2017年1月の私的シネマランキング
私が1月に映画館で鑑賞した新作映画について、個人的によかった順番に並べて感想をまとめました。
今月はちょうど20本の新作を観ました。(漏れがなければ…)
とにかく今年の「未体験ゾーンの映画たち」の粒ぞろいぶりに驚いた1月でした。
シネコンで上映中の作品がほとんど観れていないので、来月に幾つかは観たいです。
それでは1月の個人的1位から20位までを。
1.『真夜中のパリでヒャッハー!』
※見事第1位の作品なんですが、早速感想の中で私は間違いを犯しています。本作は去年11月に劇場公開されたフランスのコメディ映画『世界の果てまでヒャッハー!』の前日譚が描かれた作品で、その時点で気付くべきだったんですが、オリジナルリリースも日本公開と同じ順だろうと思い込んでいて、感想の中では『世界の果てまでヒャッハー!』のことを前作、『真夜中のパリでヒャッハー!』のことを続編と書いています。でも本当は逆で、『真夜中のパリでヒャッハー!』こと『Babysitting』が2014年発表の第1作目、『世界の果てまでヒャッハー!』こと『Babysitting 2 / All Gone South』が2015年発表の続編でした。すみません。
『真夜中のパリでヒャッハー!』を観た。もう〜〜〜〜最高最高最高超絶最高おおぉぉぉ!!!一体このシリーズはどれだけ最高なら気が済むんだ。愛せる限界値を突破するレベルの好きすぎさ。こんなにこんなに楽しい気持ちと爆笑と幸福感と胸熱感に浸り切れる映画体験が他にあるだろうか。5000億点。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月23日
『真夜中のパリでヒャッハー!』ホントにホントにやってくれた!!完璧すぎる最高コメディ。前作のフォーマットをナイスに引き継ぎつつ、今回も爆笑不可避のぶっ飛びネタを大大連発。そして今作はジャクソン5「I Want You Back」も飛び出すほどスウィートな一面もあって、なお最強に。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月23日
『真夜中のパリでヒャッハー!』このシリーズが最高なのはただ笑えまくれるだけにとどまらず、そこにハイパー胸熱アドレナリン大放出展開をぶち込んで破格の高揚感に連れ去ってくれるところ。遊園地のマリオカートを車道で爆走させながらカーチェイスを繰り広げるシーンは死にそうなくらい最高だった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月23日
『真夜中のパリでヒャッハー!』序盤からずっと面白すぎて大満足しかなかったけど、前作の、皆が原住民から逃げる為に飛行機に乗ってるのに婆さんだけが老人用カートを超爆走させながら逃げてるシーン級の致死レベルネタは今回はないのかと思っていたら、最後の最後に出てきてお腹が痛くなるほど爆笑。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月23日
『真夜中のパリでヒャッハー!』前作を観ていなくても全然問題なく楽しめるけど、最後まで観た時に見事に『世界の果てまでヒャッハー!』のオープニングと一気にリンクする前日譚としての優秀さにも高まった。このシリーズは本当にありえないくらい幸せな気持ちにしてくれる。これからも続いて欲しい。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月23日
『真夜中のパリでヒャッハー!』可愛い同僚が退社するとき送別会でジャクソン5の「I Want You Back」を歌ったらキスしてくれて好きになってしまった、とかアラサーの男が真顔で言ってる時点でこの映画を好きになってしまうし、それが後に最高の伏線として活かされるんだから堪らない。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月23日
2.『持たざるものが全てを奪う / HACKER』
『持たざるものが全てを奪う HACKER』を観た。めっっっちゃくちゃ良かったあぁぁぁぁ!!個人的には未体験ゾーンの映画たち史上最大の大当たり。王道の青春映画とハッキングクライムサスペンスとのスウィートな融合。タイトルからは想像できない柔らかな情緒性と爽やかさ。私的には大好きです。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月22日
『持たざるものが全てを奪う HACKER』クライム映画方向でのエッジーを煽るような邦題に反して、実際は王道の青春映画として完璧なほど開かれてる。これが未体験ゾーンなのは勿体無い。余裕で劇場公開いけるほど誰が観ても楽しめる映画では。優しさとスリリングな面白さの両立加減が素晴らしい。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月22日
