2016年上半期の私的ベストシネマ 25選
私が2016年上半期に観た映画の中で、特に印象深かった作品・特に好きになった作品についての感想のまとめです。
この上半期に私が映画館で鑑賞した作品の中から、超私的な感覚で1位から25位までを勝手に選びました。
なお、基本的に日本での公開が2016年1月~6月の作品を基準に選出しましたが、中にはそうでないものもあるかもしれません。
『友だちのパパが好き』は去年の12月19日公開ですが、年明けに鑑賞したため入れました。また、6月公開作品の幾つかは7月に入ってから観ましたので、鑑賞日が7月になっているものがあります。そのあたりはご容赦ください。
それでは、私的25位から。
25.『女の子が好き』
アンスティチュフランセ恋愛映画特集で『女の子が好き』を観た。まずこのタイトルだとなんだか甘めなムードを感じ取れるけど、実の中身は全然違って。そして『女の子が好き』というよりは断然「君が好き」というタイトルの方がしっくり来るような、1人の女の子に狂おしいほど夢中になる男子の物語。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) May 14, 2016
『女の子が好き』は『あの頃エッフェル塔の下で』にとても近い印象。家庭の身分の異なる18歳の男女が痛々しいほど不器用に、体当たりで恋愛をして傷ついていく。ただこの映画に独自の深みをもたらしているのは、第2の女の子が出てくるところ。終盤は彼女の独擅場といってもいいほど作品を左右する。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年5月14日
『女の子が好き』第二の女の子(もうめっちゃ可愛い。ヒロインも可愛いけど、もっとスゴイ、完璧)の扱われ方や遥かにヒロイン以上の所謂“女っぽさ”を考えた時に、中身と合っていないように思えるこのタイトルも、別の意味を示唆した深いものに感じられる気も。破滅的な青春恋愛映画ではあるものの。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年5月14日
『女の子が好き』ルー・ド・ラージュとオドレイ・バスティアンの間で板挟みになる時点で、もうこれは“女の子が好き”と言うしか他ない美少女映画なのかもしれない。甘やかさとは無縁の、切実で痛い内容だけど。ルー・ド・ラージュは今年のイタリア映画祭で上映された『待つ女たち』でも主役をしてる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) May 14, 2016
24.『好きにならずにいられない』
『好きにならずにいられない』を観た。邦題も日本版ポスターも実際の内容からするとお調子に乗りすぎだと感じざるを得ない程、全然甘くない、シリアスな純愛映画。その愛は本当に重い。初恋にしてはちょっと重荷すぎるでしょぉぉ、でも何1つ文句垂らさずにそれをしっかり受け止めて進む主人公偉すぎ。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) July 3, 2016
『好きにならずにいられない』この邦題やポスターの印象で入ると、序盤は主人公が本当に物足りなくて。恋愛要素、全然見当たりもしないから。でも後半にその見方が完全に覆っていく。この人は最高の彼氏だって感動する。でも彼自身は最初からそういう性格で、つまり長く一緒にいて真に魅力が見える人。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) July 3, 2016
『好きにならずにいられない』普段調子のいい恋愛映画ばかり観たり、恋愛脳だったりする人にとって、静かな映画だけど、破格の衝撃がある。ショック療法になる。序盤、こんなつまらない男性は恋人としてはNGだと思ってた。だけど後半こんな最高の彼氏がいるのかと感動した。人を見る目を喪失してる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) July 3, 2016
『好きにならずにいられない』まさかこんな男前の主人公に出会える映画だとは思ってもみなかった。性格最悪な私は正直観る前から少し馬鹿にしてたけど、はっきり言って自分には何1つ勝てるものがない。こういうことか。愛とは。気付けば倫理観も道徳観も失くした私にとって、まさかの出会いだった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年7月3日
『好きにならずにいられない』まさかの今年最高の純愛映画なのかもしれない。すっかり『キャロル』に酔いしれていた自分にとって、色気は恋愛に絶対不可欠な要素だと疑いもしなかった自分にとって、これほど真摯に何かを訴えられる映画もなかったと思う。愛と色気は違った。色々考え直そうやり直そう。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年7月3日
『好きにならずにいられない』は本当にひっそりとしたムードで綴られる大人しい作品だけど、どんな迫力のあるド派手な大作よりも、強くて誠実な説得力がある。泣けるような感動よりも、ずっと意義深い心に残る反芻と反省がある。彼は本当に素晴らしい。ああはなれない。良い人ってああいう人のことだ。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年7月3日
23.『メン&チキン』
『メン&チキン』を観た。父親の遺言で産みの親は別にいることを知った異母兄弟2人が、親探しの途上で出会ったのはさらに3人の異母兄弟。3人の社会とは隔離された破天荒な生活のインパクトで観応えのあるヒューマン映画として入ってくるんだけど、終盤本格ミステリとしての正体を表したときの感嘆。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年2月6日
『メン&チキン』物語の内容や演出などは自分の好みと全然違ったけど、終わった時に“これは観てよかった!”と思えたのは、映画全体に仕組まれていた奥深い無数の伏線(タイトルも含めて、何から何までもが見事な伏線だった)を最後に一瞬にしてドッサリ回収してみせるミステリ的構造の華麗さに依る。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) February 7, 2016
『メン&チキン』異母兄弟たちの生活や行動には不可抗力的な理由の存在も伺える一方で、やっぱり普通に観ていて相容れない部分というか退廃的で野蛮だなーと終始感じていて、それがこの映画に対して摑み所のない印象を与え続けてたけど、それを最後あんなにきっちり完璧に納得させてみせる、その構成。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年2月7日
22.『スポットライト 世紀のスクープ』
『スポットライト』を観た。堅実なお仕事映画として幾分既視感を覚えたけど、シャツスタイルでキリッと決めたオフィスカジュアルが理想的にはまってる本作のレイチェル・マクアダムスのコーデを、自分が女性だったら月曜からパクっていったんだろうなと思わせる実用性の高い平日着こなしカレンダ映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) April 23, 2016
