2016年の私的年間ベストシネマ 60選 (No.1 ~ No.20)
私が2016年に映画館で鑑賞した作品の中から、個人的なベストランキングと感想をまとめました。
超私的な感覚で1位から60位までを勝手に選びました。
基本的に日本での公開が2016年1月~12月の作品を基準に選出しましたが、中にはそうでないものもあるかもしれません。そのあたりはご容赦ください。
『ハッピーアワー』と『友だちのパパが好き』の劇場公開は2015年12月でしたが、私は年を越えてから鑑賞したので入れました。
それでは、私的60位から。
私的40位から21位まではこちらを。
私的60位から41位まではこちらを。
20.『愛しき人生のつくりかた』
『愛しき人生のつくりかた』を観た。劇中でフルコーラス歌詞対訳付きで流れるJulien Doréの「Que reste-t-il de nos amours ?/残されし恋には」カバーの素晴らしさに胸熱。映画の場面を散りばめた素敵MV https://t.co/UlBGiPCMCo
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年1月24日
この曲のシャルル・トレネによるオリジナル版を主題歌に添えたのがトリュフォー『夜霧の恋人たち』で、原題“Baisers volés =盗まれた口づけ”も歌にあるサビの詞から 。『愛しき人生のつくりかた』では『夜霧』当時のアントワーヌと同い歳くらいの主人公が彼と同じホテルで働いてる!
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年1月24日
『愛しき人生のつくりかた』エンディングでこちらもフルコーラス歌詞対訳付で流れるBerryの「Le Bonheur」も本当によすぎて…。むしろ最後にこの曲で終わることで、この映画の素晴らしさが循環を迎えるような…。本当にいい曲。 https://t.co/TJPG8vt83E
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年1月24日
幸せを恐れないで。そんなものないのよ、ここにもどこにも。これ以上何も言わないで。身をまかせましょ。キスのための時間、私はあなたを好きになるわ。宝物は隠されていない、ここにちゃんとある。私達の足元に見えてるわ。人生が一度だけなんて残念ね。でもあなたとの出会いという贈り物をくれたわ。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年1月24日
『愛しき人生のつくりかた』をDVDで再鑑賞。やっぱりすごくいい映画だなあとしみじみ感じた。全編を注がれる、この優しい視線、優しい空気、描かれる物語はそれぞれの人物にとって踏んだり蹴ったりの出来事のはずなのに、それをそのまま描いてもなお、そこから優しい気分を浮かび上がらせる映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年7月5日
『愛しき人生のつくりかた』人生で起きる様々な(そのほとんどは実際踏んだり蹴ったりで格好つかない、情けない)出来事を、どんな距離感から見つめ、捉えたら、そこにもなお、優しさや幸福感を感じられるのか、見出せるのか。それをさりげなくそっと、具体的に沢山見せてくれるのがこの映画だと思う。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年7月5日
『愛しき人生のつくりかた』「ねぇーどうしよう?」なんてけっこうマジでブルーな相談の時にも、とりあえずそこに温かくて美味しいコーヒーと焼菓子を持ってくるだけで、一瞬でホッとできるし、幸せを感じる。そういう幸せの感じ方、在り処をシックな描き方で隅々まで行き渡らせたのが本作の90分間。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年7月5日
『愛しき人生のつくりかた』それでもやっぱり一番グッと高まるのは「残されし恋には」のイントロが流れ込む瞬間。タイミングがあまりに素晴らしすぎる。歌詞の訳を字幕で入れてくれたのも本当に素敵。一行一行が刺さる。劇場鑑賞後すぐにサントラを購入したけど、私がこの上半期で一番聴いた曲はこれ。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年7月5日
『愛しき人生のつくりかた』の音楽の魅力については、こちらの「2016年私的ベストトラック30選」の第2位のところでさらに語っています。
19.『名誉市民』
『名誉市民』を観た。どんな場面でも自分を偽らず我を通すノーベル賞作家が、30年前に捨てた故郷から名誉市民を授かり帰郷するが、自信家の成功者を迎えた寂れた町の人々の態度はというと・・・というビターなままならなさを、ユーモラスでブラックな風刺を随所に込めながら、じっくりセンチに描く。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年10月20日
『名誉市民』やっぱり一度故郷を捨て去った者は、どんなおだてで飾られたお出迎えが用意されてるとしても、気まぐれで帰ってみるなんてロクなことにならない。そんなキツい現実の一面を厳しさ一辺倒ではなく、どこか緩い可笑しさや思わず笑ってしまうアイロニー加減で、優しげに描いてるところが好き。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年10月20日
『名誉市民』一見シニカルで世知辛い装いをした作風に見えるけど、実は人間の持つ様々な格好つかないところ、人間らしさをそっと穏やかな眼差しで見守ったような、温い印象が漂う映画だと思う。だからしてそんな本編後のエピローグ的エンディグの持つ痛快さと“こうこなくっちゃ!”感は実に心地よい。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年10月20日
『名誉市民』個人的にはあの主人公、嫌いになれない、というか、けっこう好き。最初のノーベル文学賞授賞式のシーンとか秘書との仕事シーンはヤな奴だと思ったけど、故郷での彼と町の人々とのやり取りを見ていると断然彼に対して好感を持つようになったし、後半は応援したい気持ちでいっぱいだった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年10月20日
18.『At the terrace テラスにて』
