2018年の私的年間ベストシネマ 30選 (No.1 ~ No.15)
私が2018年に映画館で鑑賞した作品の中から、個人的なベストランキングと感想をまとめました。
超私的な感覚で1位から30位までを勝手に選びました。
基本的に日本での公開が2018年1月~12月の作品を基準に選出しましたが、中にはそうでないものもあるかもしれません。そのあたりはご容赦ください。
『勝手にふるえてろ』の劇場公開は2017年12月でしたが、私は年を越えてから鑑賞したので入れました。
それでは、私的ベスト1位からです。
1.『アマンダ』
(朗報:2019年6月より『アマンダと僕』の邦題で劇場上映決定済み)
『アマンダ』を観た。前作『この夏の感じ』で提示されたミカエル・アース作品の魅力(全てのカットに注ぐ、今この瞬間に存在する生の営みとそれを収めた景色を誠実に肯定する優美さ)は全てそのままに、物語の厚みや感情描写の深みは桁違いに進化している。特別で極上な、これぞ幸福な映画体験。大傑作。 pic.twitter.com/TAJsVgoGwn
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年10月28日
ミカエル・アース監督作に初めて出会った前作『この夏の感じ』は、まさに最初のデートで思いきり恋に落ちた感覚で。それ故にハードル激高な2回目のデートよろしく、今夜新作『アマンダ』を観たわけだけど、なんてことだろう絶対プロポーズ決意まで突き抜けた感としかコレは。生涯ベスト映画に会えた。 https://t.co/tHC3lX71Or
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年10月28日
『アマンダ』アース監督の前作『この夏の感じ』で特に印象的だった「ティーンエイジ・キックス」に乗せて屋上で踊る場面と2人でNYの街を疾走する場面のエッセンスが、アマンダと母がエルビスで仲良く踊る場面と、寝坊した主人公とアマンダが小学校まで全速力する場面にそれぞれ引き継がれてて泣けた。 pic.twitter.com/extqJugoY2
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年10月28日
『アマンダ』寝坊した主人公とアマンダが2人で小学校まで全速力するシーンが本当に大好きで、あの場面のああいった描き方こそアース監督の真骨頂だなぁと思う。あの辛い日々が続いていた朝に、とにかく2人で一緒にがむしゃらに走り出すことの意義の大きさを、あんなに優美な肯定感と共に描けるなんて。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年10月28日
『アマンダ』最愛の近親者を突然の死により失った2人が、その悲痛を抱え生きるその後を描くという物語の設定は、前作『この夏の感じ』の再訪とも言えるが、理不尽で絶対的な喪失と悲しみに打たれた残された者達が、それでも人生に再び幸せを見出し得る過程とその尊さの描写はずっと克明に深化してる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年10月28日
『アマンダ』、前作『この夏の感じ』に引き続き、最愛の近親者を突然の死により失う2人の物語を採用してるが、20代同士だった前作から、一方は7歳の姪っ子である点や、今作は病死でなく不特定多数へのテロで犠牲者や遺族が2人以外にもいる点等、人間関係がより社会的になったことで物語の厚みが増した
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年10月28日
『アマンダ』安易じゃなく真に誠実な意味で「ひとに優しい映画」が撮れる稀有な映画作家なんだこの監督は、という感慨を全てのカットからひしひしと感じた。きっと人は誰しも理不尽な悲しみを知る運命にあって、だからこそ、それでも人が幸せに立ち戻る瞬間を幾つも詰め込んだ本作が胸に響いてやまない
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年10月28日
『この夏の感じ』ミカエル・アース監督トークショー、アース作品の魅力的特徴のセルフ解説、『アマンダ』との相違点、16mmフィルムに拘る理由、トリュフォー提唱の映画製作3つの執筆になぞったアース作品の特徴、ロメール観、マック・デマルコとの初対面等、1時間じっくりトークを聞けて大充実だった。 pic.twitter.com/M0IKKhC0xw
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年10月29日
ミカエル・アース監督トークショー、『アマンダ』でも『この夏の感じ』でも採用されている16mmフィルムによる撮影に対する拘りについて、16mmはザラザラした不完全な映像であるとした上で、映画の使命とは美しい不完全さを伝えることにこそあり、故に16mmに心を打たれる、という映像論が特に刺さった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年10月29日