『持たざるものが全てを奪う HACKER』主人公たちがトントン拍子で上手くいきすぎてたり、無数の犯罪をあまりに肯定的に扱いすぎてるとかツッコミどころがないわけじゃないけど、そんなのホントに些細に感じられるほど、青春映画として素晴らしい。繊細な機微や成長がとても親密に描かれている。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月22日
『持たざるものが全てを奪う HACKER』クライム映画とは感じられないほど、爽やかさで落ち着いたタッチと情緒豊かで繊細な語り口。こんなに主人公を応援してしまう犯罪映画も私的になかった気がする。ハッキングを通してしっかり青春のあれこれを見出し、輝き、苦悩していく主人公の成長が良い。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月22日
『持たざるものが全てを奪う HACKER』ハードコアなタイトルに騙されず王道の青春映画好きな方には今季本当にお薦めしたい1本。男子2人で上手くやってたところにデキる女子を迎えた途端ギクシャクしだすのとかその王道感がやっぱり堪らんし、主人公のツレない寄りの男子っぽさも堪らんかった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月22日
『持たざるものが全てを奪う HACKER』女子の切ない甘え声にひょいひょい流れさちゃうのも男子っぽさだし、そういうのに全くツレず無我夢中で自分の野望に邁進するのも男子っぽさだよなー、と思いっきり後者の主人公を見ながらニヤニヤしてしまった。そういう若さが弾けまくってる良い青春映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月22日
『持たざるものが全てを奪う HACKER』ハイティーンの青春映画と集団ハッキングクライム映画の秀逸な融合という意味では『ピエロがお前を嘲笑う』とリンクする部分も多々あるけど、青春映画としてのトーンは対極的で、『ピエロ〜』の病みに比べて、本作は健全で華やか、情緒的で優しいムード。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月22日
『持たざるものが全てを奪う HACKER』好きすぎてヤバイ。完璧な面白さと観易さだった。久しぶりに大満足できる新作青春映画を観れて、すごく清々しい気分。主人公がハッキング犯罪を始めたのも、両親に経済力がなくて大学に行くためには自分で稼ぐしかなかったという健気さで序盤からヤラれた。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月22日
3.『僕と世界の方程式』
『僕と世界の方程式』を観た。めっっっちゃくちゃ良い!!想像してたレベルとは別次元・桁違いの圧巻の良さ。邦題やポスター等から無邪気でハートフルなティーン映画風情だと思ったら大間違い。“愛”とは何なのかを満身創痍になってでも突き詰めようとする、力強い本物の傑作。青春映画の枠じゃない。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月29日
『僕と世界の方程式』とんでもない感動作だった。文字通りの、感動作。だって本作そのものが「感動…何かに深く感じて、心を強く動かす」とは何なのか?についての映画、自分の中で起こった“感動”を受け入れ、それを信じて動くことの意義と正しさについての映画だから。そしてそれを愛だと知る映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月29日
『僕と世界の方程式』生まれつき数学への特異な関心と才能を持った少年が、高校生の数学オリンピックを目指していくあらすじだけど、物語の上でそれらはあくまで設定に過ぎなくて、物語として描かれるもののリアリティや重さやスケールに比べたら、本当に些細。人間にとって愛とは何かを明かす感動作。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月29日
『僕と世界の方程式』全く浮かれた描き方はしない、リアリティのある澄んだ切り取り方が特徴の作品で、自閉症の息子を育てる母の苦労や彼自身の葛藤も多面的に描かれる。そして2人にとって数学の存在も、希望と苦悩の両面をもたらすものという描き方がリアルで好き。中盤の台湾合宿以降は絶妙の極み。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月29日
『僕と世界の方程式』誠実な物語と繊細な描写がリードするシックな作品だけど、台湾合宿以降の中盤はそれまで物思いに沈むばかりだった主人公が、合宿で出会った天真爛漫で優しい女の子と過ごす内に徐々に特別な幸福を見つけ出していくのと同時に、映画のムードも生き生きと脈を打つ世界に変っていく。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月29日