『スポットライト』常にテンポがよくて途中でダレたりしないけど、逆に予想以上にエンタテインメントには寄り付かず、変に過剰な描き方はしていない、ストイックでサバサバした作品。その冷静さの中で人物・出来事それぞれの情熱や感情が描かれていくけれど、映画そのものはその熱とは一線を引いてる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) April 23, 2016
画面の中で描かれる人々がどんなに感情的に揺れ動いたり、感情の波が渦巻く作品でも、映画そのものは強い感情を持っていないように感じる作品がある。冷静に捉えようとし続ける作品。色付けはしない作品。『スポットライト』は典型的。画面の人々は熱が蠢いてるのに、作品自体は冷たい、落ち着いてる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) April 23, 2016
21.『教授のおかしな妄想殺人』
『教授のおかしな妄想殺人』を観た。終始非常に軽やかに流れていくものの、おふげさゼロの真面目なウディ・アレン作。邦題はふにゃふにゃほんわかした印象を与えるけど、実際はもっと明確で、筋の通った、しっかりした作品。それを肩の力を抜いたリラックスした風情でさらっとやってる。シックな遊戯。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) July 2, 2016
『教授のおかしな妄想殺人』エマ・ストーンは前作よりずっと魅力的だと思う。というか自分が女子なら本作のエマのメイクを絶対参考にしたいと思ったろうなーと感じた。目が大きくはっきりと見えるアイメイクに、細身の眉もすごく合ってる、チークののせ方も自然な可愛さで顔全体が本当に綺麗に見える。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) July 2, 2016
『教授のおかしな妄想殺人』実際の作品で描かれる殺人は妄想でもなんでもないという変な邦題。そういう意味で終始一定の理に通った分かり易い作品。ウディ映画によく見られる独特のシュールさもかなり控え目。中年男の精神危機とそこからの挽回を本人と女学生の2人の視点からさらり淡々と描いていく。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) July 2, 2016
『教授のおかしな妄想殺人』テーマは重いけど、語り口もムードもテンポもひたすら軽めなところがリラックスして観れていい。そういう意味で代表的なシリアスモードのアレン作品ともまた違った印象。明るいのと暗いのとのちょうど中間あたり。アレン作品にお馴染みな辛辣な視線もなくて、むしろ優しい。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) July 2, 2016
『教授のおかしな妄想殺人』生きる希望=生きる目的が、偶然社会のモラルとは逆行するものになってしまったら、っていうのが、基本的に本人の主観をベースに描かれる。罪悪感って何か、について一定の気づきのある映画かも。この主人公はそれをぜんぜん感じてないわけで、それは何故か?って考えると。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) July 2, 2016
20.『蜜のあわれ』
『蜜のあわれ』を観た。世界一魅力的で逆らえず、一番強い希望のかたまりのような概念「コケティッシュ」。それをこれでもかと極め尽くしている本作の二階堂ふみは、全男性にとって紛れもなくミューズと小悪魔の臨界点、つまるところ最高の女のコであり、要はもう観るだけでそこに幸福が広がっている。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年4月2日
『蜜のあわれ』4つの章立てを取る本作は、パートによってムードが相当異なっている。1章のひたすら二階堂ふみコケティッシュ全開なずっきゅん映画、2章のキューティーでビターなラブコメまではただただ幸せな心地でうっとりしていればいいけど、爺さんが物語の中心になる後半は予想外の重さ苦しさ。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) April 2, 2016
『蜜のあわれ』最後の第4章は、前半のキュンキュンするコケティッシュさはどこへやら、最期を前にあがきまくる爺さんの苦しみの暴走があまりに痛々しく、観ていて辛い。それでも最後に舞い降りたミューズの笑顔と御姿だけでもう全部救われた気持ちになれるから、とにかくこれは二階堂ふみ最強映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) April 2, 2016
『蜜のあわれ』男を落とし得る女子の艶可愛さとは何かを限界値まで体現した、コケティッシュの教科書映画。ここでの二階堂ふみの声、仕草、立ち振る舞いすべては一瞬の例外なく、魅力的で男を骨抜きにするもの。メイクシーンを経た第1章と第2章における彼女の明確な違いも楽しい、究極の女の子映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年4月2日
『蜜のあわれ』飼ってた金魚がコケティッシュな少女になって懐いてくるっていうと男を喜ばせるための魅力、さらにはそういう映画かと思われるかもしれないけど、実際はそこが真逆だから観ていてとても楽しい。女の子の苦しさや痛みや悲しみを力強く、しかもキュートに描いていて、そこが本当に魅力的。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年4月2日
『蜜のあわれ』「男はいつも、男だけが四六時中女のことばかり考えてると思ってるの、何なの!女だって、朝起きてお化粧するとき、お散歩をしてるとき、食事をしてるとき…いっつも男のことばかり考えるのに!!」とか愚痴り合いながら、金魚と幽霊の美女2人が畳の上をゴロゴロ転がってるシーン最高。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年4月2日
19.『帰ってきたヒトラー』
『帰ってきたヒトラー』を観た。まったく飽きさせることなく楽しませてくれる。実はブラックコメディっていうほど風刺的ではなく、馬鹿っぽい展開に沢山笑える明るいコメディ映画。ヒトラー以外の描写も基本的にウケ狙いで、軽い。エンディングが肩透かし感あるけど、十分面白かった。ドイツ映画好き。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年7月2日
ドイツのモダンなコメディ映画、画の撮り方が透明感あって綺麗だし面白いことが多いので、とりあえず本国で大大大ヒット作の最高青春映画『ゲーテなんてクソくらえ』の続編を日本でも公開してください。前作、めちゃくちゃ好きでした。よろしくお願いします。『帰ってきたヒトラー』もよかったです。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) July 2, 2016