『At the terrace テラスにて』超絶最高!!コピーの“100%富裕層向け映画”はとんでもなく間違い!!誰もが100%楽しみ尽くせる映画と断言するしか!!この面白さを前に富裕層って何のこと?!男と女の、女と女の、男と男の、情欲と嫉妬が滑稽に絡まり続ける極上“性的”映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年10月29日
『テラスにて』前作『友だちのパパが好き』で素晴らしかった、人間の本性、男と女の本性の清々しい程の明け透けさ具合とその見せ方の妙が、舞台を庶民的家庭周辺の数ヶ月から大企業専務宅のテラスのみリアルタイム90分に移すことで洗練と高密度化を遂げてるけど、人懐こすぎる親しみ易さは全く不変。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年10月29日
『At the terrace テラスにて』観ていてとにかくニヤニヤが一切止まらない。あまりに面白すぎて“この映画ヤベェェ!ヤべェェ!”と心の中で唸りながらニヤニヤしてるか、何度も声を上げて笑ってるかのどっちかだった95分。すべてが身に覚えるある可笑しさすぎて、嬉しくなっちゃう。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年10月29日
『テラスにて』序盤は異様な嫉妬深さとヒステリック具合(と豊満なバスト)を見せつける専務嫁だけが図抜けてヤバイ印象なんだけど、進むつれて全員が引けを取らないヤバさを披露し出して、結局人間って人前では普段隠してるだけで、掘れば誰しもヤバさなんてどんどん出てくる感が爽快なほど激面白い。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年10月29日
『テラスにて』元は舞台の作品の映画化で、ロケは綺麗な豪邸のテラスだけ、そこで繰り広げられる各々立派なふりをした大人達による情欲と嫉妬と二の腕フェチ欲にまみれた人間性の滑稽な掘り起こし合戦を成す、超面白やり取り劇映画という点では『セトウツミ』のブラックアダルティーver.感あった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年10月29日
17.『ぼくのおじさん』
『ぼくのおじさん』超絶最高!!終始貫かれるハートフルでラブリーな可笑しさと面白さに完全に安心してこの身を委ねられる。思わず噴き出しちゃう絶妙にトボけた会話の数々。安定感に満ちた多幸感コメディ&ほんわか三角関係ラブバトルはまるでルビッチ映画を観てるようだった。今年の邦画で一番好き。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年11月6日
『ぼくのおじさん』予告編の時点から鉄板の面白さの予感がしたけど、まさかここまでそんな多幸感で埋め尽くされてるとは。台詞や物語が絶妙なのは勿論だけど、ここまで本作が真に面白いのは大西利空くんの天才子役級の巧すぎる完璧演技と、松田龍平とのコンビネーションがあってこそ。本当に良い映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年11月6日
『ぼくのおじさん』ハートフルで大袈裟じゃない、だけど噴き出さずにいれない笑いを、さりげない会話と表情のやり取りの中で終始繰り出し続けていく、コメディとして安定した質の高さは、1930〜40年代の欧米多幸感ラブコメに感じるムードととても近いものがあった。磨き上げられた故の軽やかさ。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年11月6日
16.『人間の値打ち』
『人間の値打ち』を観た。これは本当に良い。秋の新作の中でも群を抜く。ヒューマンドラマとクライムサスペンスが非常に洗練された見事なスタイルの元で理想的な交差を魅せる。スタイルとしての洗練に留まらず、むしろこうでなければ辿り着けない物語としての多角性、深み、意外性を完璧に備えた傑作。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年10月20日
『人間の値打ち』去年の伊映画祭の際の紹介文「お金をめぐって交錯する人々の思いをミステリータッチで追っていく」が印象に残っており、欲深い大人たちを取り巻く疑心暗鬼をブラックに描いた映画かと思っていたら、それはほんの一部に過ぎず、半分は瑞々しく無垢な青春映画で、実に嬉しい誤算だった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年10月20日
『人間の値打ち』大人の映画だと見せかけて、まさかの内側半分に真摯で粋な10代の青春映画を隠していたとは。そしてその構造こそが、結局社会の表層に浮かんでくるのは、ずる賢く富を持つ大人達が作り上げる世界であり、若き者達の敏感で繊細な脆い世界は内側に隠され無視されるこの世を示唆してる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年10月20日
『人間の値打ち』高校生の子を持つ親世代の、自らの欲求を満たすための駆け引きと、彼らの子供世代の、誰かに惹かれ庇い合う中で生まれる駆け引き。その2つの異なった軸の中で揺れ動く人々の意思を多角的に描写していき、クライマックスでその2つの動きがハッとする重なり合いを見せる。本当に見事。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年10月20日
『人間の値打ち』年齢も性別も身分も異なる登場人物たちに対して、平等な丁寧さで各々の心理をじっくりきめ細かく描く一方で、理想的なテンポはキープし続け、次第にひとつの物語として全景を完成させていく、群像劇としてのクオリティの高さ。完全にパオロ・ヴィルズィ監督が旧作も観たい人になった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年10月20日
15.『ロイヤル・ナイト』
『ロイヤル・ナイト』を観た。ああ〜〜もう完璧というか非の打ち所がないというか、とにかくひたすら楽しくて魅力的で、100分が本当にあっという間。予告編でキュンときた人なら、これはマストで満喫できるはず。そのキュンを裏切らない、もっと大きくして返してくれる、大人のおとぎ話。素敵すぎ。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年7月2日