『僕と世界の方程式』自閉症で誰にも心を開けなかった主人公が台湾で出会った優しい女の子と仲良く過ごす様子を見て、母親が穏やかに見守る表情をするあたりからうるうるきだして、母と息子でカフェのテーブルにて静かに話し合うシーンでは何度も涙が目から流れた。奇跡のようなクライマックスシーン。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月29日
4.『エリザのために』
『エリザのために』を観た。高校卒業、奨学金試験、海外の大学へ進学…といった一人娘が目の前にしていた大事なイベントを、それらの直前に暴漢に襲われるというショッキングな事件に巻き込まれてしまった娘のために、なんとか無事に実現させようと表と裏の両面で駆け回る父親側の青春映画。凄く良い。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月29日
『エリザのために』予告編のメランコリックな印象と異なり、実際は風通しが良く観易い映画で、娘に暴漢をはたらいた捜索中の犯人を除けば、悪い感じの人は誰も出てこない。ただ人間は誰しも完璧じゃなく、自分だけの意思を持っているから、すれ違う。それをとても味わい深く贅沢に描いた、充実の映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月29日
『エリザのために』娘が海外進学によって希望のない腐敗した町から抜け出すことを何より願っている父親を主観としているから、娘をどうしても奨学金試験に合格させたい気持ちの強さも起因して、“親サイドの青春映画”という新鮮な印象を残す、パパがジェントルに大奮闘&大苦闘する目が離せない映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月29日
今週の新作で非常に良かった『僕と世界の方程式』と『エリザのために』。前者は息子と母親の関係を、後者は娘と父親の関係を、それぞれ独自性を有する視点と語り口で魅力的に綴る。そして、ハッピーエンドを明確に示唆するものではないからこそ、リアルな清々しさを残すエンディングが両作品とも秀逸。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月29日
『エリザのために』とても清々しい余韻が残って、幸せな映画体験をしたと思える作品。あのエンディングは上手くてセンスが良い。何かが終わっても、人生は続いていくだっていうこと。人は生きてる間中、解決しない問題と常に付き合っていくんだということ。そのことを肯定的に感じさせる説得力が魅力。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月29日
5.『愛を歌う花』
『愛を歌う花』を観た。大大大満足。ヒロイン2人の見惚れるほどの美しさと柔らかい歌声がほろ苦くも甘美な青春恋愛ストーリーを包み込むスウィートな前半と、愛憎と欲望を巡る駆け引きとダイナミックな物語性を繊細な心理描写を積み重ねながら深みをもって描き出す後半。期待を超える充実の映画体験。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月8日
『愛を歌う花』妓生養成学校で出会い無二の親友になった女性2人がそれぞれ選んでいく生き方や恋愛、やるせない愛憎の行方を豊かに描きながら、伝統音楽を取るか大衆に聴かれる流行歌を取るか、日本統治下にあった当時の朝鮮で妓生はどんな役目を負っていたか等も密に描かれていて非常に多面的な作品。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月8日
『愛を歌う花』主人公を演じるハン・ヒョジュは『ビューティー・インサイド』のヒロイン役でも完璧なミューズだったけど、本作での魅力はそれを圧倒するほど。そしてもう1人のヒロイン役のチョン・ウヒもハン・ヒョジュに引けを取らない素晴らしさ。歌手になった彼女は可愛すぎて完璧アイドルだった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月8日
『愛を歌う花』正直期待の3分の1くらいはハン・ヒョジュ目当てだったけど、映画の中盤には“真のスウィート・ソウルとはこれか!?”と目が醒めるほど愛らしく瑞々しい、シルクのような歌声を披露する完璧アイドル、チョン・ウヒさんを前に専ヲタ化も免れなかった。『哭声 コクソン』も絶対観ます。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月8日
『愛を歌う花』愛や悲しみを託した唄の魅力がドラマチックに迫ってくるコンサートシーンや録音シーンの素晴らしさが印象的な、音楽と恋愛映画の理想的な融合でもあるし、男女の三角関係を描いた映画としても圧巻の観応えがある。妓生という側面を通して知る日本と韓国の史実は罪深くも新鮮。完璧では。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月8日
6.『インビテーション』