『帰ってきたヒトラー』現代でも再び人々の心を掌握しつつあるヒトラーが「1930年代当時も私はドイツ国民を扇動したわけではない。私は誰よりも明確で具体的な政策を示しただけだ。そしたら国民の方から私を選んだのだ」っていうような台詞があって、それさえ方便としても流石の説得力だと思った。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年7月2日
『帰ってきたヒトラー』基本的には馬鹿ノリで楽しませてくれる映画だけど、その一方でヒトラーの人心掌握術・演説術についての研究を上手く具現化していて、彼が破格の才能とアイデアと知性の持ち主だったことを分かり易く伝えてくれる。今日から実践できそうな(悪)知恵を沢山お持ち帰りできる映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) July 2, 2016
『帰ってきたヒトラー』この題材にして政治モノではなくネット経由モノでもなく、あえて今の時代にTV局モノにしていたのも面白かった。コンテンツとして人の心を掴むとは何なのかという何万回も繰り返されてきた議論に、ヒトラーを投入した点が大胆で面白い。ヒトラーは一種の歴史上のコンテンツと。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) July 2, 2016
ヒトラーの演説じゃないけど、未来のイメージをちらっとほのめかして想像させるって、人の心を掴む上でとても大きい。この人と居たら楽しそうとか、苦しい時に優しくフォローしてくれそうとか、相手が後で想像してくれそうな、想像の種を普段の何気ない会話とか行動の中に植えてくことは身近な処世術。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) July 2, 2016
18.『カプリス』
アンスティチュフランセ恋愛映画特集『カプリス』を観た。出演してる映画や舞台は全部観てるほど大ファンの女優さんと知り合いになれたばかりかあれよあれよで恋人同士にもなれた、にもかかわらずめっちゃ押しの強い若い娘にも同時に好かれてしまい、そう全てが上手くはいかない男性教師の物語を描く。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年5月14日
『カプリス』ある意味で男の夢叶いすぎ物語だけどその中で、どんな夢展開にも完璧な幸せなどないという現実を描く。そんな物語以上に魅力的なのが作品のムード。オープニングからずっと流れっぱなしの軽やかなジャズに乗せ、優柔不断男の不器用な恋が軽快に描かれていく姿はフレンチなウディ・アレン。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) May 14, 2016
『カプリス』ウディ・アレン作品の、ここぞというところまでは(洒落たジャズの旋律と共に)とにかく軽快にさらりさらりと流れるようなテンポで展開を進めていくノリが好きなら、間違いなく本作もドンピシャ。重さも空気の淀みも全くなく、さら〜さら〜と楽しくも少し間抜けなシーンが流れていく幸福。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年5月14日
『カプリス』序盤からすごく幸福感を感じた。物語云々以前に作品のムードがそう感じさせる。“そうそうこういう映画が観たいの!”っていう空気感そのもので。そしてそんなムードをオープニングから一瞬で代弁しちゃうジャズの音色の素晴らしさ。軽やかですっきりしていてロマンスを描く。なんて素敵。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年5月14日
『カプリス』は主人公の自分ぽさも究極的にハマった。自分が同じ状況に置かれたら絶対そうなるっていうシーンばかりで苦笑できた。優柔不断というより、きっと波風を立てられない性格で、分かる分かるよでも他にどうしろと?感に心が溢れて、情けなさよりもシンパシーしか感じなかった。これは分かる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) May 14, 2016
17.『クーパー家の晩餐会』
『クーパー家の晩餐会』を観た。まさに大家族をフィールドにした『ラブ・アクチュアリー』。夫婦関係、恋愛関係、姉妹関係、親子関係で個々に悩みを抱える老若男女の一家がクリスマスに集うことで、それぞれが同時進行で拗らせ合いながらも、雨降って地固まるまでをジェントルなユーモアで温かく描く。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年2月21日
『クーパー家の晩餐会』始まって1秒で良い映画だと思い込めてしまった。だって、映画が始まった瞬間から流れ出すオープニング曲がフリート・フォクシーズの「WWH」なんだもの。ボブ・ディランの使い方も素晴らしくて、ディランがこんなにロマンチックでカジュアルに聴こえるなんて実に新鮮だった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) February 21, 2016
16.『無伴奏』
『無伴奏』を観た。想像とは完全に別次元の、桁違いの良さだった。舐めていてすみませんでした。本当に、王道の王道の青春恋愛映画。そのど真ん中を、ベタとか定型とかに陥らない、強さと確信を持った邁進さで描いていく、完全な観応えを持った本物の作品。申し分ないクオリティ、大充実作だと思う。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) March 26, 2016
『無伴奏』1969年〜71年の仙台を舞台にした物語だけど、半ば覚悟してた時代感=古くささといったものは微塵も感じない。こういう時代設定の青春映画にありがちなノスタルジーはまったくない。ひたすら、今の一瞬一瞬を、見逃すまいと追い続けたような2時間。今最前線で響く普遍性に貫かれてる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) March 26, 2016
『無伴奏』劇中で交互するように随所で流れるクラシック音楽とジャズのビバップのコントラストが、18歳の彷徨える情熱と脱力の表出に抜群の効果をを発揮している。音楽、衣装、カメラ、様々な要素が本当にセンスの良い映画。感情豊かな文学性を生き生きと描き続けることに成功してる。幸福な2時間。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年3月26日
『無伴奏』今年の邦画で1番好きになりそうな強い予感。青春恋愛映画として、人生で一番揺れ動く時期の少女少年の心模様を前面で絶えず描きながらも、登場人物達の感情にベッタリではなく、側からそっと見つめてるような距離感で追い続けているところがとても好き。一番心地よく夢中になれる観応え感。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) March 26, 2016