ミカエル・アース監督の、登場人物を自転車に乗せると映像に音楽性がもたらされるという発言が目に鱗だった。『アマンダ』も『この夏の感じ』も伴奏が秀逸だけど、彼の映画はどのカットも伴奏の音楽以前に映像自体が音楽を宿してるように映る。優れた音楽は映像性を携え、優れた映像は音楽性を携える。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年10月31日
2.『シェイプ・オブ・ウォーター』
『シェイプ・オブ・ ウォーター』を観た。超極上の映画体験。巧みで繊細で尊い感情描写と演技の数々、優雅な映像美、ラブリーなスウィングジャズとあの時代のボーカルものファンにはたまらないロマンチック極まる音楽たち、そしてその全てを封じ込めた物語。泣きそうになった回数も含め生涯ベスト級。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年3月4日
『シェイプ・オブ・ ウォーター』ロマンチックというものを完璧に描き出している映画と感じた。日々の現実はロマンチックからかけ離れたものであること、ロマンチックな感情は他人に伝えるのが難しい自分だけのフィーリングであること、をしっかり描いてるからこそ、正しくめちゃくちゃロマンチック。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年3月4日
『シェイプ・オブ・ ウォーター』主人公が「You'll Never Know」を歌うシーンは映画的に究極であると同時に、“音楽や歌の意義”を完璧なリアリティを伴いながら示す、極上の“音楽についての時間”。あなたに伝えきれない感情があるからこそ、音楽や歌が人間の中から生まれる。それを最高に生々しく示す。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年3月4日
『ナチュラルウーマン』を観て以降、(その原題の邦題の端緒のなっている)キャロル・キング作の「(You Make Me Feel Like) A Natural Woman 」を、『シェイプ・オブ・ ウォーター』を観ていても『ウイッチ・フウィッチ』を観ていても感じられた。3作品とも彼女が彼を好きになる理由がそこに共通してる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年3月4日
3.『シシリアン・ゴースト・ストーリー』
(4月~5月に開催されたイタリア映画祭の際は『シチリアン・ゴースト・ストーリー』の邦題で上映)
『シチリアン・ゴースト・ストーリー』を観た。作品を構成するあらゆる要素の隅々までが完璧な見応えで張り巡らされた、堂々の大傑作。瑞々しく切ない青春スリラーと、真のシビアさから目を逸らさない社会描写映画が見事に両立しきった、今年最高の純愛映画。中学生が綴った究極のラブレターに泣いた。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年5月2日
『シチリアン・ゴースト・ストーリー』イタリア映画祭の中だけに留めておくには余りにもったいない。本作での初恋描写の熱さ、尊さ、切なさは、『君の名前で僕を呼んで』の比じゃない。全力でハッピーエンドを願わずにいれない10代の純真さと、マフィアが根付くイタリアの社会描写の相乗効果が超秀逸。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年5月2日
『シチリアン・ゴースト・ストーリー』純愛映画として序盤から一瞬も緩みなく完璧で、友情映画としても最高だけど、後半になるとそんな次元を優に超越して、社会環境がもたらす暴力的で絶望的な抑圧の中でも、若き心が絶やさず放ち続ける尊い想像力と祈りそのものを具現化した映像表現に飲まれきった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年5月2日
4.『ミス・ペク』
TIFF『ミス・ペク』を観た。大大大傑作。言葉を失う程の圧倒的観応えが最後の最後まで途絶えることがなかった、今年最高級の映画。家庭内児童虐待の残虐さを当事者双方の視点、社会的根深さの視点から多角的に描きながら、かつて被害者だった女性が命を懸けて少女を救い出そうとする姿に打たれ続けた。 pic.twitter.com/GBFfAa5mX0
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年10月27日
『ミス・ペク』かつて自分も母親からの虐待に苦しみ、理不尽な前科を持つ女性が、両親からの日常的虐待に苦しむ9歳の少女を救い出そうとする物語設定は『私の少女』を連想するけど、人間ドラマの濃さ、虐待の現実を描くリアリティ、スリリングな観応えのどれを取っても比じゃないレベルで本当に凄い。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年10月27日
『ミス・ペク』主人公が高校生の時に理不尽な殺人未遂で逮捕された当時の下っ端刑事が、今の彼氏になっている点も一筋縄ではいかない恋愛要素としてとても良く活きているように、破格のシリアスさとスリルで引き込む映画ながら、人間関係を多角的に描写することで風通しはとても良く、理想的な観応え。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年10月27日