『ロイヤル・ナイト』おてんばすぎる妹につられて、人生で最初で最後の自由な一夜を駆け抜けることになった19歳のエリザベス王女が、本当に生き生きと演じられていて魅力的。可愛らしく優雅で美しい、理想的なお姫様像。この上なくチャーミングな“ビフォア・サンライズ”に時を忘れて吸い込まれた。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年7月2日
『ロイヤル・ナイト』こんなに清々しく幸福な余韻をくれる映画も滅多にないエンディング。あのキス、あの笑顔、完璧すぎ。しっかり者のお姫様なので一夜を街で明かしても流石にロマンスはないと思わせて、その範囲内でMAXのロマンチック。いやむしろこれはもう、って感じの最高ボーイミーツガール。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年7月2日
『ロイヤル・ナイト』真面目でしっかり者の姉と、おてんばで自由な妹、っていう組み合わせもお嬢さま映画の王道って感じでとてもいい。全部が王道、でもそれを綺麗に瑞々しく、トキメキいっぱいに更新していて、誰もが心を許しちゃう映画になってると思う。こういう映画が上映されていてありがとう好き
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年7月2日
14.『フランス組曲』
『フランス組曲』を観た。もうこれは最高だった。好きなやつすぎる。2人以外誰にも秘密の恋愛、という状況におけるそれぞれの心理描写が、ナチスドイツに侵略され支配下におかれた町の張り詰めたムードと相まって、よりいっそう深みを増す。味わい深い恋愛には疑心暗鬼があってこそとでも言うように。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年1月10日
『フランス組曲』ミシェル・ウィリアムズの表情作りの素晴らしさが本作でも大いに作品を豊かにしてる。私は『テイク・ディス・ワルツ』で完全にあれにハマった。町の皆がドイツ軍から死に物狂いで逃げわまってる時に、悠々とお家の中でランデブーに備えてお洒落してテーブルコーデしてるのも刺さった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年1月10日
『フランス組曲』2人ともそれぞれに根深い苦しみや緊張を人知れず抱えて生きているけど、心の中に生まれた、互いに確かめ合った密やかな恋情が、2人を助けていく。秘密の恋愛をしてるからこそ、辛い世間の中を歩くときも今の自分にはどこ吹く風だと思える瞬間がある。それは強かで尊い希望だと思う。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年1月10日
13.『ラブリー・マン』
おおおおぉぉぉTIFF『ラブリー・マン』最高ぉぉぉぉ!!!「感覚的に劇場公開はされなそうなことが分かっちゃう、だけど紛れもなく極上なめちゃくちゃ良い映画」=これぞ映画祭のザ・最高の醍醐味を体現する映画体験だった。今年観た映画の中でもベスト級。何度でも観たくなる本当に大好きな映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年10月29日
『ラブリー・マン』男娼として生計を立てる父親と、父に会いたい一心で捜しにきた19歳の娘が過ごす、15年ぶりの、そして最後の再会の一夜を描く。映画の中でミュージックビデオが融解したような詩情溢れる映像センスと、真摯に迫る表情・演技が引き立て合い、繊細で柔らかく深い情緒に満ちている。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年10月29日
『ラブリー・マン』最初で最後の再会の一夜も別れを迎えた駅のラストシーンで、妊娠を誰にも言えず苦しんでいた娘に「子どもの頃、雨の中で踊るのが好きだっただろ?人生も同じだよ。どうやって雨を避けようか悩んで過ごすより、雨の中で楽しむにはどうするかが大事なんだ」と託す父の言葉が刺さった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年10月29日
私的に後で振り返った時に、2016年のTIFFはインドネシアの映画の素晴らしさ、レベルの高さを知った、きっかけのイベントになったと回想されると思う。それくらいテディ・スリアアトマジャ監督の2作はとても充実した映画体験だった。『ラブリー・マン』を観られた今日は、最高のTIFF日和。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年10月29日
今日は観た映画全部がどれも良くて充実した日だったけど、朝一に『ラブリー・マン』を観れたのが特に大きい。こういう、一夜だけ一緒にいられる2人が静かになった街を夜通し歩きながら、たまに座ったりしつつお話をして、次の昼に別れるっていう、『ビフォア・サンライズ』形式の映画がやっぱり好み。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年10月29日
『ラブリー・マン』娘と父親が打ち解け始めた時間帯、道端に座りながら妊娠のことと15年ぶりに再会した娘にまだ優しく出来ない父親に対して感情を爆発させた彼女が泣き出すシーンが、映画として本当に良すぎて。自分まで涙が出た。最近はストーリーに対してより、キャラにつられて泣くことが増えた。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年10月29日
12.『この世界の片隅に』
『この世界の片隅に』想像よりも遥かに遥かに良かった。きっと誰にとっても堂々の傑作となる、完全なる魅力で全編貫かれてる。間違いなく今年最高級の映画。戦時下に生きた人々の人間らしい生活を最高のヒューマンドラマとして今一度肯定した映画として『ライフ・イズ・ビューティフル』に肩を並べる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年11月12日
『この世界の片隅に』戦時下の暮らしが描写された映画の中で、かつてここまで視界が広がるような、圧倒的な普遍性を抱いた作品は観たことがない。むしろヒューマンドラマとコメディの関係性とか、ヒューマンドラマとは何なのか?とさえ考えさせられるほど、その魅力は多岐に渡り、無限の見応えがある。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年11月12日