『無伴奏』映画として、物語の追い方、作り上げ方が本当に素晴らしい作品で、フランスの青春恋愛映画みたいだと感じた。そこがしっかりしてると、それだけでもう既に観応え直結なので、物語の行方のディテールとか結末だとかは、もうそれほど重要に感じなくなる。それは良い映画の条件の1つだと思う。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) March 26, 2016
『無伴奏』の終盤で、主人公の19歳の女の子が2年間家族と離れて自由に暮らした仙台の叔母の家からいよいよ東京に戻っていく場面でカメラが彼女の歩みに合わせて突如ふらふらし出すとこに、『イーダ』の最後で主人公の同じ年くらいの女の子が修道院に戻る場面で同じくカメラが揺れまくるのを思った。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) March 26, 2016
『無伴奏』で1969年の女子高生達が「ミック・ジャガーは中年になっても格好いいと思うの」と話してるんだけど、中年どころか72歳になっても未踏の国に出陣しては1日に50万人も殺到させ、当時の最新ヒット「ジャンピン・ジャック」を当然の如く1曲目からキメてる2016年の方が現実とはね。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) March 26, 2016
15.『リップヴァンウィンクルの花嫁』
『リップヴァンウィンクルの花嫁』を観た。まず、3時間という尺をまったく飽きさせずどころか、中だるみも一切せず、絶えずすべての瞬間で惹き付け切っていることの、凄さ、偉大さ。もう、それだけだってどれだけ素晴らしいことかということ。で、この内容。劇場鑑賞スルーしなくてよかった、これは。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) April 4, 2016
『リップヴァンウィンクルの花嫁』3時間もの長尺を3時間に感じさせない映画。観客の時間感覚を奪える力を持った作品とは、観客をどこか別の世界・作品世界に完全に引き込んだままにできる作品。ナチュラルな設定の人間ドラマでその次元に到達した表現力は本当に圧巻。確かにぶっ飛ばされたよ彼方に。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) April 4, 2016
『リップヴァンウィンクルの花嫁』こう来ますかー!!っていう映画だった。だった、っていうのは、もう観てる最中も完全にそんな衝撃を受け続けてるはずなのに、あまりに夢中にさせる力を持った映画なので、驚いてる暇もない、というか、その瞬間すら勿体ない。今、完全に想定外、期待爆超。凄かった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) April 4, 2016
『リップヴァンウィンクルの花嫁』様々なメディアで流れてる紹介のあらすじは本当に序章の序章にすぎなくて、蓋を開けてみれば壮大な奥行きの向こうに吸い込まれる。見方によっては、というか、事実そうとう黒いお話。だけどそれを光に変える黒木華でありCoccoでありこの映画のアイデンティティ。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) April 4, 2016
『リップヴァンウィンクルの花嫁』黒木華の存在感や画面の色彩で一見繊細なイメージを与えつつも、実のところは繊細さではなく、思いっきり徹底して力技で押し切った映画。ここまでやり切ってると、平伏すのみ。優雅で荘厳なはずのストリングスさえバッキバキに聞こえるほどの力技絵巻ではあるけれど。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) April 4, 2016
『リップヴァンウィンクルの花嫁』随所で詩的な無声カットを差し込みつつも、基本的に息つく暇を与えず3時間ノンストップで走り続けるパワフルな力技映画。タイトルの意味に気付いた時はハッとしたけど、意図どうこう結末どうこうよりも、連なっていく様が圧巻であり魅力的。そういう意味で最強映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) April 4, 2016
14.『知らない、ふたり』
『知らない、ふたり』を観た。大きな期待を見事に満たしてくれた。そういう意味では私的に完璧。『サッドティー』が好きな人なら間違いないのでは。本作には『サッドティー』を貫いていたほんのりアイロニーを滲ませた可笑しさはない。本当に優しくて、優しくあることに真摯。そういう美しい可笑しさ。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) January 9, 2016
『知らない、ふたり』本当に優しい。恋愛を通した“優しさ”についての映画。ここでは“好き”=相手にとっての幸せを見つめる(=考える)、そういう空気を常に保って物語が循環する。“優しい恋愛”、それを絵に描いたお餅ではなくて、ちゃんとリアルの中から捉え出してる。観ると心が洗われちゃう。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) January 9, 2016
『知らない、ふたり』まず恋愛群像劇としてバッチリ王道の安定感、ほんわか可笑しくも見事な集約に向けた楽しい見せ方。そしてその循環とは一線を画す本当にガチな最高恋愛映画を突きつける木南・芹澤ペア、さらに人生を呪う深い心の傷への癒しと克服と、3つの側面が贅沢に互いを引き立て合っている。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) January 9, 2016
『知らない、ふたり』優しげでシャイで多くは声に出さない青柳・NU'EST周辺のやわらか胸キュン群像劇と、それよりは世代が上で理想と現実の間で信頼関係を継続していくにはお互いの考えを言葉にし合い痛み合う覚悟が不可避と悟ってる木南・芹澤の大人の純愛劇、その2つの対比とバランスが絶妙。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) January 9, 2016
『知らない、ふたり』木南晴夏さんの迫真にエモーショナルな演技はスクリーンを突き抜けて本当に心に来るし、後半のレオンのエピソードは恋愛よりもっと強くて深い人間的な部分に触れられたような、ひらめきと爽快感がある。若々しく可愛らしい恋愛群像劇を幹としながらも、観応えはとても豊かで深い。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) January 9, 2016
『知らない、ふたり』序盤で韓国出身の好青年が初々しい日本語で綴ったラブレターで「あなた(青柳文子さん演じる小風)が“あにょはせよ”と言って微笑んだ時、あなたを好きになりました」と告った時の私→わかりすぎる!!良い映画なの決定した!!!(ホントにあの“あにょはせよ〜”はガチ可愛!)
