2017年3月の私的シネマランキング (No.11 ~ No.21)
私が3月に鑑賞した新作映画の私的ランキング。11位から21位です。
11.『ロスト・エモーション』
『ロスト・エモーション』前2作『今日、キミに会えたら』では遠距離恋愛、『あなたとのキスまでの距離』では教師と自宅に滞在中の留学生との不倫劇で、求め合う男女の切なさを描いてきた監督の、遂に決定打。今迄の良さを総動員しつつ、突き抜けた。 pic.twitter.com/4iw4XHo5ei
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月5日
『ロスト・エモーション』感情を表すことは病気であると規定された近未来の共同体で、恋愛行動は処刑施設へ即連行、他人とのスキンシップも禁止。そんな世界で、それでもなお人目を盗んで、人と人が求め合い、惹かれ合う姿の説得力が、この監督王道の繊細さと洗練を極めた詩的なタッチで綴られていく。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月5日
『ロスト・エモーション』男女が親密に接している場面を誰かに見られたら処刑施設へ連行される世界で、これほどキスシーンにドキドキする映画体験は初めてだった。臨場感の演出が超秀逸。職場で2人きりになれる時間も皆が帰った後のトイレの個室だけで、どんだけ切ないオフィスラブなんだと愛しくて。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月5日
『ロスト・エモーション』前2作では求め合う男女の、それでも各々にすれ違っていく心の姿を描いていたけど、本作ではそれは当然踏まえつつ、人間にとって感情を無視したように振る舞い続けることは何を意味するか?それは人間と言えるのか?人間とは何か?という深さまで辿った上で恋愛を再考してる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月5日
『ロスト・エモーション』前2作では求め合う男女の、それでも各々にすれ違っていく心の姿を描いていたけど、本作ではそれは当然踏まえつつ、人間にとって感情を無視したように振る舞い続けることは何を意味するか?それは人間と言えるのか?人間とは何か?という深さまで辿った上で恋愛を再考してる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月5日
『ロスト・エモーション』前2作では、ひとつひとつのカットの魅力は存分にあるけど物語性の観点からみると少し弱い、という惜しさがあったけど、本作はそこが格段に突き抜けている。後半に進めば進むほど、彼と彼女の想いの強さと切なさは深みを帯び、それに乗じて物語のスリルもどんどん増していく。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月5日
『ロスト・エモーション』で描かれる近未来は、神という概念をなくした世界のようで、そういう状況では“恋愛”とかつて“人が神に託していた思い”というものの境界が曖昧になり、被っていく様子が観て取れた。その姿は、宗教を持つ人が少ない現代の日本の恋愛観や精神性と親和性が高いものに感じた。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月5日
12.『呼吸正常』
『呼吸正常』原題になっているセロニアス・モンク「Something In Blue」の軽妙なジャズピアノの調べと美しく切り取られた広州の街並みを背景に描かれる、うだつの上がらない男たちの恋愛模様とライフスタイルをそっと巡る1年間。シックなユーモアとリアルな詩情で満ちている。好き。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月12日
『呼吸正常』どこか間抜けで将来もおぼつかないマイペースな男たちの恋愛と暮らしぶりを、全20章の軽やかなエピソードを辿りながら四季によって表情を変える広州の街並みの魅力が前面に出された映画で、それはジャズの調べも相まって、ウディ・アレンがNY映画を撮る時の眼差しを連想させる。良い。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月12日
『呼吸正常』中国3番目の大都市である広州の様々な街の表情が四季と共に魅力的に映される。その中でラブを語りたい女たちとメイクラブを語りたい男たち、職選びに慎重になる男たちと夫選びに慎重になる女たちの、さりげなくも愛しい1年が綴られる。 pic.twitter.com/hlB96AT83S
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月12日
『呼吸正常』ウディ・アレンのNY映画がそうであるように、本作もそこに生活する人々と共に四季を巡らせる広州の街の豊かな表情を捉えることに長けていて、それ故、出演者全員が一般の広州市民で、身近な話題の会話劇が連なるごく自然な風景であっても、ロマンチックな詩情が浮かぶ映画になっている。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月12日
13.『白い闇の女』
『白い闇の女』を観た。NYで平和な家庭を築いているベテラン新聞記者が、パーティーで出会った美女に一目惚れしてしまったことで、闇深い陰謀を巡る危険な仕事に引き寄せられていく。官能的でロマンチックな不倫劇を入り口にして次第に深い謎を追う本格サスペンスへと誘う。都会的で洗練された映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月12日