未体験ゾーン『インビテーション』最高最高最高最高!!凄い凄い凄い凄い!!ドドド傑作!!そう、こ・う・い・う映画こそ真に最高のスリラー映画だと思うの!!想像を超えた理想形についに出会ってしまった!!スリラー映画部門なら私的歴代1位でもいいと思うほど充実度MAXの完璧映画体験だった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月28日
『インビテーション』自分にとって理想的なスリラー映画の在り方というものに初めて出会ってしまった。元々スリラー映画自体積極的に観てこなかったけど、それは私的にこのジャンルで「こ・れ・は・傑作だわ!!!」という圧巻な映画体験をしたことがなかったから。でも、あったんだわ。今日発見した。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月28日
『インビテーション』とにかく思慮深い、新次元の洗練を達成したスリラー映画。疑心暗鬼というスリルの根源である人間の心理を絶妙なタッチで繊細に積み重ねながら、徐々に徐々に恐怖への疑惑と現実との距離感を引き寄せていく贅沢な焦らし演出とその先に待つ帰結。そのシックで高品位な構成に大拍手。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月28日
『インビテーション』ある夫婦がご無沙汰だった友人達を自宅に招き開催したパーティーが舞台で、始めから警戒心を抱いている主人公を筆頭に、各々がパーティーの真の目的について疑心暗鬼になっていく。その繊細で深みのある心理描写はヒューマン映画の質感だけど、節々でスリラーの予感を蒔いていく。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月29日
『インビテーション』の素晴らしさは、疑心暗鬼をテーマに洗練された心理描写を貫く秀逸なヒューマン映画としての魅力と、その途上で随所に忍ばせ層を重ねてきた未知なる恐怖への予感に対して、絶頂的解放を与える完璧回答としてのスリラー魅力が、見事に一本の映画の中でエレガントに融合している点。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月29日
『インビテーション』恐怖とはまだ現実としては形成されていない未来の事象に対する予感の質感の一種であること。疑心暗鬼こそが人間の内側に物語を生み出すということ、等々人間の心理について思慮深い示唆に満ちていつつも、最後は問答無用のカタルシスで景気良く締めてくれるところが本当にクール。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月29日
『インビテーション』映画としてのスタイルに痺れた。所謂ストレートなスリラー映画ではあまり味わえない、シックなヒューマン映画特有の観応えを存分に満喫させた上で、やがて一気にベールを取って、それまでぼんやりチラ見せしていたスリラーへの予感に超大胆に応えてくれる。惹きつけ方に惹かれる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月29日
7.『ショコラ ~君がいて、僕がいる~』
『ショコラ 君がいて、僕がいる』を観た。堂々の観応えと面白さに貫かれた、想像を遥かに超える素晴らしさ。フランス初の黒人芸人として田舎巡りからパリでの成功へと駆け上がっていく姿を表情豊かに描きながらも、黒人差別やコンビでの活動の葛藤も深い描写で重ねた、非常に多面的な魅力がある作品。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月23日
『ショコラ 君がいて、僕がいる』ここまで多角的なテーマと深みを抱えた映画だとは。フランス初の白人黒人コンビ芸人としての成功という光、当局や世間の根深い黒人差別という闇、なんて単純な作品ではなくて、もっともっと複雑で多面的な人間の心理描写に柔軟に寄り添った作品で、気付きが沢山ある。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月23日
『ショコラ』当時は前例が全く無かった黒人の芸人として活躍してることに当局から厳しい取り締まりを受けるんだけど、そこまでは予告編で分かる。本作の本当の魅了は、取り締まりや言動など形で分かる苦難はもとより、形としては浮かんでこない心理的な苦悩や葛藤までじっくり豊かに描かれていること。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月23日
『ショコラ 君がいて、僕がいる』田舎の無名コンビからスターダムにのし上がっていく過程では、白人に馬鹿にされるマヌケな黒人というコンビ構成が追い風で、生活もどんどん豊かになるから気にしてなかったけど、登り詰めた時に、パーソナルな心理的葛藤が2人の間に生まれいく。それが意義深かった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月23日