『この世界の片隅に』昭和始めから昭和20年代を舞台にしてるから、確かに戦時下の描写はあるけど、決して戦争を主に語る映画ではない。温かく優しいコメディ調をベースに1人の若い女性の成長や恋愛物語を描いた、絶えず面白く思慮深い、一級品の人間ドラマ。だから、本当に今ここで全てが心に響く。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年11月12日
『この世界の片隅に』1人の人間が生きる数十年の間に、世界の理性が崩れ、太刀打ちできない圧力で人間らしい生活を奪われる危機は幾度かある。それが“生きること”であっても、人生は喜劇のようであると捉えられることの強さや尊さ。それが私が映画や物語から教わっていることだと本作を観て思った。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年11月12日
『この世界の片隅に』昭和前半の、そして戦時下を含んだ人々の生活を描いた作品として新次元を切り開いたような、圧巻の普遍性とかけがえのない人生を巡る全てを詰め込んだ奇跡的な本作が、『君の名は。』くらい大ヒットしたとしても驚かないどころか、そりゃ当然と思うしかないほどに明確な傑作ぶり。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年11月12日
11.『シング・ストリート 未来へのうた』
『シング・ストリート』を観た。なんだかんだ言って“思春期版『はじまりのうた』”を予想してたというか、もうそれで充分最高でしょとすっかり思ってた。でもまさか、この深み、リアリティ、ガチさ。人生の悲しみと喜び、そのもの。青春映画の傑作。 https://t.co/01neCntEih
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年7月9日
家では毎晩のように両親が大声で喧嘩してて、音楽でそれを掻き消しても不安で眠れない。学校では高圧的な教師や不良に目をつけられがち。そしてそんなことは誰にも話せない。でもそんな毎日でも、心を奪われる大好きなことがある。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年7月9日
そんなあなたに『シング・ストリート』は親友になりたがっているよ。
『シング・ストリート』高校生が恋をしてバンド組んで、って単純な映画じゃない。会話の中で“Happy-sad” (悲しみの幸せ)がキーワードとして語られる。その時点で深みがあって、複雑でしょ。そしてだから、その複雑な人生のテーマに16歳の少年少女が真正面からトライしていく故に傑作。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年7月9日
『シング・ストリート』好きな女の子がふと言った“悲しみの幸せ”という言葉の意味がよく分からなくて兄貴に相談したら、これ聴いてそれを勉強しろと渡すのが、The Cureの『The Head on the Door』のアナログ盤で「In Between Days」が流れるの。泣いた。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年7月9日
『シング・ストリート』崩壊寸前の家庭に悲惨な学校、辛くて悲しい高校生活。そんな生活を、一目惚れで始まった恋と勢いで始めたバンド活動が変えていく。それは悲しみの中にいるからこそ出会えた喜び。悲しみを知っているから、何が大事で、幸せなのかも分かる。大人にも子供にも深く響く真摯な映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年7月9日
『シング・ストリート』“悲しみの幸せ”のくだりでCureが登場するの嬉しい。代表曲「Friday I'm in Love」があんなに心に刺さる理由。1週間のうち6日が散々でも、たった1日大好きなことがある日がやってくるなら、悲しい人生にも幸せを見出すことはできると示しているから。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年7月9日
半年ぶりの『シング・ストリート』ウサギ好き丸眼鏡の彼の良さね!バンドの音楽的中心だけど自分から仕切るタイプではなく大人しい、だけど彼らが何か取り掛かる時は絶対彼の「よし、やろう」をGOサインにしてる、精神的な支柱でもある感にキュンときた。ライブ終わりの主人公との抱擁はグッとくる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年12月30日
『シング・ストリート』海辺でのMV撮影の時、遂に彼女にキスした主人公とのやり取りが究極的に“少年と少女”で最高。「ごめん。」→「素敵だった。勇気あるのね。」から余計なたった一言で「台なし。」に変えてしまう、男子の普遍的どうしようもなさ描写と、そのダメさを認めてるような「台なし。」
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年12月30日
『シング・ストリート』サントラに収録されてるオリジナル曲の順番と、映画の中で曲が登場する順番が違っていることに気付く。あとサントラ聴き込んでから映画観直すと、イントロとかのインスト部分だけがフライングで登場する箇所も幾つかあって、高まれた。「Up」はやはり今年最高の曲に違いない。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年12月30日
『シング・ストリート』「“悲しみの喜び”を知ってね。愛とはそういうものよ。喜びと悲しみは一緒なの」って彼女が言ってたけどそれって何?兄貴→「彼女は精神的に大人だ。これ聴いて勉強しろ。これがハッピーサッドだ」Cureの『Head on the Door』を差し出す、は何度観ても涙。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年12月30日
10.『ビューティー・インサイド』
『ビューティー・インサイド』を観た。めちゃくちゃ好き。傑作とかそういうふうに言われるタイプの作品ではないと思うけど、自分に一番響くのはまさにこういうの。だって、もうリアルに切実に切なくて、胸が苦しくなれる。ファンタジーをさらりと超えて、繊細で美しい、情緒豊かなザ・恋愛映画。最高。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年1月24日
『ビューティー・インサイド』彼の気持ちも分かりすぎるし、彼女の気持ちも分かりすぎる。それはきっと本作を観た殆どの人が陥る、切なさであり、喜びであり、苦しさ。それほどに感情描写が本当に丁寧で繊細。全編に感情が浮かぶ。なのに、こんなに慎ましく、ひんやりと、穏やか。そこが本当に好み。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年1月24日