『白い闇の女』不審死をとげた映画監督によって隠されたままの謎を追うサスペンスを基調としつつも、家族思いの理知的な新聞記者が完璧美女を前に心を揺らすシックなヒューマン映画としても、非道社長から家族を人質に難関ミッションを突きつけられる熱いお仕事映画としても楽しめる、裾野の広い一本。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月12日
『白い闇の女』序盤は予想以上にジェントルで洗練されたタッチとロマンチックなムードに心を奪われたけど、中盤以降は次々と非道な事態が主人公に迫り出し、それでもスマートにスリリングなミッションに向かっていく姿は目が離せない。後味悪くなりそうな結末を絶妙に挽回するシックなラストがクール。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月12日
14.『サラエヴォの銃声』
『サラエヴォの銃声』を観た。物々しさを覚悟させるタイトルの印象に反して、シックで風通しの良い群像劇サスペンス。サラエヴォの抱える社会的、歴史的テーマ性を物語の軸としてではなく、一貫してパーツとして提示していく語り口もとても意外で、その“あえての肩透かし感”がエレガントで良かった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月27日
『サラエヴォの銃声』サラエヴォ中心部に実在する高級ホテルのある午後を舞台にした、シックなスリリング感で貫かれたサスペンス群像劇で、ホテルの様々な場所で散り散りに行動する男女の不安や焦りや思惑をリアルタイム感覚で同時進行させる。だから『イレブン・ミニッツ』好きな人にはハマると思う。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月27日
『サラエヴォの銃声』人類の争いの歴史との深い繋がりを多々抱えてきた不穏な陰を潜ませるミステリアスな街・サラエヴォについての検証的視点を存分に取り込みながらも、それとは別のストリームで、純粋なリアルタイム風群像劇サスペンスを淀みなくやってのけちゃう手腕がスゴくシックで新鮮だった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月27日
『サラエヴォの銃声』サスペンス群像劇が展開される本作の舞台となっているのは、サラエヴォ中心部の高級ホテル「ホテル・ヨーロッパ」で、支配人がVIP客を案内しながら、当館にはU2も宿泊しましたと話す台詞もあり、POPMARTツアーのサラエヴォ公演と「ミス・サラエヴォ」を思ってニヤリ。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月27日
『サラエヴォの銃声』題名からは社会的、政治的な色の濃い映画が想像されるけど、その扱い方も含めてリアルで風通しが良く、親しみ易い。ホテルの屋上でサラエヴォの歴史を討論してる男女もいれば、中ではホテルの支配人と従業員たちがストを起こす起こさないで心理戦を繰り広げていたりする広い視界。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月27日
15.『スイッチ・オフ』
『スイッチ・オフ』を観た。よりによってこの時期に『サバイバルファミリー』まんまの設定でありながら、それをパニック映画風でもなく、アドベンチャーでもなく、ホラーにも寄らず、ひたすら真摯で瑞々しいタッチのヒューマン映画として描き通す、作品を貫く凜とした意志に打たれた。姉妹映画の良作。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月8日
『スイッチ・オフ』電気が全て使えなくなった世界でどう生きていくのか、という映画的には血の騒ぎがちな設定や邦題の印象(原題は『Into the Forest』)からは想像もつかないほど、じっくり丁寧に瑞々しく、良心的な父親と姉妹の、暮らしに寄せるひたむきさと思いやりを描き通してる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月8日
『スイッチ・オフ』国中の電気が消えたことで、加工された食料や水も途絶え、ガソリンもなくなった世界で、噂にすがって一家でとにかく逃げ出そうとする『サバイバルファミリー』とは対照的に、本作の一家は森に囲まれた田舎の一軒家で暮らし続けることを選ぶ。家族のタイプも対照的で比べると面白い。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月8日
『スイッチ・オフ』国中を降りかかっている未曾有のトラブルを大設定にしながらも、スケールは広げずに、過酷さを増す一軒家での暮らしを工夫と努力でひたむきに乗り切ろうとする姉妹の生活と2人の関係性にフォーカスを当て続けているのがいじらしい作品。あまりの誠実さに終映後どっと疲れたけど。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月8日
16.『エイミー、エイミー、エイミー!』
『エイミー、エイミー、エイミー!』唯我独尊・強欲女子の主人公が序盤からノンストップで放ちまくるあけっぴろげすぎる下ネタにひたすら吹き続ける前半と、意外と王道のラブコメまで立て直してみせる後半の安定感に和む、期待通りの一本。会話の中で沢山出てくる映画ネタや音楽ネタも洒落てて楽しい。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月27日
『エイミー、エイミー、エイミー!』アメリカ・NY版の『ブリジット・ジョーンズの日記』という感触もしたけど、自分的にはどこか緩急のバランスを取りすぎてラブコメとしてはどっちつかずの印象になってる後者よりも、コメディとして大いに割り切ってる前者の思い切りの良さの方が好きだなと思った。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月27日