『ショコラ』明るいパートと辛いパートで分かれている映画のような気がしてたけど、そうじゃなくて生きる希望もやるせなさも常に全ての場面で溶け合っているように感じられた点が本作に一番魅了されたところだと思う。それが主人公の2人が黒人と白人の芸人コンビである点と完全にリンクしてる。見事。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月23日
『ショコラ 君がいて、僕がいる』人種差別がテーマの一つになっている映画というとシリアスなイメージを抱きがちだけど、本作は黒人と白人が芸人としてコンビを組み、前人未到の笑いでパリのスターになる、社会的課題を超えるパーソナルな生命力と信念が印象的な力強い映画。幸福な映画体験をくれる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月23日
8.『マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ』
『マギーズ・プラン』鑑賞。なんて可愛らしい映画!作品全体を貫く可愛らしく親密な空気の創造が職人技のように頭抜けてる。絡まる三角関係の中で一生懸命捕まえようとすればするほど逃げ回る幸せ。だけどそれを本当に軽快かつキュートなタッチに徹して描いてるから、観る人は幸せな気分になれちゃう。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月24日
『マギーズ・プラン』本当の可愛らしさって、ビターでテンパった状況の中で人間が垣間見せる無邪気なひたむきさや、我を忘れた懸命な姿の中に宿るものだと、真にラブリーな本作を観て思った。そういう姿を“情けない”じゃなく“キュートだ”と終始肯定するのが本作。これが本物の“大人可愛さ”では。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月24日
『マギーズ・プラン』衣装が(実用的目線で見て)ホントに魅力的な映画で、最初に主人公のマギーと男友達が出てくるシーンから“おお!この映画はわかってる!”って高まれるほど、親密なファッション感で目に楽しい。というか、マギーが来てるこのコートと同じデザインのコートが今すぐにでも欲しい。 pic.twitter.com/NYxqy66t49
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月24日
9.『エンド・オブ・トンネル』
未体験ゾーン『エンド・オブ・トンネル』B級臭を予感してたけど、意外にもミッション系サスペンス映画として堂々と正統派な仕上がり。最後までじっくり面白く観れた。地下を掘って銀行強盗を狙う悪党達を、自宅の地下室からキメ細かい仕込みを入れて邪魔する作戦は巧妙に描かれていてワクワクできる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月30日
『エンド・オブ・トンネル』目の離せない展開が淀みなく仕込まれた一本で、特に後半はどんどん引き込まれていったけど、最後の最後、絶体絶命のクライマックスシーンでまさかの笑える展開!そういう手があったか!!っていう、けっこう実用性のあるネタ?でもあると思うので観ると得した気になる映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月30日
10.『天使にショパンの歌声を』
『天使にショパンの歌声を』を観た。女生徒たちの奏でる美しく瑞々しいクラシック音楽と、廃校の危機にもめげずに前向きに立ち向かっていく教師と生徒たちの暮らしを穏やかに映した、柔らかく優しいドラマには心が癒されるようで、予告編の雰囲気が好きならまず間違いない。後半はさらなる深みがある。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月23日
『天使にショパンの歌声を』前半は予告編のムードそのままという感じで、物語やキャラクターの心境は揺れ動くけど、そのすべてが柔らかい朝の光に包まれているようなゆったりとした穏やかさがあって、心が和む。でも後半はそういうベールを脱いで、物語も彼女たちも本当の変化を見せる。それが感動的。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月23日
『天使にショパンの歌声を』自然豊かな田舎にある、修道院が運営する全寮制の女子校が舞台で、俗世間と距離を置いた穏やかな暮らしをしていたけれど、時代の変化の中で近代化を求められていく。変化と時代を受け入れて軽やかに生きてみせることの大事さが描かれた作品。青春映画であり大人たちの映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月23日
『天使にショパンの歌声を』生徒たち側のメインキャスト、アリスを演じてるプロピアニストのライサンダー・メナードさんがとてもよかった。所謂2面性がある人の魅力というのを完璧にまとっていて、基本的に1面性寄りのキャラクターが多い本作において、アリスはズルいくらいズバ抜けて魅力的に映る。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月23日
