すなんて驚いたし、目から鱗が落ちた。演技とは嘘つきか?という問いに正面突破してる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月5日
『はらはらなのか。』誕生日の回想シーンが語る演技やフィクションの本質・可能性の捉え方は、濱口監督『天国はまだ遠い』の後半が圧巻の次元で伝えるものや、今泉監督『退屈な日々にさようならを』のテーマ“人の不在と存在とを真に分かつものは何なのか”を、驚くほど単純明快に要約していて唸った。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月5日
『退屈な日々にさようならを』では演技によって恋人の家族に今は亡き彼の存在を信じ込ませるという、1番気の毒な役を担っていた松本まりかさんが、『はらはらなのか。』の誕生日シーンでは旦那さんが一人娘のために打って出た“演技”によって、その存在を信じ込ませられる方に移ってて妙に興奮した。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月5日
『はらはらなのか。』女優を目指す主人公がぶつかる「演技やフィクションは結局嘘つきでは?」という問いに本質から応える示唆を強く打ち出せている点に感動した。芝居は嘘つきか問題をいとも容易く解決できる唯一のもの、説得力。そしてそれを成すために欠かせない、届けたい人への思いと研究と丹念。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月5日
『はらはらなのか。』演技表現やフィクション全般における説得力とは何か?について身近な視点から本質を射抜いてる。相手が内心見たいと望んでいるものと、送り手が見せたいものが一致した時、魔法が起こる。その条件は相手の事をよく理解している事。だから相手の心に関心を持ち、研究する事が大事。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月5日
17.『午後8時の訪問者』
『午後8時の訪問者』を観た。手掛かりを得るために近所周辺の人々を何度もあたって回る孤軍奮闘劇という点では前作の『サンドラの週末』の面影を見ることも出来るし、サスペンスでありながらも、これ見よがしに気を引くドラマチック演出は一切排除したリアリスティックタッチがまさにダルデンヌ兄弟。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月8日
『午後8時の訪問者』少女死亡事故の真相を若い女医が孤軍奮闘で追求するサスペンス物語でありながらも、サスペンスを描く為の映画にはなっておらず、あくまでその行方を容赦ないほど冷静に捉える視線が私たちに見せるのは、登場人物たちの言動の向こうにある生々しい生活感や感情、その密やかな動き。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月8日
『午後8時の訪問者』誰からも強制されない罪の意識を正面から背負い、利己的な世間に傷付きながらもたった1人で事故の真相を明らかにしようとする主人公の、切迫した内面を繊細に表現したアデル・エネルが一貫して魅力的。囚われ過ぎの様にも見えた彼女の行動の尊さを思い知るラストに背筋が伸びた。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月9日
18.『人生タクシー』
『人生タクシー』国から映画製作を禁じられた監督が、タクシー運転手に扮装して車内に設置したカメラで乗客達とのやり取りを記録した(体の)本作が、ガチでドキュメントなのか、実は脚本に従った仕込みなのかは最後まで分からなかった。そんな疑惑こそが映画という表現が握る深みを感じさせてくれる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月29日
『人生タクシー』監督の姪として途中からタクシーに乗ってくる女の子の、ハイパーおませ小学生ぶりがめっちゃ痛快で面白い。こんな勘違いした淑女みたいな口のきき方で映画製作について鋭く語る小学生がいるなんて、イランて奥深い。というか、小学生の時点で映画製作の個人課題が出されるなんて驚き。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月29日
『人生タクシー』タクシーに乗ってくる客の様々な人生模様を切り取った映画ではあるものの、手放しでそれをやっているわけではなく、その眼差しはやがてイランの独裁的な情報統制や個人に対する表現規制へと注がれていく。柔軟故に簡単にはへし折られない正しき反骨精神の在り方を、本作は示している。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月29日
『人生タクシー』独裁的な政府を批判する映画を製作した為に映画製作権を奪われた監督ことタクシー運転手が、おませで生意気な姪から、小学校の授業で出された映画製作の課題に取り組む為「国内で上映可能な映画を作るにはどうすればよいか」と天真爛漫な質問を次々と浴びるやり取りが痛烈にして深い。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月29日
19.『湖の見知らぬ男』