『エイミー、エイミー、エイミー!』男女関係の行き詰まりにカニエの詞を引用して笑わせてくれたり、アレンの『マンハッタン』オマージュが素敵だったり、ビリー・ジョエル本人は駄作と言ってようが「アップタウン・ガール」好きにならざる得ないほど推してくるし、面白い小ネタの収集ぶりが本当偉い。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月27日
17.『黙示録の子』
『黙示録の子』を観た。1976年にフィリピンで撮影されたコッポラの『地獄の黙示録』の撮影クルーが現場に残して行ったサーフボードを、子供たちが使い始めたことがフィリピンにおけるサーフィンの起源、という言い伝えから発想された、ある家族に眠る呪縛を巡るヒューマン映画。映像センスが好き。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月12日
『黙示録の子』題名や紹介文から重めの映画を覚悟していたけど、透明感とサラサラとした感触の映像が印象的な居心地のよさを感じられる観易い映画で、サーフィンのレッスンから官能的に立ち昇る禁断の誘惑や、男女の腹黒い性愛の駆け引きも魅力的な、非常に多面的なヒューマン映画。洗練された充実作。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月12日
18.『わたしは、ダニエル・ブレイク』
『わたしは、ダニエル・ブレイク』援助が必要な状態にある人たちを援助するという体の名を付しながら、実際は不誠実な面がある社会保障の仕組みを指して、国や自治体は人の尊厳を無視していると言うけど、ではあなた自身はどうなの?そんな眼差しで自分の方が見つめ続けられているようだった、作品に。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月18日
『わたしは、ダニエル・ブレイク』他人の尊厳を無視しているのは、私たち一人一人に他ならなず、それを社会制度の仕組みに責任転嫁して、見て見ぬ振りをしている。本作の中にそんな自分の姿を見ずにいられないし、そんな態度が他者に及ぼすものの酷さを初めての近距離で知る。世界の見方が変わる作品。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月18日
19.『哭声 コクソン』
『哭声 コクソン』とにかくあらゆるテンションがぶっ飛んでる。表面的には強烈なホラー映画ではあるんだけど、色々な面での必要以上の全力発揮ぶりに“怖い”を追い越して笑えちゃうレベル。ハードコアなサスペンスを予想してたけどそんな次元に全く収まらない、全方位に放出されるエネルギーに感服。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月12日
『哭声 コクソン』主人公の警察官のマイペースぶりが最高で、序盤からこんなに頬が緩む映画とは驚いた。全編に渡って、どこまでがユーモアでどこまでが本気か分からなくなるような、全身全霊をぶつけた突き抜けた演技と過剰演出に度肝を抜かれる。こんな大声で叫びまくってる映画は私的に初めてかも。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月12日
20.『52Hz, I LOVE YOU』
『52Hz, I LOVE YOU』を観た。『海角七号』の監督の最新作は、群像劇ラブコメのミュージカル作品。全編に渡ってこれでもかと唄が繰り広げられていく、歌声とメロディーに溢れた色彩豊かな映画。恋愛の難しさも爽やかなユーモアと軽やかなタッチを通して、心を和ませる親密さに変わる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月10日
『52Hz, I LOVE YOU』音楽劇と紹介されていたものの、まさかここまで殆どの台詞が唄となって表現された、大ガチのミュージカル映画だとは。バレンタインデーにまだ喜び合える愛を見つけられずにいる男女たちの1日の行方を群像劇タッチで描きながらも、ホントにポップで温かいムード。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月10日
『52Hz, I LOVE YOU』映画自体が全編に渡ってあまりに音楽音楽(歌唱歌唱)してるので、本来は複雑なはずのキャタクターたちの感情もその交差も、素直な歌詞やメロディーとして表面に溢れ出しっ放しというか、いわゆる映画的な文学性はかなり控えめ。ひたすら感覚的に楽しむべき映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月10日
『52Hz, I LOVE YOU』イイところで『海角七号 君想う、国境の南』に出演していたキャスト達が分かりやすく素敵にゲスト出演しているので、『海角七号』が好きな人なら熱くなれる瞬間が訪れる映画。目にも耳にも優しく柔らかかった。 pic.twitter.com/maqmK4Kdeh
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月10日
『52Hz, I LOVE YOU』今回はミュージカル映画としての徹底が最優先されたような思い切った作風で、物語性については弱め。あ、もうここで終わっちゃう?というエンディングでもあったし、逆にどこで終わってもさほど不思議でない映画だった。部屋で寝そべって観たい軽やかさと安心感。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月10日
21.『ハルチカ』
『ハルチカ』流石にもうちょっとなんとかならなかったの、と感じざるを得ないほど前半は映画としてあまりに貧相でスカスカで空虚感を極めてる。でも信じられないほど一気に挽回を仕掛けてくる後半は、まるで別の映画になったよう。そもそも後半の橋本環奈の顔は本作を悪く言う気を失くさせる。ズルい。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月15日