『ビューティー・インサイド』目覚める度に外見が変わってしまう彼が、密かに恋に落ちた彼女と知り合うためにイメケンのルックスになれる日を待って、やっとルックスを手に入れてデートできたら、今度はなんとか寝ないように徹夜を続けて、毎晩デートする一生懸命の日々の切なさと愛おしさはザ・最高。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年1月24日
『ビューティー・インサイド』目覚める度に外見が変わってしまう彼を123人の老若男女が演じていて、その中には日本から上野樹里がいて、劇中屈指のめちゃくちゃいいシーンすぎて心が震えた。2人の心の距離が一晩で一番近づいていく、ターニングポイントとなる夜のシーン。上野樹里がとんでもない。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年1月24日
今月は『フランス組曲』『ビューティー・インサイド』『知らない、ふたり』と3本も心に深く染み入る恋愛映画の新作を観れて嬉しい。その中でも『ビューティー・インサイド』は恋愛映画の王道をストレートに美しく邁進していて、その上でさらに丁寧にじっくり、近づきすれ違う恋愛心理を描き上げてる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年1月24日
『ビューティー・インサイド』構成が好き。片想いと普通の人のように思いを伝えられないのことのダブルの切なさ→恋愛の喜び、楽しさ、一生懸命な気持ち→楽しいだけでいるには近づきすぎて、心がすれ違いだした2人がそれぞれ迎える苦しさ、という風に構成からして恋愛そのものだから入り込んじゃう。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年1月24日
9.『イエスタデイ』
(2月に開催されたトーキョーノーザンライツフェスティバルの際は『ビートルズ』の題名で上映)
北欧映画祭『ビートルズ』、最高最高超最高ぉぉぉおおお〜!!!これはもう私的年間ベストでいいかもしれない。確かに傑作とか名作と形容されるタイプではないし、スカスカ気味に感じる人もいるのかもしれない。でも私はこういうのが死ぬほど好き。超最高の青春恋愛音楽映画。ときめきに満ち満ちてる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年2月6日
トーキョーノーザンライツフェスティバルで上映中のノルウェー青春恋愛映画『ビートルズ』、好きすぎて。感じたことを少し殴り書きメモ。とにかく共感しかない映画で、『あの頃ペニー・レインと』や『アクロス・ザ・ユニバース』より好きです。最高! pic.twitter.com/EtrckKaFc1
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年2月6日
『ビートルズ』転校生の高嶺の花的お嬢様に恋をしてしまいデートにこぎつけるんだけど、彼女が歌詞が魅力的と言うレナード・コーエンの良さがイマイチ分からなかったり、『ラバー・ソウル』は「ミッシェル」以外全曲好きと言ったら、「ミッシェル」が最高なのよ、って言われちゃうあたりもう堪んない!
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年2月6日
4人で初めて人のバンドセットを勝手に拝借して「I saw her standing there」をイントロから立ち上げていく高揚感、「Let it be」の使い方の美味さ、15歳4人で宿題してるふりして『Sgt. Pepper's』の封を開けて針を落とした時の興奮と衝撃感。最高!
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年2月6日
8.『彼らについて』
アンスティチュフランセ恋愛映画特集で『彼らについて』を観た。もおぉぉぉ最ッッッッ高だった!というかこれを劇場公開しないのですか。本当に最高の恋愛映画、恋愛感情というものを正しくリアルに描写したらこうなるしかない・なってほしいという、理想的表現の塊のような作品で、後半は昇天してた。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年5月14日
『彼らについて』アナイス・ドゥムースティエ演じるメロディの疾走ぶり、弁護士の仕事とその合間を縫って逢引く相手同士には秘密の2人の恋人(その2人の男女は恋人同士=究極の三角関係設定を超極限に活かし切った究極の三角関係映画)との突発ランデブーでいつも忙しく走り回ってるその圧倒的良さ。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年5月14日
『彼らについて』アナイス演じるバイセクシュアルの26歳の女の子が恋人(女)の恋人(男 女2人が付き合ってることは知らない)からも愛を寄せられる三角関係の中で、満たされない愛と孤独と秘密の関係に混乱しながら同時に毎日ハードな弁護士の仕事にも奮闘しまくるという最高の青春映画でもある。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年5月14日
『彼らについて』孤独な心に生きる活力を注ぎ込む恋愛も仕事も慌ただしく迫ってくる毎日でゆっくりする暇もなく気付けば生活全部がごちゃごちゃで、それでも命綱だけは離さないように大切なものだけはしっかり追いかけて毎日を疾走していく、26歳の生活。その中にある恋愛の描き方が本当にリアルで。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年5月14日
それでそんなぐちゃぐちゃに疾走するしかない毎日の中で出会う恋愛感情の描き方のズバ抜けた素晴らしさだけで満足できるのに、後半!!スゴイ次元まで到達してしまってる。本当に。最高の青春映画が最高の恋愛映画に移り変わっていく。『彼らについて』は『キャロル』と並んで個人的に今年最高の映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年5月14日
『彼らについて』でのアナイス・ドゥムースティエの魅力は『彼は秘密の女ともだち』や『バードピープル』や『カプリス』とはもはや次元が違うと言っていいほど突き抜けている印象を受けた。ある意味、その中では一番“普通の女の子”風のキャラクターだけど、とても生き生きとしていて艶っぽく魅力的。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年5月14日