11.『ブラインド・マッサージ』
『ブラインド・マッサージ』を観た。盲人のマッサージ師達が働く中国のマッサージ店を舞台にした濃密な群像劇は、評判通り途轍もない力作。盲目の世界で生きる人々の出会いと別れを通して、人間にとって普遍的な数々のテーマが根本から全身全霊で問い直されていくような、圧巻の人間描写の深さと密度。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月30日
『ブラインド・マッサージ』予告編の印象から、過激に接写した人間描写を覚悟していたけれど、決して過激な捉え方をしているわけではなく、ナチュラルで、人間に対して優しい眼差しがある。でも、それで、なお、この類稀な濃さと密度。それだけ現実を正確に捉えようと踏み込んでいる果敢で知的な映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月30日
『ブラインド・マッサージ』盲目の人が生きる世界と、見えている人の生きる世界とは完全に別の世界だと度々モノローグで語られる。でも、そこに映される盲目の彼・彼女らの暮らしが伝えるのは、例え各々の世界は別であっても、人間として“生きている”という感覚は共有し得るものであるということ。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月30日
『ブラインド・マッサージ』家族を守りたい気持ちや、誰かに強く惹かれ夢中で恋する気持ちといった、ヒューマン映画の普遍的なテーマを取り上げながらも、盲目という境界の中で抱かれるそれらの心情や行動をじっくり濃密に描くことで、改めて人間の持つ情熱の在り方を強く訴えかける作品になっている。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月30日
『ブラインド・マッサージ』後半のメイン、主人公の盲目の青年が初めての風俗店で相手をしてくれたヘルス嬢に情熱的な恋をしていくエピソードは、(こんな自分のありのままを)“受け入れてくれた”と無意識の部分でも感じられる体験が人間に与える強い浄化作用と、依存と紙一重の情熱描写がリアルで。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月30日
12.『ネオン・デーモン』
『ネオン・デーモン』を観た。アーティスティックで刺激的な映像演出と鋭利なエレクトロサウンドの融合魔術が、モデル業界に踏み込んだ16歳の美少女と観客を、人間の欲望と絶望が織り成すダークなサバイバルゲームへと導く圧巻の120分。息を飲む映像・音楽体感とストーリー展開に時を忘れきった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月15日
『ネオン・デーモン』物語展開でもグロテスク描写でも、パーツで取り出して見るとここまでやるのかと驚くほどエグいシーンが出てくるけど、全体を貫くリアルとダークファンタジーが表裏一体となった世界観が徹底して強固だから、そのストリームを構成する一要素という表情で観せてしまえてる点が流石。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月15日
『ネオン・デーモン』自分では自身の圧倒的美しさに気付いてない純粋そうな顔をしながら、その奥では誰より客観的に自身の美貌を冷静把握してる(つまり最高の少女)16歳の超新星モデルを演じるエル・ファニングと、アーティスティックなメイクとスタイリングとの数々のコラボも期待通り存分に最高。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月15日
『ネオン・デーモン』個人的には作中でエル・ファニングが最後にしてたメイクがめちゃくちゃ好きだった。片目周りだけ派手にラメ。その時着てたボルドーの羽織ものもエルのブロンドと白い肌にすごく合ってて、完璧に魅力的だった。リップの品名は食べ物関係かセックス関係が多いという話も面白かった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月15日
『ネオン・デーモン』私的に男女限らず一番惹かれるタイプの人って本作の主人公みたいな、人前では徹底してスカしたかまととぶりっこを通しながらも、その素朴そうな表情の裏では自分の人には負けない部分と勝ち方を冷徹に把握して、その調整が上手い人。そういう在り方に官能的な魅力を感じてしまう。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月15日
13.『パーフェクトマン 完全犯罪』
『パーフェクトマン 完全犯罪』鑑賞。小説家を目指すも叶わない青年が、引越屋の仕事中に見つけた故人の手記を盗作し一躍成功者になるも、それをカモに脅されるようになり…という物語に新鮮さはないけど、クライムサスペンスのありとあらゆる王道要素を詰め込んだ周到さは飽きさせない観応えがある。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月22日