・3月11日より劇場(再)上映が始まった『クーリンチェ少年殺人事件』の感想
『クーリンチェ少年殺人事件』一番未知数だった4時間という長さに対しての感触は、完璧な観応えをもった3本の映画を同時進行で観ているような時間感覚だった、というのが一番近い。長く感じなかったと言ったら嘘だけど、これならあと1、2時間は引っ張ってくれても夢中であっただろう圧巻の映画力。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月19日
『クーリンチェ少年殺人事件』4時間という長尺も、この内容を前にすればホントに結果論でしかないな、当然だな必然だなと納得するしかない、あまりに随所にクライマックスだらけの作品だった。お〜これはクライマックスだなと思ってたのに、次から次へとそれを超えるビッグウェーブが押し寄せてくる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月19日
『クーリンチェ少年殺人事件』単体作品として3本は充分に作れるのではという程の切り口とそれぞれに深みある表現の充実が、一本の作品世界として集結してることの贅沢さが際立つ作品。そしてその全ての面において、男は馬鹿で幼稚、という否定しようのない事実が描かれており、ありがとうございます。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月19日
『クーリンチェ少年殺人事件』青春恋愛パートも主人公とヒロインの対称性によって、味わい深さ満点。最初は相手にとって特別な存在になろうなんて考えず、ただ一緒に過ごせたら幸せだから側にいて、それ故2人は近づけたのに、やがて特別な存在という枠組みにばかり心を囚われ破綻していく姿がリアル。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月19日
『クーリンチェ少年殺人事件』人間は、男として、女として、学生として、浮世サバイバーとして、親として、自分の情熱にだけは貪欲にならざるを得ない、他人には隠せたとしても。生きることは行方も知れない情熱に振り回され続けながら社会の中を彷徨うことなんだと、濃厚なスケールで描き上げた傑作。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月19日
『クーリンチェ少年殺人事件』自分が美しい容姿をしていて、多くの異性に恋されてることも密かに正しく察知しながら、浮かれるどころか冷めていて、そんな次元に幸せは存在しないことは悟りきってるスマートな美少女という、私が思い描く理想のヒロイン像そのものが出てきて堪らんかった傷つけられたい
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月19日
『クーリンチェ少年殺人事件』の魅力のある部分を引き継いでる、というかさらに深い次元までその表現を進めたのが、ドゥニ・ビルヌーブ監督の『静かなる叫び』だと思う。実際に起きた事件に対して、映画という文芸表現は何ができるのかという果敢な試みと深化によって、新たな可能性を示すに至ってる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月28日
『クーリンチェ少年殺人事件』で私が一番気になったのは、あれだけ重層的で多彩なテーマを描き出しながら、タイトルがコレという点。最後の最後にやっと物語が辿り着く、シンプルな事件名。をこれほどの作品の題にしたこと。それが逆に、映画表現そのものに対して深い意義を投げかけてるように感じる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月28日
・『タレンタイム』の劇場公開を記念した、イメージフォーラムでのヤスミン・アフマド監督特集(3月18日~24日)で観た『ムクシン』の感想
『ムクシン』を観た。ヤスミン作品の中でも、とりわけスウィートな肌ざわり。柔らかく優しく初恋映画に心が澄む。でもそこはヤスミン作品。2人の家族や彼らが住むマレーシアの町の表情から本当に丁寧に、初々しい2人の関係性を描き出していく。『細い目』もそうだけどオーキッドの家庭が素敵すぎて。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月19日
どの作品も観どころが多岐に渡り存在する贅沢なヤスミン作品だけど『ムクシン』も『細い目』も少女と少年のあまりに純粋で初々しい恋の関係が物語の軸になっているとは思うんだけど、両作品とも一番心に残ってるシーンについて回想すると、それはオーキッド一家が見せてくれる幸せシーンになっちゃう。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月19日
『細い目』ではオーキッドの留学まで残り僅かになって、女性トリオが感傷と寂しさでボーッとしながら階段に並んで佇み、お父さんを邪魔しゃうシーン、『ムクシン』ではクソガキの親にありがちなモンペア来襲にママと娘の最強チームワークで最高に痛快でハートフルな追い出し方をするシーンが1番好き。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月19日
先日初めて、映画の予告編の時点でガチに感極まり涙をこぼす、という間抜け体験をした。でも、流石に今回は私ひとりじゃないと思う。生涯で最高の映画を観たあの2時間の記憶が、これでもかと蘇ってきた2分間。『タレンタイム』いよいよ今週末公開。 https://t.co/ifJSEEIYgX
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年3月23日
私的1位から10位まではこちらを。
・2017年2月の私的ベストシネマ
・2017年1月の私的ベストシネマ