『ミス・ペク』児童虐待や家庭内暴力を扱った映画は多くあるけど、本作は間違いなくその最高傑作の一つと呼べる。当事者以外は“他人事の問題”という枠から越えにくいテーマだけど、重層的な物語と圧巻の演技でキャラクターの心理的機微を生々しく描いた本作は、容赦なく観客を当事者に寄せる力がある。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年10月27日
『ミス・ペク』児童虐待の問題として、被害者の子どもがその状態から抜け出せても、その後の人生での自尊心の持ち方に深い影響をもたらす点もじっくり描かれる。主人公が少女に自分を「ミス」ペクと呼ばせるのは、韓国で独身女性が自分自身を蔑む意図で用いる呼ばせ方だとQ&Aで聞けて解釈が深まった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年10月27日
5.『下鴨ボーイズドントクライ』
『下鴨ボーイズドントクライ』これはもうどうしたらいいんだッ!?ってくらい最高すぎるし、大大大好きすぎるし、大傑作!!!胸キュンで死にそうになった。前作『左京区ガールズブラボー』の魅力を完璧に携えながらも、映画として格段の大進化を遂げてる。私にとっては今年最高の映画体験というしか。 https://t.co/GAZKGRKmgW
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月18日
『下鴨ボーイズドントクライ』冒頭の献辞で「『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』になりたいと言っていた頃の君に捧げる」とあるように、前作に続きGHTGテイストは大健在だけど、今回はそこに『アバウト・タイム』(もち主人公の部屋にポスターあり!)の要素が掛け合わせられてて胸キュン度の限界値超えた。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月18日
『下鴨ボーイズドントクライ』まさに『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』× 『アバウト・タイム』と形容できる、インディロックやミニシアター系映画への愛情を常備しながら、別々の未来へ歩んでしまった最愛の彼女との関係を取り返す為、過去へのタイムトラベルを繰り返す大学生の甘酸っぱさ全開超奮闘劇。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月18日
『下鴨ボーイズドントクライ』前作でも最高に高まったインディロックや映画愛を示す小物演出が今回も絶妙で、ホイットニーのTシャツや『レディ・バード』のポスター等無数に出てくるけど、部屋に貼られた『アメリカン・スリープオーバー』のポスターが映った瞬間は流石に泣けた。最高すぎだろズルい。 https://t.co/oZ36DORaqY
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月18日
『下鴨ボーイズドントクライ』インディロックに対して親しみの薄い観客にも全開で魅力を訴え得る、完璧な魅力で敷き詰められた青春恋愛映画としてのストレートな秀逸さが光りまくってる。恋人との幸せな日々と後悔の瞬間を幾度もリピートしながら軌道修正に奔走する姿は極上にエモくて共感が尽きない。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月18日
『下鴨ボーイズドントクライ』全編に渡って監督のインディロックに対する愛情を示しつつも、最も決定的な場面で「こんなインディロックをいつまでも聴いてるから駄目なんだよ。私たちもう22だよ。」とヒロインに切実に吐かせてしまうところが本当に堪らないし、そこが真に作品と監督を信頼できる所以。 https://t.co/qIwW4U8f1Z
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月18日
『下鴨ボーイズドントクライ』田中怜子演じるヒロインがあまりに可愛らしすぎて儚い印象すら醸し出してるところが、就活で京都から東京まで忙しなく移動する物語設定や、彼女との沢山の幸福な思い出を走馬灯のように駆け巡らせていく語り口に大変マッチしていて、瞬間の儚さと尊さ描写に大貢献してる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月18日
6.『The Witch / 魔女』
『The Witch / 魔女』を観た。超圧巻の観応えに余裕で年ベス級の大傑作。親友や家族とのかけがえのない日常を巧みに描いたハートウォーミングな青春映画から、極上の爽快感とクールネスが炸裂しまくる超洗練バイオレンスアクション作へとあまりに華麗な変身を遂げる、完全無欠のエンタメ作。最強すぎ。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月4日
『The Witch / 魔女』今回、のむコレで上映中の本作は『第一部 転覆』というサブタイトルがついてるように続編が待ち受けているけど、これ程に全方位無敵な完璧エンタメ大傑作、次回作が届く前にロードショー上映しない手などあるのだろうかと思わずにいられない。どう考えても限定上映の玉じゃない。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月4日