『パーフェクトマン 完全犯罪』盗作小説家ものクライムサスペンスの王道ストーリーに王道展開の絶え間ない連続だけど、どれもド派手にやりきってるから余裕で引き込まれてしまう。孤軍奮闘で揉み消し揉み消しの毎日のキツさ・焦り・絶望が力強く表現されている。エンディングは予想外の素晴らしさ。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月22日
『パーフェクトマン 完全犯罪』主演のピエール・ニネは『イヴ・サンローラン』でも錯乱する主人公の心理状態をダイナミックに演じていて素晴らしかったけど、本作でもさらに身体を張って自滅的な主人公の生き様を緊迫感たぎらせ表現しきっている。罪に罪を重ねる内にやつれていく姿に惹きつけられた。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月22日
『パーフェクトマン 完全犯罪』邦題が邦題なだけに、結末がどっちに転んでも驚かないと思ってたけど、まさかそういう次元とは全く異なる、非常に深みのあるエンディングに、良くも悪くも超直球と感じていたこの映画のことを一気に見直してしまった。最後の最後でハートに沁みる、シックな後味を残す。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月22日
14.『牝猫たち』
『牝猫たち』3人のデリヘル嬢と店長、運転手、客達を巡る日常を現実的に描く。彼女達は生活のための仕事として選択した現在の立ち位置として、男達は今日の性欲に対する解消の仕方に対する選択として。誰も常に社会的な空間における立ち位置と人生の時間の使い方を選びながら生きていることが浮んだ。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月22日
15.『ダークレイン』
『ダークレイン』を観た。こ・れ・はまさに文字通り未体験ゾーン映画だった!独自性が際立ってる。画面の質感から音使いまで凝りに凝った1960年代を示すビンテージ感と、まるで舞台劇のような密室バスターミナルだけで繰り広げられるショッキング映画。映画の存在感自体が既に激ブラックユーモア。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月22日
『ダークレイン』わけわかんなさ、それ自体が100%映画そのものの魅力になっているという究極の演出力と映像の魔力に囚われた酔いしれた、驚愕の前半。傑作の予感がした。だけどネタ明かしが意外と早くて、後半はわけがわかってしまう。そうなるとその一辺倒さに一気にキツくなってしまい…惜しい…
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月22日
『ダークレイン』わけわかんなさをここまで魅力的に表現できるなんて、その世界観の強固さと独自性にヤラレた。完全にオンリーワンの質感を持った特別で特殊すぎるショッキング映画だと思う。古ぼけた雰囲気の画面と音楽が絶妙なヌルさと最高にマッチしてて、物語云々より世界観だけでも楽しめる映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月22日
『ダークレイン』タネ明かしが残りの尺の割に早くて、そこを機に魅力的だったミステリアスな部分に寄せていた熱が急速に冷めてしまった。後半はひたすらワンパターンの一辺倒で、その内容も胸クソ悪い。密室のバスターミナルというスケール感から地球規模の大危機を描き上げる表現力は素晴らしかった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月22日
16.『ホワイト・バレット』
『ホワイト・バレット』を観た。病院を舞台に、警察OBを筆頭とした凶悪犯罪組織と警察チームとの緊迫した攻防戦を描く。それを病院の日常の内側からじわりじわりとパーソナルなやり取りを紡ぎなから描いてるが本作の特徴。じらした分を一気に取り戻しすぎなクライマックスの衝撃度は予想の100倍。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月15日
『ホワイト・バレット』画面の質感もドラマ描写もベタッとしていて押し一辺倒な印象。そして物語のテンションもずっと一定だったから、アレは本当に衝撃的だったし、一気に見直した。ここから後半が始まるのかと思った。だけどそれがクライマックスでそこからはあっという間に終わってしまい拍子抜け。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月15日
『ホワイト・バレット』作品を通して特に何を描こうとしてるのかイマイチ計りかねたまま最後を迎えた。医療の現場でのシリアスな事故を通して医者、患者双方の葛藤や苦悩等も描かれるけど、各々すべてが物語の1ピースとして用意された平面的な印象を受けてしまい、映画のための映画要素集という感じ。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月15日