— SunCityGarden (@SunCityGarden) January 9, 2016
そんなとても可愛い“あにょはせよ”も観られる完璧な予告編。本当にすぐにもう一回観たくなる映画だった。“いいひとしか出てこない映画”とかいう言葉、よく見たりするけど、この映画ほどそれがすんなり当てはまる作品には出会ったことがないかも。 https://t.co/f3EuU0jJes
— SunCityGarden (@SunCityGarden) January 9, 2016
『知らない、ふたり』4月の20日間くらいを日毎に連日描き連ねていく構成なので、春の着こなしカレンダーとしても楽しく観ている自分がいて、あげく今年の春アウターは白のロング丈もいいかもという考えが一瞬頭をよぎったが、絶世の美男子が着てるから綺麗に映えるのだと当然気付いてはいるのです。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) January 9, 2016
『知らない、ふたり』「好き」って誰かに言うこと、知られてしまうことは、“好き”でいることの責任やそれ故の限界を引き受けてしまうことでもある。心の中で思ってるだけだったら、どれだけ好きになってもいいし、どんな行動もできる。「好き」が知られていない故の“好き”がリアルに描かれた映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) January 9, 2016
13.『二重生活』
『二重生活』観た。すごく良かった。とても好き。幾つかの力の入ったシーンで特別に惹きつけていくような魅せ方とは対極の、全ての積み重ねでこそ成り立っていく魅力。静かでひっそりとした熱が絶え間なく徐々に積み重なり続けていく、故に進めば進むほど作品の豊潤さがどんどん増して良くなり続ける。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) June 29, 2016
『二重生活』世界も世間も、この一生も、それらについて抱く疑問の全ては半永久的に謎のままで、少なくとも自分が死ぬことのほうが先にくる。すっきり解決することなど何一つないし、起きない。だけど「書く」こと。それだけは、それらに対する「答え」になるのかも、行動そのものが。そう感じさせた。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) June 29, 2016
『二重生活』彼女が必死で自分のために書こうとする姿。書くということは、残すということ。自分の考動を残す。だから、尾行の記録は、極めて書くことの本質を浮かび上がらせる。今ここにいるという証明。正しくても間違っていても、認められても許されなくても、ここにいることを記す。それがすべて。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) June 29, 2016
『二重生活』1人の人物としては異様なほど多様な話し方や声色のバリエーションを仕込まれた主人公を体現する門脇麦のリアリティ。怖い。だけど、怖いも何も実際 人ってあんな感じなんだと思う。コレという1つの性格があるわけではなくて、誰に向けた人格をセットしてるかで性格なんて一瞬で変わる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) June 29, 2016
『二重生活』失恋の描き方が好き。カップラーメンのシーンとか、なんか自然とつられて泣きそうになったし。恋愛とか友情とかいうけど、結局は自分のことを知っていてくれてる存在なのかなと思った。その場のテキトーな演技だけで自分なんて出さずにやっていけちゃう人こそ、逆にそういう存在が超特別。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) June 29, 2016
人の性格について本当のことなんてどうでもいいんだと思う。本当は本当も何もない。自分は性格激黒だけど好きな人から「優しい」って言われたら嬉しい。だから自分にとってその人が優しいと思ったり偉いと思ったり可愛いと思ったらそのまま言えばいい。本当は知らないけど、自分が思ってることは本当。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) June 29, 2016
12.『友だちのパパが好き』
『友だちのパパが好き』を観た。“友だちのパパが好き。”とか言ってれば済む映画では全くなかった。まさかのクオリティ、奥行き、四方八方の面白さ、半端なさ。実際は“友だちのパパが好き。”では全然済まされてない次元の映画。題名に舐めさせられずに観るべき!!と強力に推す。『ローリング』級。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) January 3, 2016
『友だちのパパが好き』もうこれだけ数々の個性を一人の男を中心とした“恋愛劇”という修羅場の集合体の上でま〜面白計算高くまとめあげてしまう手捌きから言ってしまえば今『マイ・ファニー・レディ』と一緒に観たい映画としてこの上ないし、『サッドティー』とか好きな人にも刺さること間違いなし。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) January 3, 2016
『友だちのパパが好き』わたしと友だちとパパの話(だけ)では全くなくて老若男女全員の映画、幾つもの様々な恋愛劇がわたしの恋にまっすぐ過ぎる性癖もとい強引な気まぐれのせいで滅茶苦茶に絡み合い、典型的50歳サラリーマン男の脆さを次々に暴いていく、可愛いタイトルの裏に痛快な毒を潜めた良作
— SunCityGarden (@SunCityGarden) January 3, 2016
昨年公開された『友だちのパパが好き』『ローリング』『3泊4日、5時の鐘』の3本の日本映画は、三者三様の舞台で男と女の実情を見事にエグ面白温かく捉えた、たまらなく魅力的な現代の恋愛いや人間映画達で、そこでは新感覚と普遍性が、辛辣さと優しさが心地よく溶け合ってる。何十年先も愛される。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) January 3, 2016
11.『素敵なサプライズ』
『素敵なサプライズ』を観た。期待通りとても良い映画だった。設定や物語からすれば、もっと面白く(良い意味で大人気なく)盛ることは幾らでも出来たと思うけど、そこは節度よく抑えることで逆に全体を通してメリハリの大変効いた、シックな恋愛物語とドキドキなコメディックサスペンスの見事な融合。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) May 28, 2016
『素敵なサプライズ』もっとブラックユーモアなノリをベースにしてるかと思ってたけど、とんでもない。とてもハートウォーミングで、ナイーヴでピュア。それでいてカーチェイスや銃撃戦もちょちょいとあって品よくアクティブに、かつ落ち着いた大人のしっとり感で包まれてる。抜け目のない素敵な映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) May 28, 2016
『素敵なサプライズ』お互いサプライズコース(すぐ死ぬ予定だけどいつ死ぬか分からない)を選んでいる2人がデートの別れ際に醸し出すムードがすごくよかった。「(お互い明日には死ぬかもしれないし、2度と逢えない可能性が大きいけれど)素敵な午後だったよ。ありがとう。」これは堂々の純愛映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) May 28, 2016
『素敵なサプライズ』序盤から明らかなように死や死生観をさっぱりと洒落に扱う、その一方でロマンスだったり人と人と繋がりの描き方はピュアでナイーヴ。そのさじ加減が伝えるシックであることの趣。そこがすごく好きで、その部分でこの映画は何十年後もずっと魅力的だと思う。隠れた良作になりそう。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) May 28, 2016
10.『オレはどこへ行く?』
イタリア映画祭『オレはどこへ行く?』もう文句なしに面白い。ここ2ヶ月で一番楽しめた映画で大満足。昨年の『これが私の人生設計』に引き続きお仕事奮闘コメディの快作。でも後者が前向き懸命な奮闘なのに対して、本作は後ろ向きと開き直りの間で調子に乗り通し系の奮闘。とにかく終始吹きまくった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) April 30, 2016