『湖の見知らぬ男』物語の舞台そのままに、暖かな昼下がりのセックスの後のような甘い倦怠感とまどろみ感を漂わせた柔らかい空気の中で、時折幾つかの微妙な三角関係が揺らぎを見せる。それでも終始不思議な穏やかさで包まれた映画…と油断していたら、終盤、突如のホラーチック展開に心が飛び起きた。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月16日
『湖の見知らぬ男』穏やかさの分厚い壁の向こう側にポツンと潜んでいる、見て見ぬ振りされた危うさや狂気。それが表層に飛び出してくる瞬間の、空気の壁を貫通してくる様というか、流れている空気の圧力や緊張感が変化する感じを絶妙に表現することに成功している。倦怠感と表裏一体の尖った欲望の姿。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月16日
『湖の見知らぬ男』性行為の描写が凄いとの噂だったので覚悟してたけど、特別ヘンに描いてるなんてことは一切なく、ごく自然に物語の中で必要とされる場面に必要とされる在り方で描いていた。「映画の中のセックスをポルノグラフィから引きずり出す」という狙いが完璧に実現されているのを実感できる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月16日
横浜シネクラブのアラン・ギロディ特集で『湖の見知らぬ男』と『垂直のまま』を。東京では満席で観られなかったのでありがたい。5月13日(土)には『そして僕は恋をする』と『ジャングルの掟』という魅力的すぎる組み合わせの上映が…。来たい…。 pic.twitter.com/uCDVSNIubW
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月15日
アラン・ギロディ特集アフタートーク、大変面白かった。ギロディのセクシャリティ描写の自由さはフランソワ・オゾン最初期作『サマードレス』以来という話や、監督の世代によって傾向の違いが顕著なフランス映画界にあって、ロメールだけはどの世代の監督の作品の中にも存在する話等、大充実の1時間。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月15日
ギロディ特集アフタートーク。ロメール作品に顕著な、主人公自身、自分が何を求めているか分かっておらず、それを探し回る彷徨いの中で景色を拡大していく彼・彼女の頭の中の旅路そのものが、映画になっていく、という点がギロディ作品にも共通しているという切り口を聞いて、作品像がクリアになった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月15日
ギロディ特集アフタートーク。ギロディやラリユー兄弟は自分の生まれ故郷の森や田舎を背景に映画を作り出していて、フランス映画でありながら無国籍なムードがファンタジックな趣を醸し出す点が、その前の世代の、生まれは地方でもパリや都市を舞台に映画を作っている点と異なるという話も面白かった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月15日
2年前のTIFFで上映されて、来月のEUフィルムデーズでも再上映されるラリユー兄弟の最新作『パティーとの二十一夜』は、まさに森に囲まれた田舎町を舞台にして起こる、ファンタジーとリアリスティックがシックに溶け合った、セクシャリティをオープンにすることを微笑ましく描いた作品で大好き。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月15日
20.『光と禿』
『光と禿』ムーラボ2016でグランプリではないものの観客賞など5冠を獲った作品という期待や先入観で観たので正直肩透かし感が大きかった。その前年の観客賞2作品が映画として目を見張る完成度と果敢な独自性の追及により圧巻の観応えがあったのに対し、根本となるものの軽薄さが全体を覆ってる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月29日
『光と禿』アルバイトで生計を立てながらアバンギャルドなインディロックに魂を注ぐ中年ミュージシャンの悲哀と、ある日偶然出会った若い女性への不器用なときめきをコミカルかつ青春エモく描いている、という点では非常にストレートなムーラボ王道スタイルだけど、そこに安住してる感にノレなかった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月29日
『光と禿』クリトリック・リスが本人役で主演してることもあって、ムーラボ作品の中でもとりわけ音楽の魅力、アーティストの魅力が前面に押し出された作品で、クリトリック・リスの魅力を濃縮し、観客に訴えかけるという点では大成功してると思う。初めて聴いたけど、殆ど全ての曲でグッと熱くなった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月29日
『光と禿』ブルーハーツの「トレイン-トレイン」を引用して、上京する為にキツキツのむさ苦しい夜行バスに乗って満身創痍になってる身からすれば、栄光を目指して新幹線に乗ってくなんてそんな金があって羨ましい、俺は必死で夢を追ってるけど金がない、と唄う「バス-バス」が特に鋭く刺さる良い曲。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月29日