『彼らについて』鑑賞前は“キレイだなー洒落てるなー”だけだったこのポスターも、もう作品を観てしまえばこれがどれだけ深いシーンから来ていたのかが分かって感慨深くなってしまう。86分の映画なのに、とんでもない深みまで連れて行ってくれる。 pic.twitter.com/9knxDh428Q
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年5月14日
『彼らについて』三角関係は言葉で超える・解消することができないと、ある瞬間に同時に悟り、それでもその苦しみのトライアングルを超えて解消する覚悟を決めた3人の強さ。だから、この作品は(広義での)“セックス”を新たな深みと強さ、知性で意味付け、表現することに成功していて、そこに感動。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年5月14日
恋愛映画特集の3本を続けて観て改めて感じたのは、恋愛映画とは(自分にとって一番)人間らしさ(と感じられるもの)を描くもの、そしてそういった作品の存在が人間らしさを許す(そしてそのことが逆説的に恋愛ほど罪深い作用はないと告ぐ)表現として在るように感じられること、だから私は惹かれる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年5月14日
7.『PK』
『pk』を観た。もうあまりに完璧。完全無欠すぎて圧巻。こんなに最高のバランスで全てを極めちゃう映画って存在するんだ?ってくらい、無敵。もうここまでやられちゃったら他のどれも敵わないのでは?ってくらい、どこをどう取っても非の打ち所がない!誰にでも薦められる映画、私的歴代ナンバー1。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年10月29日
『pk』世を圧巻した『きっと、うまくいく』に続く作品として、ホント完璧な更新を見せてるし、どんな期待をも見事に跳ね返す、恐ろしいほどのクオリティ。ハートフルなワクワク感に溢れた青春コメディとして、世界一ポップな宗教学入門として、ピュアでスウィートなラブストーリーとして全方位完璧。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年10月29日
『pk』世界に発信されるエンタメ作品にとって扱い難いテーマのはずの、宗教や神の存在に対する根本的再考を、これでもかと爽快感溢れるトキメキいっぱいのスウィートコメディの中で手を抜くことなく完遂してみせ、クライマックスではそのピークとラブコメとしてのピークを完璧に融合させる超見事さ。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年10月29日
ボリウッドブームが完全に世界一周した後の今年『pk』『プレーム兄貴、お城へ行く』という全世界圧巻の完璧クオリティのインド映画を観た時、よりいっそう豪華さを見せつける大勢でのダンスシーンに対して、あれでしか成し得ない観客をワイルドへと導く感情体験が明確に存在することを改めて感じた。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年10月29日
6.『こころに剣士を』
『こころに剣士を』めっっっちゃくちゃよかったあああぁぁぁ!!!まさか12月31日にここまでド級で良い映画に遭遇してしまうとは。年間ベスト10を当然のように揺らしてしまう完璧な傑作だった。感想は後で書くけど、おそらく誰が観ても心の深い部分で満足できる、本当に素晴らしい映画だと思う。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年12月31日
『こころに剣士を』題名やポスターからは“子供達がフェンシングを習う物語”の印象だけど、本作にとって競技映画の要素は極僅かな一面に過ぎない。第2次大戦後に秘密警察から隠れながら小さな田舎町の小学校教師に就いた元ドイツ軍人の青年と、生徒達・大人達との交流を描いた最高のヒューマン映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年12月31日
『こころに剣士を』戦後の田舎町で娯楽もなく、多くが親を失った生徒達と、小学教師の職を得たものの校長から邪険に扱われる元ドイツ軍人の青年。そんな、生きることに精一杯だけど無意識の内で孤独に耐えていた不揃いな双方が、彼の特技だったフェンシングを通じて信じる心と温もりを紡ぎ合っていく。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年12月31日
『こころに剣士を』本当に年の瀬に出てきた2016年ヒューマン映画のダークホースにして、極上の逸品だと思う。中盤までに3度くらい目頭が熱くなる瞬間があってそこまでは数えられたけど、後半はもうほとんどウルウルしっぱなしだった。こんなに優しくて、しっかり面白さもある、完璧映画は貴重。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年12月31日
『こころに剣士を』子供達はみんな健気で可愛いし、主人公の親友もホント泣けることするし、同僚との純愛も描かれるし、元ドイツ軍人として当時を生きた青年達がどんな生活を強いられたかも知れるし、なにより自分の命を懸けてでも子供達に希望を託す気持ちに変化していく主人公に心が澄む。最高映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年12月31日
『こころに剣士を』学校の教師と生徒達・学校関係者達の関係を中心に描いた、大人視点の学校映画・教師映画って、まだ自分の中であれが傑作と言える作品に出会えてなかったことに振り返って気付いたんだけど、なぜそんな振り返りをしたかというと、本作が私の中で紛れもなくそういう映画になったから。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年12月31日
5.『キャロル』
『キャロル』を観た。もう最ッッッッッッッッッ高だった!!!これだ、これだよ観たいのは、っていう、まさにそのものだった。最高の恋愛映画だと思う。この映画には主に3つの恋愛関係が描かれるんだけど、その対比によって、テレーズとキャロルの関係が理想的な恋愛関係だと思わせる。麗しの巧妙さ!