『The Witch / 魔女』2018年の私的ヒロイン・オブ・ザ・イヤー第1位は、本作のジャユンで決定した。ホンッッットに極上クールネスそのもの。バイオレンスシーンからここまでクールな爽快感と高揚感に満たされたことはかつて無かった。洗練を極めるアクションと不敵すぎる彼女の表情に、私は昇天した。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月4日
『The Witch / 魔女』本作を大傑作たらしめているのは、クライマックスを飾る極上クールなアクションシーンは元より、そこに至るまでの多くを占める、親友との素敵な友情やかけがえのない家族愛を瑞々しく描く日常パートの秀逸さにある。アクションが登場する以前に最高のガールズムービーとして成立。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月4日
『The Witch / 魔女』ヒロインのジャユンは当然に最高最強だけど、私的には彼女の親友でいつもやかましい同級生ガールが超絶愛おしい。あのやかましさが幾度ジャユンを救ってきたかと思うと泣ける。ほんと最高のガールズムービー。続編が成功するかの鍵は彼女を幸せに出来るかに懸かってるとさえ思う。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月4日
『The Witch / 魔女』クライマックスの空前クールなバイオレンスアクションは確かに目玉だけど、そこに至るまでの『サニー 永遠の仲間たち』にさえ肩を並べると思わせる、ヒロインと親友による友情青春物語が堪らなく素敵。正直このままアクション映画にならなくても最高に満足だと思いながら観てた。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月4日
7.『かごの中の瞳』
『かごの中の瞳』、観応えすごすぎ。果敢で鮮烈な映像演出を連発しながら夫婦それぞれの心理を繊細かつ立体的に描き上げていく。極めて映像的に語られる心理描写に圧倒される前半から一転、際どく揺れる夫婦関係を絶妙な距離感から切り込むドラマチックな後半へと変貌する構成も含め、極上の映画体験。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年9月29日
『かごの中の瞳』夫婦関係の危機を描いた傑作として、テン年代前半に『ブルーバレンタイン』が、中頃には『ゴーン・ガール』 があったけど、本作はテン年代後半のそれに堂々値する映画だと思う。映像表現としてのスケール感、示唆に富む多面的な視点から語られる2人の関係性の変遷…完全惹き込まれた。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年9月29日
『かごの中の瞳』原題の『All I See Is You』は主人公の彼女による自作曲の歌詞「私が幸せな時、私の瞳に映るのはあなただけ」から来てるけど、この一節が示唆するものの辛辣さと深みに大いに唸らされた。誰もが、自分の存在意義を証明してくれる誰かに依存しながら生きていることに気付かされる映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年9月29日
8.『カランコエの花』
『カランコエの花』を観た。想像を遥かに越える大傑作。これは観れてホントによかった。登場人物たちの所作はもとより、その間合いの一瞬一瞬までもが極限のリアリティを宿していて堪らない。10代の無邪気さとそれ故の残酷さ、それでも確かな人間の温もりを完璧に体現した演技とカメラがあまりに秀逸。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月25日
『カランコエの花』今年最高の学園映画であり、今年一番大人が観るべきティーン映画だと思う。LBGTという言葉の認知は広がった今にこそ多くの人に問い掛け得る、身近な生活の中での本当の実感の在り方と接し方の難しさを、瑞々しい演技が連なる学園映画を舞台に、真にリアルかつ正直に描ききった傑作。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月25日
『カランコエの花』LBGTに限らず、自覚としては差別意識が無くても、様々な価値観を抱く人々が重層的に関わり合い共存している身近な実社会において、当事者の目に写る自分は果たして本当にその自覚に従った行動が取れているだろうかと、ハッとする自問と気付きに導かれる本作の観応えはあまりに尊い。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月25日
『カランコエの花』主人公・月乃のきめ細かく秀逸なキャラクター造形と、それを極上のリアリティで体現する今田美桜とそれを引き出す共演者たちの姿は、観客の意識も当事者の一人として物語の中に引き上げ、共に彼女と悩ませる圧倒的な力がある。そんな引力が40分間の中に濃縮された、贅沢な映画体験。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月25日