『オレはどこへ行く?』公務員の諸々の特権問題に対してひたすら揚げ足を取りながら90分間笑わせ続けつつ、その中でしっかりラブコメもあり、そうそうそのラブコメの部分がアレでね、いうなれば本作は“『これが私の人生設計』ミーツ『最高の花婿』”なの。だからホントに隙がない。面白さの集合体。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) April 30, 2016
9.『すれ違いのダイアリーズ』
『すれ違いのダイアリーズ』を観た。イイ!イイ!これはイイ!!もう最高では。日記を軸にした、時間も場所も異なる人を思う恋愛って、チャーミングだけど恋愛物語として深く描けるものではないのでは?なんてあまり期待できずに誠にすみませんでした。堂々と素敵で素晴らしい恋愛映画になってました。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) May 21, 2016
『すれ違いのダイアリーズ』ここまで快作だとは全然予想できてなかった。めちゃくちゃ良い映画。構成が素晴らしい。基本的に同じ空間に居合わせない2人だけど描写上も対等に扱うことで見事にダブル主演になってる。そこがある種特殊な恋愛物語を絡めてる点において活きてる。独りよがりになってない。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) May 21, 2016
『すれ違いのダイアリーズ』純愛物語として予想以上の深みと面白みがあった。日記でしか、惹かれるお互いのことを知らない2人は終盤までこれでもかと(物理的に)すれ違いまくっていく、でもその分だけさらに心は近づいていく・身近に感じていく、まだ会ったことのない相手に。その温かい描写が秀逸。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) May 21, 2016
『すれ違いのダイアリーズ』ものすごく洗練されてるタイの映画。物語の内容は全然違うけど、作品のイメージは『マダム・イン・ニューヨーク』に近いと思う。どの年齢層の誰が見ても楽しめる、爽やかにポップで洗練された、憎めない笑いの要素と温かさに溢れ、純粋な恋愛が全体を貫く。それって、最強。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) May 21, 2016
『すれ違いのダイアリーズ』「男って本当に馬鹿。喧嘩した時に女の子が“もう別れる”って言うのは仲直りしたいからなのにそれを真に受ける」的なのがあってグァァーってなったし、良い日記の書き方の勉強にもなった。文字のレタリングをその日の気分で大胆に好き勝手変えた方が素敵な日記帳になる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) May 21, 2016
8.『マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章』
『マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章』を観た。 前作『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』の繊細な哀愁をベースにした、鮮やかながらもしっとり大人の群像劇ムードから一転、堂々のボリウッド色前面な、パワフルで華やかな力強いヒューマンラブコメディに進化。それでもいいの最高だから。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) March 12, 2016
『マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章』前作はヒューマンドラマだったけど今回はまさかのロマコメ。しっかり完全に、ラブコメディしてる。50代、60代、70代の男女たちが。まったく自然に。20代の男女たちのラブコメ映画と大差なく。だからこの映画は生きる希望そのものに見えた、私には。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) March 12, 2016
『マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章』前作でベースとして常に描かれていた哀愁を置き去りにするほど、それぞれが直面している生活の変化、恋愛の行方に一生懸命で、エネルギーに溢れた力強い映画。まさかのザ・青春映画。60歳を超えても皆んな恋に不安になったりキュンキュンしてるのが良い。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) March 12, 2016
『マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章』前作よりもホテルのオーナーである若いカップルがフィーチャーされてるし、華やかなダンスシーンも多くて、前作のシックな繊細さがなくなったことにがっかりしてる人に対しても、しっかり応えるような心に刺さるエンディングを迎えるところもポイント高い。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) March 12, 2016
『マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章』今年の新作洋画で素晴らしい恋愛映画は何本かあったけど、王道ラブコメっていうのはまだなかった気がして。そんな中で本作の存在は私的に絶大。はっきりいって期待の数十倍良かった。完全に王道ラブコメ。とても品のある。個人的に上半期の上位間違いない。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) March 12, 2016
7.『愛しき人生のつくりかた』
『愛しき人生のつくりかた』を観た。劇中でフルコーラス歌詞対訳付きで流れるJulien Doréの「Que reste-t-il de nos amours ?/残されし恋には」カバーの素晴らしさに胸熱。映画の場面を散りばめた素敵MV https://t.co/UlBGiPCMCo
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年1月24日
この曲のシャルル・トレネによるオリジナル版を主題歌に添えたのがトリュフォー『夜霧の恋人たち』で、原題“Baisers volés =盗まれた口づけ”も歌にあるサビの詞から 。『愛しき人生のつくりかた』では『夜霧』当時のアントワーヌと同い歳くらいの主人公が彼と同じホテルで働いてる!
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年1月24日
『愛しき人生のつくりかた』エンディングでこちらもフルコーラス歌詞対訳付で流れるBerryの「Le Bonheur」も本当によすぎて…。むしろ最後にこの曲で終わることで、この映画の素晴らしさが循環を迎えるような…。本当にいい曲。 https://t.co/TJPG8vt83E
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年1月24日
幸せを恐れないで。そんなものないのよ、ここにもどこにも。これ以上何も言わないで。身をまかせましょ。キスのための時間、私はあなたを好きになるわ。宝物は隠されていない、ここにちゃんとある。私達の足元に見えてるわ。人生が一度だけなんて残念ね。でもあなたとの出会いという贈り物をくれたわ。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年1月24日
『愛しき人生のつくりかた』をDVDで再鑑賞。やっぱりすごくいい映画だなあとしみじみ感じた。全編を注がれる、この優しい視線、優しい空気、描かれる物語はそれぞれの人物にとって踏んだり蹴ったりの出来事のはずなのに、それをそのまま描いてもなお、そこから優しい気分を浮かび上がらせる映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年7月5日
『愛しき人生のつくりかた』人生で起きる様々な(そのほとんどは実際踏んだり蹴ったりで格好つかない、情けない)出来事を、どんな距離感から見つめ、捉えたら、そこにもなお、優しさや幸福感を感じられるのか、見出せるのか。それをさりげなくそっと、具体的に沢山見せてくれるのがこの映画だと思う。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年7月5日