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年2月13日
『キャロル』旅行に行く直前のテレーズと彼氏のキレ気味のやり取りが象徴的で。彼氏は彼女がキャロルに惹かれるのを勝手に「一目惚れ」だと言い放つ。それに対してテレーズが「彼女とは話が合うから好きなだけよ」ともういい加減にしてよアティチュードで吐き捨てる。本作はこういう“差”で溢れてる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年2月13日
『キャロル』感想メモ殴り書き。本当に本当に堪らない映画で。も〜〜〜語りたいことがありすぎる。もう、同性の恋愛映画とかそういう狭いところにある作品ではなくて、ただひたすらに理想的な恋愛の在り方を提案してるようで。凛々しいほどに。名作。 pic.twitter.com/2u44o7iRHl
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年2月13日
『キャロル』もそうだけど、人とは異なった、自分の幸せを分かっていて、それを守っていくには、力強い、ある種の逃避行を続けていく勇気と覚悟が必要で。それは戦いでもある。一方的な矯正を課そうとしてくる世の中との。そのためには知性と勇気が両方必要で、幸せな経験がそれを育ててくれると思う。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年3月5日
『キャロル』が恋愛物語として力強いのは、幸せとか人生の在り方をパートナーや世の風潮から押し付けられようとされている2人がいて、そういう辛さを知ってる者同士が出会った時に、2人の中でまたそれを繰り返すことなく、それぞれが変わらないで一緒にいられる関係の上に恋愛を描いているところ。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年3月5日
4.『ハッピーアワー』
『ハッピーアワー』を観た。 5時間超の作品にだいぶ身構えていたけれど、なんて親しみ易さと表現の豊かさと物語の面白さを完璧に兼ね備えた作品なんだと!気付いたら第2部が終わる頃には作品の世界観がすっかり大好きになっていて、第3部で終わってしまうのが寂しくて観るのが勿体無く感じたほど!
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年12月11日
『ハッピーアワー』人間の性格や行動は誰もが多角的かつ多層的で、それを主要キャラクター4人に止まらず、その周囲のキャラまでも丁寧に豊潤に描写しながら、その交じり合いによって進行する物語も明確に描いていくという、ザ・理想的な映画。5時間超という尺はその結果でしかなく、長さは感じない。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年12月11日
『ハッピーアワー』尺に対する肌感覚以上に驚きだったのは、とにかくこんなにも優しい映画であったこと。勿論、登場人物達に苦悩や悲しみをもたらす出来事も登場する。だけどそんな時ですら、ひと時の悲劇そのものよりも、それを理解し乗り越えようとする人間達の思考や感情を、穏やかに見守っている。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年12月11日
『ハッピーアワー』を観て思ったのは、映画の中の登場人物を好きになる嫌いになるの基準は、そのキャラ自身の性格や行動じゃなくて、それをカメラがどのように写し納めているか、作品そのものが人物描写をどのように捉えて成り立っているか、だということ。本作は登場人物達をどんどん好きになる映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年12月11日
『ハッピーアワー』結婚とは何なのか、友達とは何なのか、人が誰かと生活を共にするとはどういうことか、個人の尊厳とは何なのか、そういう私達の生活に染み付いて当たり前になっている親しみ易いテーマについて、そのどれもをないがしろにせず、様々な在り方を描き、違いを語り合う。最高値のリアル。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年12月11日
『ハッピーアワー』本当は親しい誰かと一番語り合いたいテーマだけど、その結果返り血の浴び合いになりそうだからスルーしてるテーマ達。そんな美味しい話題達が、親しみ易い登場人物達によって全編に渡り心地よいトーンとテンポで語られる。そして夢中になれる物語がある。今一番誰かに薦めたい映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年12月11日
3.『ブルックリン』
うおおおおぉぉぉぉ『ブルックリン』最高すぎたああぁぁぁぁ!!!最高最高最高!!!ここまで甘いセンチメントで一寸の隙もなく埋め尽くされる映画体験はかつてない程。葛藤さえ甘美な純情へと昇華してしまう。現時点で今年最高の映画。これから『シング・ストリート』まで観たらおかしくなってしまう
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年7月9日
『ブルックリン』を観た。本当に最高の映画。信じ難いほどに、最初のシーンから究極のラストシーンまで、すべての瞬間がクライマックスのごとき濃密にして甘美なドラマ。主人公の彼女の感情の機微を余すことなく繊細に丁寧に、常に全面いっぱいに染み渡らせることで、ひたすら全編にわたって瑞々しい。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年7月9日
2.『私の少女時代 - OUR TIMES - 』
『私の少女時代 Our Times』を観た。ホントに最高最高最高だった!!!「近年よく目にするアジア青春恋愛映画の系譜ね」では絶対見過ごせない、圧倒的桁違いの素晴らしさ。心から面白く、心からキュンとして、心から切ない。生涯ベスト級。 pic.twitter.com/dXoEdCoZRt
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年7月23日
『私の少女時代』はね、ホントにヤバすぎますよ。だってねぇ、これはこれは、ホントにスゴい密度。全部やってる、最強最高の青春恋愛映画に必要な要素を。たった1本の中に全部入れちゃってる。無理なく。いや〜〜奇跡的な存在だと思う。他の映画の記憶は消えたとしても本作だけは死ぬまで持ってたい。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年7月23日
『私の少女時代』の、この映画というよりはドラマのDVDみたいな、垢抜けていないポスター。でも。実際作品を観てしまった今。もうこの絵を見るだけで、一瞬で頭の中があの甘美さと切なさの臨界点的感情で埋め尽くされる。叫びたい程最高のシーン。 pic.twitter.com/H6vImUv50X