『カランコエの花』まさかここでエンドかよと驚愕する、衝撃のエンディングが観客にもたらす成果に感嘆。このエンディングを前に、短編だから長編並みの重量や観応えは期待できないという浅はかな見積りは決定的に崩れ去る。観客に最も多くを与える為に40分という長さが選ばれたことの説得力に痺れた。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年11月25日
9.『アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング』
『アイ・フィール・プリティ! 』を観た。今年最終週の新作にして、堂々今年最後の傑作入りを果たす極上コメディだった。心から笑えて泣けて最高に元気づけられる、年末年始の映画鑑賞にこの上なく最適な1作。負い目に感じてることをリセットして清々しい気持ちに導いてくれる、尊い魔法を宿した映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年12月29日
『アイ・フィール・プリティ! 』2010年代を代表するコメディ映画の傑作にして、ガールズコメディの新たな金字塔では。男子が観ても余裕でフル共感できて元気をもらえる極上のハートフル映画。主人公が働いているのが高級コスメブランドだから劇中ファッションにも思いきりときめけるし、音楽も最高。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年12月29日
『アイ・フィール・プリティ! 』主人公のルックスを題材にはしてるけど、描かれるテーマは人々が抱える多種多様なコンプレックスや“自分に自信が持てない問題”全般についてのショック療法的対処術コメディだから、老若男女誰が見ても共感できるポイントが見出せる、人間の心の普遍を捉えたコメディ。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年12月29日
『アイ・フィール・プリティ! 』主人公が働く高級コスメブランドのCEOを演じるミシェル・ウィリアムズが、ロングストレートヘアに常時フェミニンなファッションを纏った麗しのガーリーぶりで、まさかこんな可愛いミシェル反則すぎだろと思わずにいれないキュートさを前に、私は早々に完全降伏だった。 pic.twitter.com/glyw3l0cs1
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年12月29日
『アイ・フィール・プリティ! 』の挿入歌でMaroon5 ft. SZAや元VWのRostamといった錚々たるメンツに混ざってSnail Mailまで流れ出す抜かりなさに高まってたら、次に観た『来る』ではCigarettes After SexやKing Kruleまで流れ出したから、今の映画館は稀に見るレベルでインディリスナーに優しい仕様。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年12月29日
10.『アリバイ・ドット・コム』
『アリバイ・ドット・コム』を観た。これでフィリップ・ラショーのコメディ映画作家としての間違いなさは完全に証明された、というしかない、完璧な極上コメディ。ヒャッハー!シリーズで彼のファンになった人には全編が嬉しくて堪らない笑いで埋め尽くされるはず。ロマコメ度高めで期待以上の充実度。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年2月17日
『アリバイ・ドット・コム』ヒャッハー!シリーズを凌駕する密度で繰り広げられる堪らないコメディシーンの無限連続にひたすら楽しい気分に浸れる。ヒャッハー!シリーズ2作でも屈指の胸熱シーンだった爆走カーチェイスもしっかり引き継がれていて、前作の『世界の果てまでヒャッハー!』を超える1本。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年2月17日
『アリバイ・ドット・コム』クライアントの浮気旅行に同行しながらあらゆる手段を使って完璧なアリバイを添え続けていく過程で連発する、はちゃめちゃな真相偽造の攻防戦コメディからは『マイ・ファニー・レディ』を彷彿とさせるシーンが多かった。あれほどの深みは存在しないけど、楽しすぎて大満足。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年2月17日
『アリバイ・ドット・コム』予想外なほどロマンチックな表情を多く見せる映画。ロマンチックとは、密かな願いをものにするために社会的な道徳に背を向ける瞬間に宿る、特別な生命力のことではないか、と納得させられてしまう描写が多々あり。世間に悪いことをする瞬間のときめきなくして生きられない。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年2月17日
11.『1987、ある闘いの真実』
『1987、ある闘いの真実』を観た。多面的な群像劇として繰り広げられる物語のスケール感も、人間描写の濃厚さも、ドラマとしてのスリルも、全てが超高水準で圧巻の見応え。ラブコメの価値観で生きてる私みたいな奴だからこそ自己投影し得るキャラもしっかり主軸の一面として描かれる趣の深さに激惚れ。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年9月17日