『愛しき人生のつくりかた』「ねぇーどうしよう?」なんてけっこうマジでブルーな相談の時にも、とりあえずそこに温かくて美味しいコーヒーと焼菓子を持ってくるだけで、一瞬でホッとできるし、幸せを感じる。そういう幸せの感じ方、在り処をシックな描き方で隅々まで行き渡らせたのが本作の90分間。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年7月5日
『愛しき人生のつくりかた』それでもやっぱり一番グッと高まるのは「残されし恋には」のイントロが流れ込む瞬間。タイミングがあまりに素晴らしすぎる。歌詞の訳を字幕で入れてくれたのも本当に素敵。一行一行が刺さる。劇場鑑賞後すぐにサントラを購入したけど、私がこの上半期で一番聴いた曲はこれ。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年7月5日
6.『ロイヤル・ナイト』
『ロイヤル・ナイト』を観た。ああ〜〜もう完璧というか非の打ち所がないというか、とにかくひたすら楽しくて魅力的で、100分が本当にあっという間。予告編でキュンときた人なら、これはマストで満喫できるはず。そのキュンを裏切らない、もっと大きくして返してくれる、大人のおとぎ話。素敵すぎ。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年7月2日
『ロイヤル・ナイト』おてんばすぎる妹につられて、人生で最初で最後の自由な一夜を駆け抜けることになった19歳のエリザベス王女が、本当に生き生きと演じられていて魅力的。可愛らしく優雅で美しい、理想的なお姫様像。この上なくチャーミングな“ビフォア・サンライズ”に時を忘れて吸い込まれた。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年7月2日
『ロイヤル・ナイト』こんなに清々しく幸福な余韻をくれる映画も滅多にないエンディング。あのキス、あの笑顔、完璧すぎ。しっかり者のお姫様なので一夜を街で明かしても流石にロマンスはないと思わせて、その範囲内でMAXのロマンチック。いやむしろこれはもう、って感じの最高ボーイミーツガール。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年7月2日
『ロイヤル・ナイト』真面目でしっかり者の姉と、おてんばで自由な妹、っていう組み合わせもお嬢さま映画の王道って感じでとてもいい。全部が王道、でもそれを綺麗に瑞々しく、トキメキいっぱいに更新していて、誰もが心を許しちゃう映画になってると思う。こういう映画が上映されていてありがとう好き
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年7月2日
5.『フランス組曲』
『フランス組曲』を観た。もうこれは最高だった。好きなやつすぎる。2人以外誰にも秘密の恋愛、という状況におけるそれぞれの心理描写が、ナチスドイツに侵略され支配下におかれた町の張り詰めたムードと相まって、よりいっそう深みを増す。味わい深い恋愛には疑心暗鬼があってこそとでも言うように。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年1月10日
『フランス組曲』ミシェル・ウィリアムズの表情作りの素晴らしさが本作でも大いに作品を豊かにしてる。私は『テイク・ディス・ワルツ』で完全にあれにハマった。町の皆がドイツ軍から死に物狂いで逃げわまってる時に、悠々とお家の中でランデブーに備えてお洒落してテーブルコーデしてるのも刺さった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年1月10日
『フランス組曲』2人ともそれぞれに根深い苦しみや緊張を人知れず抱えて生きているけど、心の中に生まれた、互いに確かめ合った密やかな恋情が、2人を助けていく。秘密の恋愛をしてるからこそ、辛い世間の中を歩くときも今の自分にはどこ吹く風だと思える瞬間がある。それは強かで尊い希望だと思う。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) January 10, 2016
4.『ビューティー・インサイド』
『ビューティー・インサイド』を観た。めちゃくちゃ好き。傑作とかそういうふうに言われるタイプの作品ではないと思うけど、自分に一番響くのはまさにこういうの。だって、もうリアルに切実に切なくて、胸が苦しくなれる。ファンタジーをさらりと超えて、繊細で美しい、情緒豊かなザ・恋愛映画。最高。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年1月24日
『ビューティー・インサイド』彼の気持ちも分かりすぎるし、彼女の気持ちも分かりすぎる。それはきっと本作を観た殆どの人が陥る、切なさであり、喜びであり、苦しさ。それほどに感情描写が本当に丁寧で繊細。全編に感情が浮かぶ。なのに、こんなに慎ましく、ひんやりと、穏やか。そこが本当に好み。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年1月24日
『ビューティー・インサイド』目覚める度に外見が変わってしまう彼が、密かに恋に落ちた彼女と知り合うためにイメケンのルックスになれる日を待って、やっとルックスを手に入れてデートできたら、今度はなんとか寝ないように徹夜を続けて、毎晩デートする一生懸命の日々の切なさと愛おしさはザ・最高。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年1月24日
『ビューティー・インサイド』目覚める度に外見が変わってしまう彼を123人の老若男女が演じていて、その中には日本から上野樹里がいて、劇中屈指のめちゃくちゃいいシーンすぎて心が震えた。2人の心の距離が一晩で一番近づいていく、ターニングポイントとなる夜のシーン。上野樹里がとんでもない。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年1月24日
今月は『フランス組曲』『ビューティー・インサイド』『知らない、ふたり』と3本も心に深く染み入る恋愛映画の新作を観れて嬉しい。その中でも『ビューティー・インサイド』は恋愛映画の王道をストレートに美しく邁進していて、その上でさらに丁寧にじっくり、近づきすれ違う恋愛心理を描き上げてる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年1月24日
『ビューティー・インサイド』構成が好き。片想いと普通の人のように思いを伝えられないのことのダブルの切なさ→恋愛の喜び、楽しさ、一生懸命な気持ち→楽しいだけでいるには近づきすぎて、心がすれ違いだした2人がそれぞれ迎える苦しさ、という風に構成からして恋愛そのものだから入り込んじゃう。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年1月24日
3.『ビートルズ』
(朗報:2016年10月1日より『イエスタデイ』に改題して劇場上映)
北欧映画祭『ビートルズ』、最高最高超最高ぉぉぉおおお〜!!!これはもう私的年間ベストでいいかもしれない。確かに傑作とか名作と形容されるタイプではないし、スカスカ気味に感じる人もいるのかもしれない。でも私はこういうのが死ぬほど好き。超最高の青春恋愛音楽映画。ときめきに満ち満ちてる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年2月6日
トーキョーノーザンライツフェスティバルで上映中のノルウェー青春恋愛映画『ビートルズ』、好きすぎて。感じたことを少し殴り書きメモ。とにかく共感しかない映画で、『あの頃ペニー・レインと』や『アクロス・ザ・ユニバース』より好きです。最高! pic.twitter.com/EtrckKaFc1
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年2月6日
『ビートルズ』転校生の高嶺の花的お嬢様に恋をしてしまいデートにこぎつけるんだけど、彼女が歌詞が魅力的と言うレナード・コーエンの良さがイマイチ分からなかったり、『ラバー・ソウル』は「ミッシェル」以外全曲好きと言ったら、「ミッシェル」が最高なのよ、って言われちゃうあたりもう堪んない!
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年2月6日
4人で初めて人のバンドセットを勝手に拝借して「I saw her standing there」をイントロから立ち上げていく高揚感、「Let it be」の使い方の美味さ、15歳4人で宿題してるふりして『Sgt. Pepper's』の封を開けて針を落とした時の興奮と衝撃感。最高!