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年7月23日
『私の少女時代』男子ウケとは一切無縁で生きてきたドルオタの主人公が、不良リーダーのイケメンと訳ありの友達としてデートを重ねるうち、彼が好きな日本芸能人みたく可愛くなろうとnonnoで勉強したりして一気に垢抜けていくの超キュンとした。 pic.twitter.com/os9acHNCCa
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年7月23日
不良だった彼もまた、純粋でまっすぐな主人公に感化されて、真面目な本来の姿へ変わっていく様子がとても良い。2人とも友達としての交流(の中にお互いが隠してる恋心)を通して、作中で大きく変化していく。それなのにそれなのに…っていうガチ切なさにその後で繋がっていってホント最高の恋愛映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年7月23日
『私の少女時代』も『ブルックリン』もメイクアップ&ドレスアップ映画として本当に大好き。やっぱり元が美女だったりイケメンじゃなかったとしても、むしろないからこそ、メイクやファッションで一気に変われる。仮にその恋愛は失恋で終わったとしても、見違えたルックスは残るからプラスになる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年7月23日
『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』 を観た。最高だった!!!もう私的2016年のベスト映画、これだわ。今年の映画だと『ビューティー・インサイド』と双璧をなすような、ファンタジー要素と王道恋愛映画の超絶妙な引き立て合い。期待値を遥かに越えてきた。優しくて甘美な情緒に満ちている。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年12月25日
『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』 ひたすら甘い王道の青春恋愛映画が展開される前半は和んだけど、ファンタジー要素が明かされた後半は恋愛映画として一気に巻き返すばかりか、前半の描写そのものも同様に魅力的なものとして新たに意義付けられていく。そこに全力をかけていて大成功している。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年12月25日
『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』男の子のルックが、彼女と出会って以降じわじわどんどんカッコよくなっていくのが良かった。小松菜奈は当然のように完璧なミューズだった。率直に言ってこの映画は小松菜奈映画だと思う。男性は全くもって女性には敵わないことを象徴する圧倒的な存在感だった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年12月25日
『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』感動させようとすれば幾らでも過剰演出が許されるような設定だと思うけど、そこはあくまで2人の気持ちや考えに誠実に寄り添うような、映画としての過剰演出は控えた、爽やかなカットによるエレガントな佇まいがすごく良かった。情緒が淡く浮かび出てくる映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年12月25日
『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』年も終わりになってここまで好きなタイプの映画を観られて本当に嬉しかった。ファンタジー要素といっても斬新さではなく、古の数多の素晴らしい恋愛映画にあったような、王道の切なさを注ぎかける安定感。それを贅沢な喜びと感じさせる、豊潤な映画体験だった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年12月25日
『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』とか『ビューティー・インサイド』とか『シング・ストリート』は、あまり自信のない引き気味の男子が、綺麗すぎる高嶺の花的女子を好きになってしまった時に、努力とは思わない努力で自然と垢抜けていくんだけど、そのさりげない描写の良さの時点で私は贔屓目。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年12月25日
ということで、2016年の個人的なベストシネマは年の瀬12月に公開された『ぼくは明日、昨日のきみとデートする 』になりました。
とりあえず、上記の感想を書いた後、これはやっぱり今年最高の映画、更新されちゃったんじゃないかと思わずにはいられなくなった後、その感覚が勢いじゃないことを確かめるため、もとい、あの優しく甘美な空気感と澄んだ切なさに触れるため、もとい、圧倒的に完璧な小松菜奈さんをまた眺めるために(笑)もう一度観に行ってますから。
それで、やっぱり1位にしようと決めました。
いや、設定が設定なだけに2回目の鑑賞もそれはそれで最高な映画でしたね。
そしてやっぱり小松菜奈さん映画であることは間違いないと思った。それは例えば『キャロル』は、キャロルをケイト・ブランシェットが演じ、テレーズをルーニー・マーラが演じたからこそ、あれほど素晴らしい映画になってることや、『ローマの休日』はヒロインを演じているのがオードリー・ヘプバーンだからこそ『ローマの休日』であることと同じことのように感じています。
でもやっぱりそこまでキャラクターや役者を引き立てる映画としても絶品なんですよね。
三木孝浩監督の旧作に、同じくベストセラー恋愛青春小説を映画化した『陽だまりの彼女』がありましたが、あの時の手腕(前半、ひたすら甘ピュアなラブストーリー、後半、ファンタジー要素が明かされてグッと切なくなる。そんな、あざといはずの原作をやけにヤらしくなく、垢抜けた洗練の映像術で説得力のある映画にしてしまう)を彷彿させつつも、さらにシックになった印象で、むしろクラシックな恋愛映画を観ているような気分になるほどでした。
とにかく好きです。
今年も映画をたくさん観ることが出来て、純粋によかったです。
いつもまでも出来ることではないかもしれないけど、映画をいっぱい観られる日々を大切に、楽しみたいです。
来年も年末にたくさんの鑑賞履歴の中からベストを選べるくらい、悠々と趣味を楽しめますように。
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・2016年の私的ベストアルバム25選
・2016年上半期の私的ベストシネマ25選
今回の60選ではやむを得ず選外になってしまった『教授のおかしな妄想殺人』『スポットライト 世紀のスクープ』『メン & チキン』『好きにならずにいられない』『女の子が好き』も含めて感想をまとめてあります。