17.『アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男』
『アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男』を観た。サスペンスとしてのエンタメ性を期待してたけど、そんな浮ついた面白さとは対極にある、堅実で渋い大人な映画。作品の核心は、アイヒマンを見つけて捕らえることではなく、仮面を被った敵だらけの疑心暗鬼な状況の中で信念を貫くことの尊厳。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月22日
『アイヒマンを追え!』世界の何処かに逃亡中のアイヒマンを探し出すだけなら王道サスペンスで終わるけど、ナチス残党が過去を隠して国家機関の中で裏ネットワークを組み、主人公たちに酷い邪魔を仕掛け続けてくる。そこに対する駆け引きのハードさや決断がメインで描かれている点が深い観応えを残す。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月22日
18.『人魚姫』
『人魚姫』を観た。終始お子さま向け映画という印象を抱き続けた。浮ついた勢いだけで考えなしにぶち込むような派手なギャグを連発する前半は、幼稚で騒々しい賑やかしにしか見えず、後半は物語集約のために用意したような残酷描写に対する扱いの軽さが、むしろこの映画そのものの残酷さを感じさせた。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月9日
『人魚姫』元々ノーマークだったのにシネマート新宿のスクリーン1が満員になっているという情報から湧いた完全なミーハー心で、『少年サッカー』も『カンフーハッスル』も観たことないけど入ってみた。やっぱり動機がミーハー気分では返ってくるものもそれなりであることを改めて思い知った良い体験。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月9日
『人魚姫』作品全体に対しては合わなかったけど、人魚村のみんなには本当に幸せな暮らしを送ってほしいと心から思えるほど、人魚ファミリー達の描写には愛らしいユーモアと温かな親しみ易さを感じられた。だからこそ、基本ムードの能天気さに突如割り込んだような唐突な残酷描写には拒否感を抱いた。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月9日
19.『ダーティ・グランパ』
『ダーティ・グランパ』を観た。どうしょもない下ネタがひたすら間を空けずあっけらかんと連発される事態に、とにかく全編を通して笑い続けられる。でもそれ以上の期待に対しては難しい。この手の設定にありがちなヒューマン的感動要素もひと通り用意されてはいるけど、あくまでそれらはお約束的扱い。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月8日
『ダーティ・グランパ』結婚目前の真面目青年が、頭のぶっとんだ知人とお馬鹿ハプニングだらけのリゾート旅行をするという設定は『世界の果てまでヒャッハー!』と共通だけど、あの作品にあった爽快感や面白さを超えた先まで届く胸熱級の爆笑はなく、むしろだんだんイラっとしてくるタイプの馬鹿さ加減
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月8日
『ダーティ・グランパ』の圧倒的な下ネタ連発具合とどちゃめちゃパーティ感と、それも含めて健全だと胸を張って言い放っちゃってるムードは、『アメリカン・パイ』シリーズのテイストに近いものを感じた。暴れ盛りのガキ何人かで作り出してるそのムードを、爺さんたった1人でやってのけてるのが本作。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月8日
20.『アブノーマル・ウォッチャー』
未体験ゾーンの映画たち『アブノーマル・ウォッチャー 』貸家管理人の挙動不審爺さんの正体は変態盗撮マニア。貸家のそこら中にカメラを仕掛けて、自宅で女性の動きを1日中観察してる。スリラーとしてのドキドキ感は全体的に控え目だけど、後半は『ドント・ブリーズ』を彷彿する展開にゾッとなれる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月8日
『アブノーマル・ウォッチャー 』何者から日常生活を密かに監視されていることの恐怖を紡いでいくスリラーを想像してたけど、監視者が予想を覆すほどストレートに情欲をこじらせた社会性のない変態オヤジだったので、どちらかというとベタっとしたキモさがしぶとく迫ってくるユルめのスリラーだった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2017年1月8日
【関連記事】