『1987、ある闘いの真実』隅々まで熱量が充満した濃密な映画であることは予告編から十分伝わってたし、実際完璧にそうだったけど、ただ社会構造的に社会問題に対して熱量が濃い階層を押す出すだけじゃなくて、個人主義的な一般階層まで交えて描く引きの上手さ、群像劇として的確さ、秀逸さに惹かれた。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年9月17日
『1987、ある闘いの真実』社会情勢を描く物語・映画として、真に理想的な作品。原題が年号のみの『1987』であることに大納得しながら唸る。本人の意思はどうあれ政治や情勢はその時そこに生きる全員の暮らしを操る一方、同時に社会とはその全員の個々の意思の集合体であること。その描き方の超秀逸さ。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年9月17日
『1987、ある闘いの真実』全体の割合からしたら少ないけどラブコメ要素もあってキュンとなれるし、何より最初から最後まで一瞬の隙なく惹きつけられる半端ない吸引力をもった映画なので、普段社会派映画は敬遠しがちな人にも自信を持ってお薦めできる。私的には靴屋のおばちゃんが一番カッコよかった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年9月17日
12.『好きだった君へのラブレター』
今週末公開作で1番楽しみな『マイ・プレシャス・リスト』を前に、同監督によるネトフリ映画『好きだった君へのラブレター』を観たのだけど、なんなんだッ!!てくらい超絶最高の完璧ロマコメで完全悶えた。これヤバイ。どれだけ胸キュンさせたら気が済むのってほど胸キュンの無限連続で心臓が焼けた。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年10月16日
『好きだった君へのラブレター』明らかに2018年最高のロマコメだった。あまりにときめきの瞬間が多すぎて、これ一体なんなん!?ってなる程の大傑作。今年の個人的最優秀主演女優賞は、本作のラナ・コンドルでいいです。なんて、なんて表情豊か。これは『マイ・プレシャス・リスト』も間違いなさそう。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年10月16日
『好きだった君へのラブレター』奥手な女子高生が昔好きだった同級生男子と偽造カップル契約を結んで実行する過程を描く物語だけど、契約条件の一つを各々大好き映画だけど相手は観た事がない『すてきな片思い』と『ファイト・クラブ』を2本立にして一緒に観る、にするくだりで悶え死にそうになった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年10月16日
キスや手繋ぎはダメだけど、『すてきな片思い』でやっていた後ろのポッケに手を入れるのはOKとか、そんなことやってたら絶対本気で好きになっちゃうだろっていう言動を、お互いで次々に積み重ねていくから胸キュンがヤバイ。こんな純粋に可愛い映画、なかなか無いと思う。全部がリアルに可愛い、尊い。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年10月16日
『好きだった君へのラブレター』これ映画館で観ていたら、たぶん2018年の私的第1位に選んでた。出てくる男子が大人も含めて、身も心も超イケメン揃いなのがいい。good boysに囲まれたgood girlの初恋コメディを、最高級の表情豊かさと心理的機微の細やかな追求により、リアリティ全開に描ききってる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年10月16日
『好きだった君へのラブレター』主役のラナ・コンドルはアジア系女優で、その点は『クレイジー・リッチ!』が引き合いに出されるけど、アジア系キャストに特化した後者よりも、様々な人種が登場しながらも誰もが分け隔てなく接し合う本作の方が、力強く建設的なメッセージを感じられて好きだと感じた。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年10月16日
『好きだった君へのラブレター』偽造恋人契約を続けてきた彼との関係が詰んだ主人公が、その内心では本物の初恋体験を振り返り「頭の中では出来ている。でも実際にやると…」と表現するの、ロードが失恋回想曲「スーパーカット」で繰り返す「In my head, I do everything right」と一緒でハッとした。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年10月16日
『好きだった君へのラブレター』劇中のBGMもBlood OrangeからエンディングのPainsに至るまでインディポップ系のキラーチューン揃いで堪らないのだけど、特に印象的に使われるLauvの「 I Like Me Better」なんて、彼の気持ちをそのまま体現したような歌詞でぶっ刺さりまくり。 https://t.co/nf6O1u81dy
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年10月16日
13.『輝ける人生』