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年2月6日
2.『彼らについて』
アンスティチュフランセ恋愛映画特集で『彼らについて』を観た。もおぉぉぉ最ッッッッ高だった!というかこれを劇場公開しないのですか。本当に最高の恋愛映画、恋愛感情というものを正しくリアルに描写したらこうなるしかない・なってほしいという、理想的表現の塊のような作品で、後半は昇天してた。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年5月14日
『彼らについて』アナイス・ドゥムースティエ演じるメロディの疾走ぶり、弁護士の仕事とその合間を縫って逢引く相手同士には秘密の2人の恋人(その2人の男女は恋人同士=究極の三角関係設定を超極限に活かし切った究極の三角関係映画)との突発ランデブーでいつも忙しく走り回ってるその圧倒的良さ。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年5月14日
『彼らについて』アナイス演じるバイセクシュアルの26歳の女の子が恋人(女)の恋人(男 女2人が付き合ってることは知らない)からも愛を寄せられる三角関係の中で、満たされない愛と孤独と秘密の関係に混乱しながら同時に毎日ハードな弁護士の仕事にも奮闘しまくるという最高の青春映画でもある。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年5月14日
『彼らについて』孤独な心に生きる活力を注ぎ込む恋愛も仕事も慌ただしく迫ってくる毎日でゆっくりする暇もなく気付けば生活全部がごちゃごちゃで、それでも命綱だけは離さないように大切なものだけはしっかり追いかけて毎日を疾走していく、26歳の生活。その中にある恋愛の描き方が本当にリアルで。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年5月14日
それでそんなぐちゃぐちゃに疾走するしかない毎日の中で出会う恋愛感情の描き方のズバ抜けた素晴らしさだけで満足できるのに、後半!!スゴイ次元まで到達してしまってる。本当に。最高の青春映画が最高の恋愛映画に移り変わっていく。『彼らについて』は『キャロル』と並んで個人的に今年最高の映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) May 14, 2016
『彼らについて』でのアナイス・ドゥムースティエの魅力は『彼は秘密の女ともだち』や『バードピープル』や『カプリス』とはもはや次元が違うと言っていいほど突き抜けている印象を受けた。ある意味、その中では一番“普通の女の子”風のキャラクターだけど、とても生き生きとしていて艶っぽく魅力的。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年5月14日
『彼らについて』鑑賞前は“キレイだなー洒落てるなー”だけだったこのポスターも、もう作品を観てしまえばこれがどれだけ深いシーンから来ていたのかが分かって感慨深くなってしまう。86分の映画なのに、とんでもない深みまで連れて行ってくれる。 pic.twitter.com/9knxDh428Q
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年5月14日
『彼らについて』三角関係は言葉で超える・解消することができないと、ある瞬間に同時に悟り、それでもその苦しみのトライアングルを超えて解消する覚悟を決めた3人の強さ。だから、この作品は(広義での)“セックス”を新たな深みと強さ、知性で意味付け、表現することに成功していて、そこに感動。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) May 14, 2016
恋愛映画特集の3本を続けて観て改めて感じたのは、恋愛映画とは(自分にとって一番)人間らしさ(と感じられるもの)を描くもの、そしてそういった作品の存在が人間らしさを許す(そしてそのことが逆説的に恋愛ほど罪深い作用はないと告ぐ)表現として在るように感じられること、だから私は惹かれる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年5月14日
1.『キャロル』
『キャロル』を観た。もう最ッッッッッッッッッ高だった!!!これだ、これだよ観たいのは、っていう、まさにそのものだった。最高の恋愛映画だと思う。この映画には主に3つの恋愛関係が描かれるんだけど、その対比によって、テレーズとキャロルの関係が理想的な恋愛関係だと思わせる。麗しの巧妙さ!
— SunCityGarden (@SunCityGarden) February 13, 2016
『キャロル』旅行に行く直前のテレーズと彼氏のキレ気味のやり取りが象徴的で。彼氏は彼女がキャロルに惹かれるのを勝手に「一目惚れ」だと言い放つ。それに対してテレーズが「彼女とは話が合うから好きなだけよ」ともういい加減にしてよアティチュードで吐き捨てる。本作はこういう“差”で溢れてる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年2月13日
『キャロル』感想メモ殴り書き。本当に本当に堪らない映画で。も〜〜〜語りたいことがありすぎる。もう、同性の恋愛映画とかそういう狭いところにある作品ではなくて、ただひたすらに理想的な恋愛の在り方を提案してるようで。凛々しいほどに。名作。 pic.twitter.com/2u44o7iRHl
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年2月13日
『キャロル』もそうだけど、人とは異なった、自分の幸せを分かっていて、それを守っていくには、力強い、ある種の逃避行を続けていく勇気と覚悟が必要で。それは戦いでもある。一方的な矯正を課そうとしてくる世の中との。そのためには知性と勇気が両方必要で、幸せな経験がそれを育ててくれると思う。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) March 5, 2016
『キャロル』が恋愛物語として力強いのは、幸せとか人生の在り方をパートナーや世の風潮から押し付けられようとされている2人がいて、そういう辛さを知ってる者同士が出会った時に、2人の中でまたそれを繰り返すことなく、それぞれが変わらないで一緒にいられる関係の上に恋愛を描いているところ。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2016年3月5日
ということで、2016年上半期の個人的なベストシネマは『キャロル』でした。『キャロル』を置いて他になかった。今まで生涯で観た映画の中でも一番好きです。感想が未だに文章でちゃんと表現できないくらい、好きだし、すがるようにあの映画のことを思ってる瞬間がこの半年の間に何度もあった。これほど一本の映画の存在に救いを見出せたことは今までかつてなかった。
と、しばらくの間ずっと思ってたんですが、先日映画館で流れてた予告編でめっちゃヤバいのがあって本編観る前から心が揺れてます(笑) 今週末が楽しみです。
個人的に今年『キャロル』以上の映画はない気がしてたけど、ボノの「彼らの演奏は当時のU2より巧いw 間違いなく今年No.1の映画」というコメがチラシにも載ってる『シング・ストリート』の予告編があまりに良すぎてこれは!9日公開。https://t.co/OU0NAHAtpU
— SunCityGarden (@SunCityGarden) July 3, 2016
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