『光と禿』明るくひょうきんな裏表のない性格の中年ミュージシャンと出会うことで、盲目の病気のために色々なことに冷めがちだった気持ちが変化していくヒロインという難しいキャラクターを、迫真のリアリティで表現しきっていた岸井ゆきのさんが素晴らしかった。若い女性同士の友情映画としても素敵。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月29日
21.『たゆたう』
『たゆたう』どのカットでも一貫して、2人の揺れる心の繊細な機微が適切な距離感から丁寧に表現されていて、“どう撮るか”という点では充分な観応えがあった。一方、この物語によって最終的に何を描きたいのかという部分で、設定やプロセスの割に独自性を欠いた表現に止まっている点が惜しく感じた。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月14日
ひとつひとつのカットは十分な説得力があって、丁寧で思慮深い作りに好感も持てるのだけど、それらが繋がって物語となる時に、作者がこの作品を通して何を一番伝えたいのかが、とてもボヤやてしまっていた印象。だから、丁寧な(心理的)状況説明をしている(に、とどまる)映画に観えてしまう。何を訴えたいのか、絞り込みと強調があれば、もっと心に残ったのかもしれない。
主人公の2人の人物描写も、対称的な、ある意味合いにおけるペアとなってこそ深い映画になったと思うけど、「あかり」のキャラ設定の描写が足りないため、イマイチそこが埋もれてしまっていると感じた。手塚真生さんの迫真の演技も相まって「ジュン」のキャラクターは魅力的に浮かんできている分、そこが惜しいと思った。
と、全体の造形は綺麗で好感が持てるだけに、いろいろな点で物足りなさが残った映画。という感想をTwitterで書くには少し気が引けたので、こっちに書きました。
22.『垂直のまま』
『垂直のまま』根なし草を地で行く主人公の終わりなき彷徨いをどこまでも追いかけるスケール感や、随所で発揮される描写の濃さ・突き詰められたリアリティは確かに凄くて、観応えは確かだけど、私には捉えどころのない作品に映った。『湖の見知らぬ男』と対照的な、荒野のような乾いた激しさと混沌感。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月29日
『垂直のまま』自分を本当に満たすものは何なのかも分からないままに、ひたすら幾つかの拠点を行ったり来たりしながら、同じ数人を訪ね、その度に関係性の表情を少しずつ変化させていくフランス映画という意味では、(物語やキャラ造形的に)粗暴で、男っぽいエリック・ロメールとも形容できると思う。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月29日
23.『ろくでなし』
『ろくでなし』なかなか魅力的な予告編からは2015年の大秀作『ローリング』に近いムードが漂っているように感じられたけど、ああいった暖かく柔らかいユーモアと熱量で満たしてくれる映画ではなく、内に抱える不器用さを全開にして生きる男たちの空虚な身勝手さが虚しく響く、げんなりとした映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月18日
『ろくでなし』主人公の男2人は“ろくでなし”というよりも、とにかく不器用な自分を顧みる余裕もないほど不器用で、恋人に対しても社会に対しても身勝手で、救いようのなさが全編から浮かび上がる。そんな男が見せる、恋人のために命懸けで本物のろくでなしにぶつかっていく狂おしい情熱が凛々しい。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月18日
『ろくでなし』上原実矩さん演じるヒロインが深い強かさを秘めたボブカットガールで最高に魅力的。見るからにヤクザルックで裏稼業に従事する中年の彼氏にも、全く怖気づくことなく鋭い眼差しで自己主張する芯の強い女子高生をリアルに演じきってる。 pic.twitter.com/CvsNdzQWib
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月18日
24.『夜は短し歩けよ乙女』
『夜は短し歩けよ乙女』めっっっちゃ残念な映画化。原作の物語に対してラブコメ方向は抑え、一貫してシュールアドベンチャーとして思い切った映像化を試みていることに関しては好みの問題だとしても、原作にあった洒落感をここまでダサく表現し尽くすなんて脱力モノ。記憶にも残らないし忘れたい一本。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月8日
『夜は短し歩けよ乙女』観る側からしたら誰も得しない映画化、は言い過ぎだけど、恋模様に彩られた冒険にときめいた原作ファンは大いに肩透かしを食らった観心地では、と思うし、原作を知らないで観たらひたすらチープでシュールな、無駄に大袈裟な映画に見えるのでは。原作の趣が全然浮かんでこない。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年4月8日
私的1位から12位まではこちらを。
・2017年3月の私的ベストシネマ
・2017年2月の私的ベストシネマ
・2017年1月の私的ベストシネマ