『輝ける人生』を観た。予告編とあらすじ見た時はこの邦題でもまぁ有りかなと思ったけど、本当にめちゃくちゃ良くて、逆にこの邦題なんとかならなかったのかと思った。最高にフィールグッド映画。後半のロマンチックさに心が澄んだ。人生を限界まで遊び尽くすことの尊さを説得力全開で肯定してくれる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年9月8日
『輝ける人生』自分のビジョンや欲望の外側にある喜びや幸福感に触れる度に、人の心は幾度も生まれ変われて、それまでの固定観念や価値観の呪縛から嘘のように解き放たれることが出来る。狭い欲望や安心に囚われず、未知の楽しさに飛び込むことの尊さ=個人的なお洒落の原理、が瑞々しく描かれた映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年9月8日
『輝ける人生』主人公が途中から容姿を意識的に変化させる映画が大好きなので、本作の主人公が気持ちの変化とぴったりな髪型チェンジをした朝は嬉しくなった。もし気分が低いところで滞ってどうしょもない時は、とりあえず思いきって髪型変えてみるという力技があることを思い出させる素敵な変身映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年9月8日
14.『クレイジー・リッチ!』
『クレイジー・リッチ!』を観た。抜け目のない完璧な面白さが清々しいほど炸裂してる。目にも、耳にも、心にもゴージャスで楽しく、ロマコメ王道のセンチメント行程も余すことなく押さえてる。観る人全員を笑顔にするオークワフィナの最強コメディエンヌぶりは『オーシャンズ8』の時より5億倍魅力的。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年9月29日
『クレイジー・リッチ!』期待以上の面白さと爽快感。タイトルで掲げた名目上のテーマの割に、中身は最も健全なロマコメのスタイル、誰かと心が通い合っていることが人類共通の幸せであり人間の永遠のテーマ、を思いっきりやり通してる。とにかく各々の親友キャラとその関係性に激萌え出来るのが強い。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年9月29日
『クレイジー・リッチ!』絢爛豪華なのは絵だけじゃなく音楽もめっちゃ気前よくて最高。「Material Girl」とか「Can’t Help Falling in Love」とか王道中の王道を連発することに全く躊躇がないどころか現代における楽曲の価値をさらに高めてるし、結婚式でのスウィングなディスコ空間には完全蕩けた。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年9月29日
Lordeの詩が大好きなので『かごの中の瞳』の台詞で”Perfect Place”って単語が出てきた時、ハッとして、一見この世でもっともPerfect Placesと呼ぶに相応しい世界を舞台にしてるように窺える『クレイジー・リッチ!』でも描かれるのは、結局“What the fuck are perfect places anyway?”ってことだった。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年9月30日
15.『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』
『バッド・ジーニアス』を観た。青春クライム映画の新傑作。このジャンルでここまでのめり込めたのは私的に『ピエロがお前を嘲笑う』以来かも。後で130分もあったって知り驚き。進めば進むほど右肩上がりに面白さが増し続けるから、時間感覚なんて忘れちゃう。誰にでも自信を持ってお薦め出来る映画。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年9月22日
『バッド・ジーニアス』学園映画にありがちな青臭いセンシティブなエモ描写はセンスよく端的に抑えられ、クライム作戦練り上げ&決行シーンのスリリングな面白さとクールネスを右肩上がりで磨き上げていく構成が、凛々しく瑞々しい青春クライム映画を生み出していて新鮮。大人が観ても完全に楽しめる。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年9月22日
『バッド・ジーニアス』学校の定期試験から始まり、終いには時差を利用するため国境を跨いで挑む超厳格な国際入試まで、本気で“究極のカンニング”が追求されきった映画だし、その行為そのものの超リアル描写も、そこまで彼女たちを駆り立てるエモーショナルな背景描写も一級品。オンリーワンの金字塔。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年9月22日
『バッド・ジーニアス』庶民だけど秀才の彼女と、ボンボンリア充な“客”たちによる幾つかのカンニング決行作戦が臨場感全開で堪能できるけど、本作の一番の魅力は、ここに登場するカンニング手法は基本誰でも実践可能な現実感を保ち続ける点。もし中高生の時、本作を観ていたら生涯の一本になったはず。
— SunCityGarden (@SunCityGarden) 2018年9月22日
私的16位から30位まではこちらを。
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